2022.03.02 議会初日 定数削減になりました

2022.03.02 議会初日です。

議案の説明と、いくつかの採決がありました。
今回の日程での一番のメイン議案は、来年度(令和4年度)の予算です。
予算案の話し合いは、次週の予算審査特別委員会で審査されます。
この日に決定したことは、
この会議の打ち合わせにあたるギウン(議会運営委員会)の方向でも書きましたが、議員定数削減の議案が提出され、次期の選挙から議員定数が9名となることが採決で決定しました。

採決は、賛成反対が4対4で意見が別れ、最後は、議長が賛成の意思表示をし、可決になるという、議員間でも意見が分かれた末の可決でした。

私は反対しました。
反対理由は簡単です。
「意見が分かれるとわかっていたのに、マルかバツかを決める多数決に、いきなりいくの?
結論を出す前に、話し合いをすべきである。どちらの方向に行くにしても、デメリット対策をして、話し合いをしたうえで意思決定をするべき。
そういう機関が議会である」

というものです。
「話し合いなんかしても無駄だ。考えを変えないだろう?」そんな声が聞こえてきたりします。
考えを変える?
「こうするのが三宅町の未来のためになるのだ」と私は考えるという未来像をお互いに知ることが必要です。
住民の代表でそれなりに権力をもっているのが議員です。
何を考えているのかわからない人が権力を持っているのは怖いです。

「合意形成をめざす議論以外は無駄」と何かの本か研修かユーチューブかできいたことがあります。
確かに「合意形成する気がない」のなら議論は時間の無駄に感じます。
それぞれ好きなことを言い合って解散というのは、暇なら参加しますが、忙しい時は勘弁して欲しいです。

話し合いすることで、「それをするなら、デメリットを出来るだけ減らす」とか
「そういう方向で進むなら、条件を付けて賛成・反対する」など、妥協点を見つけることはできるはずです。

それをするのが議会だと考えていますし、そんな議会にしたいです。
今回の決定までの過程は、三宅町議会の「議会としての実情」を示すものでした。

今回良かったことは、討論で賛成の議員が2人(発議者の議員含む)、反対の議員が私を含め3人、考えを述べたことです。
4対4で意見が分かれ、議長の裁決で、定数削減が決まりました。

その時、初めて、この議員さんは、そう考えていたのだ、というのが、わかったりしました。

とにかく、次期から、三宅町の議員の数は、9人となります。
これからやらなければいけないのは、定数を減らしたデメリットをどう、この議会が克服していくのか、その対策(行動)です。

ということで、
私のこの時の反対討論の原稿を載せようと思いましたが、うまく言えていなかったので、議事録で確認していただくとして、
研究者と有識者、当事者らの意見をコピペしておきます。


旭川市が調査した報告から抜粋(調査自体が少し古いかもしれません)
議員定数に関する識者の意見

野村稔氏(前全国都道府県議長会議事調査部長)
「減数によって浮く金額に目をとられ,反対に住民意思の反映機能,執行機関に対する批判監視機能の低下についての検討がおろそかになっているのではないかと心配する」
「議会の批判監視機能の低下は,最終的には住民自身がマイナスを受ける。」
「議員が減れば批判監視機能が確実に低下するのに,それが表面化していないだけである。」

江藤俊昭氏(山梨学院大学教授)
「それぞれの議会にとって必要な定数はどれくらいか・・・といった論点を明確にしないまま削減競争に走る姿はむしろ議会の自殺行為に思えてならない。」
「首長サイドのパワーセンターと並ぶもう1つのパワーセンターを成立させるためには,討議できる人数が必要」

全国町村議会議長会政審幹事会小委員会
「少数の委員で実質審議を行うことになり,広く住民の意見を反映させるという議会の代表機能の低下を招きかねない。」
「議会の代表機能という観点からは,議会は住民の年齢層,性別,職業,各地域等からまんべんなく選出された議員で構成されていることが望ましく,単に人口規模によってのみ議員定数を論じるべきでないことは言うまでもない。」
「議員定数は,「行政改革」や「経費節減」といった観点からのみ論じるのではなく,人口,面積や職域等に応じた住民の多様なニーズや意思を正確に反映させることが大事であり,全住民を代表するにふさわしい数が望ましい。」

