【再掲】「『常任委員会の定数を変更する』議案」の提案理由

ここに記したもので、表題「常任委員会の定数を変更(増やす)」の部分だけを再掲しておきます。
再掲に当たっては、提案理由の後の部分を、一部変更しました。

「『常任委員会の定数を変更する』議案」の提案理由

議員になると初めに受け取る必読本の『議員必携』の序章にはこう書かれています。
「現状では多くの政策は執行機関の側で作られ、議会に提案されているが、議員は、本会議や委員会での質問、質疑、修正などを通して、政策形成過程に参画し、予算、契約、条例などの審議に置いて最終的な政策決定、すなわち地方公共団体の意思決定を行っているのである」
分かりやすく言い換えれば、
「多くの政策は執行機関側で作られているけれども、三宅町の議員は、三宅町の意思決定を行っている」ということになります。

いくつかの歴史的な過程を経て、現在、三宅町議会には二つの常任委員会が存在しています。
二つとは、総務建設常任委員会と福祉文教常任委員会です。
定数は、それぞれ5名となっており、現在10名いる議員が5名ずつに分かれて、どちらか一方だけの常任委員会に所属しています。
そうすると自分の所属する委員会ではない、もう一方の委員会に割り振られた議案に対しては、質問、質疑、修正などを充分に行うことができない現状があります。

今回の「『常任委員会の定数を変更する』議案」は、委員会の定数を5名から10名に増やすことによって、二つある常任委員会のどちらにも所属できるようにする内容です。
そうすることにより、
「自分の所属していない委員会に割り振られた議案に対しては、質問、質疑、修正などを充分に行うことができない」という現状を変更しようとするものです。

目を通す議案が増え議員一人一人の負担増加を危惧する声もあります。私もそう思います。
しかし、さいわい三宅町は奈良県で一番小さな町です。よその自治体に比べてたくさんの議案があるわけではないでしょう。議員の皆さん一緒にがんばりましょう。

今回提出した「『常任委員会の定数を変更する』議案」は、
執行機関から提出される案件に対して、議員全員が質問、質疑、修正などを充分に行うことが出来るようにするもので、三宅町の意思決定を行う、我々・三宅町議会議員の本来のあるべき姿に近づけるものですので、議員みなさんの同意をいただきたく、ここに提案します。

反対討論のあった議員さんの意見にこの場で答えておきます。
本当は本会議の場で議事録に残したかったのですが・・・

その議員さんの反対意見は、次の2点だったと記憶しています。
1.「変えるということは今までの常任委員会に問題があったということになり否定につながる」
2.「やるなら時期はキリのいい、次の議員の改選時にするべき」

⇒1.
もちろん問題があると感じています、だから変えたいのです。
「変える」ことがそもそも「否定」につながるとか言っていたら、何も変えられないです。政治的な変革はない。
「変える」ことが、すべて「否定」と単純に考えていては多くの人の賛同得られると思いません。
逆に「それダメ」「あれダメ」と否定ばかりを言っていても、多くの人の賛同得られると思いません。
「良い点は学び、悪い点は変える」という「バージョンアップ」という発想が必要ではないですか。
今回は変えますが否定ではなく「少ない委員数の中で先輩議員たちは頑張ってこられた」と尊敬の念を持つ事も当然できます。

また「委員会を兼務すること自体が禁止」であった時代(2006年)があったことをご存知ですよね。
委員会の兼務禁止の規定が外れた時、議員でいろいろと話し合ったとの先輩議員の発言が、当時の議事録に残っています。
議員が少数になり、その中で議論が深まるように、あるいは、少数では常任委員会が、そもそも機能しないのを危惧して、委員の兼務禁止規定を 2006年に地方自治法改正で、兼務可能にしています。
今は2018年。10年以上遅れましたが、三宅町も自治法の改正の流れにやっと乗ろうとしていると私は考えています。

⇒2.
「現状に問題がない」と思っておられるようなので変える必要はない、ということでしょうけれども、
変えた方がよい事であれば「自分たちの責任の期間が終わった後。次の議員が新たに活動を始めるタイミングで」という考えは、あまりにも無責任だと思います。
変えた方がいいと我々今の議員が思うのであれば、我々の責任がある期間内に行うすべきです。

先の議員報酬削減の議案に反対されていました。今回の反対と合わせるとそれは「今のままの仕事で充分であり、もっと給与を上げよ」と言っておられるに等しく、
「俺は頑張らない」宣言をしていると私は感じます。
「このままではイケナイ。議員としてもっと出来ることがあるはず」と考える私とは正反対の認識であります。

先のギウンでもヤイのヤイのと話をした内容です。
もう一人2人反対された議員がいます。
そのうちの一人は、のちに「開始する日付が気に入らなかった」と言っていました。
先にあげた通りの回答です。

事前の全体の会議では、明確な反対意見は言われていませんでした。(先の先輩議員もそうです)

なので反対の理由を勝手に想像するに、
「自分で自分の仕事を増やしてシンドクなるようなことは止めておこうよ~」という意見かなと思っています。
それであれば賛同できる部分はあります。
そういう意見があれば、委員数を10名から減らすなど対応策も考えることも出来ます。
(委員会を兼務できるが全員が兼務でないとしている他の議会もあります)
しかし、その時にチャンと意見を出しておかないとそういう話にはなりません。

我々、議員は、例えるなら道を作っています。
「作っても作らんでもいい」「作る考えも分かるし、作らない考えもわかる」というような意見では、なにも言っていないに等しいです。
現状にあった内容でないと無理が生まれ、どこかにヒズミが生じます。

これから議員のなり手不足の時代になるでしょう。
議員一本で生計を立てることは現状では厳しいです。
そうなると仕事の兼務を考える必要も出てくるでしょう。議員と他の仕事。
そんなに高くない議員報酬で仕事内容のハードルが異常に高いとなると、志があっても議員と他の仕事の兼務という人に門戸は開かれません。
自分の考えていること、思っていることは伝えて欲しいです。
普通の人に議員になって欲しい。

とは言え、今回のこの改正は、議員のハードルを上げる事でもあります。
「住民さんに選ばれた」からには「すべきことがたくさんある」のは当たり前です。
「すべきことがたくさんあること」と「実際にすること」は全く別です。
ヤル気のない人にやらせることは非常に難しいですが、やる気のある人が出来ない状況は変えたい。
そのことに対して足を引っ張るのは止めて欲しい。

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