猪野積氏(旧自治省)
「議員数を決定しようとする場合,二つの基本的視点が必要と考えられる。一つは,議会権能の発揮の視点である。議会の重要な機能は,地域の行政需要を的確に把握して,それを行政施策に反映させることと,首長の行政を監視して,これが専横に陥ることのないようにチャックすることである。・・・今一つは。行政改革の視点である。」

大事な、なり手不足・無投票の問題にも触れているので引用しておきます。

町村議会議員の議員報酬等のあり方 最終報告」より
こちらは、全国町村議会議長会の報告なので、議員側からの報告です。
なので『お手盛り感』が出るはず(「報酬が少ないから議員のなり手がいない」というような意見はまさにそうだと感じる。しかし、お手盛りのあるはずの報告書ですら、こう書いてあるというのをお楽しみください)

「今日、議員のなり手不足問題が広がっている。その原因の1つが議員報酬の低さにもある。また、定数の減少により当選ラインが上昇することも議員のなり手不足の原因の1つでもある。
「増加できないあるいは削減の場合は、住民による支援が不可欠。財政的問題から本来議員報酬・定数を考えるべきではないが、どうしても危機的状況から考えなければならないこともある。この場合には、議会力をダウンさせないために、議会事務局の充実や、住民と議員とが一緒になって地域課題について調査研究するなど(長野県飯綱町など)、住民による政策提言・監視の支援を制度化すべきである。 」
女性議員比率の高さに対して報酬金額の高さは直接の効果はなかった。議員定数の大きさが最も大きい作用を持っていた。女性議員を増やすという政策目標を重視するのであれば定数削減は避けるべきといえる」
議員報酬の低さと議員定数の少なさが無投票当選につながるのであり、無投票当選の発生を避けるのであれば、議員報酬と議員定数を一定の水準に保たなければならない、ということになる。 」

ひとつ今回の三宅町議会での議論が間違っているのではないかと思われるのが、
「無投票を避けるために、議員定数を削減」に効果があると思っている議員がいるのではないかという点です。
引用した報告書には、「議員定数が少ないと無投票になる可能性が高くなる」とまったく逆のことが書かれています。
様々な地方議会のデータを取った結果ですので、このあたりは本当に議論や認識を深める必要があったと後悔されます。

とにかく、たくさんの考えないといけないことが山盛りだったのですが、それらをすっ飛ばして、いきなり「賛成か反対か」「やるのか、やらないのか」の結論を出してしまいました。

9名に定数削減した次の選挙で、無投票ということであれば、次は、議員報酬のアップが出てくる可能性ありですね。その時、住民さんを巻き込んで話し合いが出来るでしょうか・・・

出来るだけ小さな労働で大きな収入。ようするに「楽して儲ける」そんなふうに、ワタクシ走りがちです。
ですので、仮に、議員報酬アップの話が出るなら、そこは、住民さんも交えた議論は絶対ですね。
しっかりウォッチしてくださいね。と私は言うが、私が情報を出さねければ・・・・・
ウッシッシ。
(冗談ですよ! 信じるそこの君! やめてくれ、冗談だって)
メリット;
1,議会費が安くなる(9名と言わず、もっと下げられるかもしれない。このメリットを生かす議論なし)
2,人数が少ない分、議会としての意思決定が速い
(これは、様々な意見が議会内に生まれない、というデメリットの裏返しです)
3,無投票になりにくい(「特定の人物しか議員になりにくい」)

デメリット;
1,様々な意見が議会内に生まれない
(意思決定が速いというメリットの裏返しです。町長も選挙で選ばれているので「意思決定の速さは町長、議会は住民の間にある様々な意見を反映するところ」という二元代表制の仕組みと、このメリットは相性が悪いです)

2,多様な住民が議員となるハードルが上がる。合格者の数を少なくしたので単純に当選の倍率が上がります。
当然、少数者の意見が反映されにくくなる。

3,議員活動の幅が広がらない。少数で同じ仕事をするなら、必要のない仕事はしないなど、議員の仕事の幅が狭くなります。

3,無投票になりやすい(「広くいろんな住民に開かれている」というメリットの裏返し)

次回の選挙より、三宅町議会の人数は9名です。

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