2025.01.21 研修「誰もが誰かの応援者「地域」で応援し合うために」 野々村光子 氏

誰もが誰かの応援者~「地域」で応援し合うために~

社会福祉法人わたむきの里福祉会 理事/東近江圏域働き・暮らし応援センター Tekito-(テキトー)前所長 野々村 光子(ののむら みつこ) 氏
 精神保健福祉士。幼い頃から障害がある人が自宅を出入りするという環境で育つ。大学卒業後、作業所、行政職を経て、2006年、一人ひとりの「適当」を大切に、すべての人がその人らしく働き・暮らせることを大切にする、働き・暮らし応援センター“Tekito(- テキトー)”を立ち上げる。
2014年度ふるさとづくり対象個人表彰(総務大臣賞)を受賞。著書に、雑誌の人気連載が書籍となったエッセー集『しんどいから おもしろいねん』(2024年/コトノネ生活)がある。


資料の表紙「いいちこが安い」というチラシの画像。急遽変更。
今日、「あなたの好きないいちこが安いで」という宣伝が送られてきて、
応援されている(応援している側でなく)、あらためて地域の中にいると感じた

「働人」
働くを真ん中に人の思いが重なっている。
それが重なり大きな力となる

「社長が応援団長になる地域づくり~未来への下ごしらえ~」
今回のテーマ

開始5分ですが、話(声)を聴いて、この講師の先生のパワーを感じる。なんだ??

自宅で充電中の方(平均25年)より。彼から聞いた
保健師さんが来て、「お茶を飲みに来ないか?」と言いに来た。
今、部屋で飲んでます。

ある例:
地元の中学校(なかよし学級・支援学級)を卒業後そのまま就職。
親戚のネジ工場に行った。数が数えられなかった。くび
反物の染の会社に行った。数が数えられなくて、くび
繰り返す
疲れて、テレビ見て家で酒を飲むように。
働かへんか? 「もう疲れた」
そこで、彼の出来るところと出来ないところを見つけることにした。
豆腐屋(平均70歳)そこへ49歳で来た。若返ったとみんなに歓迎された。
「居間のテレビをこうてん。働くとええこともある」

名前「応援センターTEKITO-」
各地にある「障害者就業支援センター」のことです。

大津の応援センターは、応援センターハッキ
草津は、応援センターリラク

48歳のs男性、19年前、鬱になった。
働くことは簡単。働き続けることは難しい。
コツが二つ。
1.自分に合っている仕事内容
2.ゆとりが大事。家に帰って酒が飲めるほどテキトーな余裕がある。

国は言う全国に「企業開拓しなさい」(障碍者達成率を挙げろという意味らしい)
社長「働いたことある人を雇いませんか?」「障碍者を雇用しませんか?」
64社全部断わられた。

人口が減っていく時代の中で、一日8時間真面目に働かないひとは要らんという視点では、未来がない。
「見学事業所」に登録させて、と頼みに行った。
「一番か?」と尋ねる。そうやと言って
次はいつでも実習してもええ企業に格上げになった。
実習してもらうと、初めの二時間の集中力はスゴイが、あとの時間は役にたたん!
「雇用事業所」に格上げです。二時間のパートで雇いませんか?

ある例
うちは機械が多いから、障害者を雇えない。
労災の事故は何ですか? キリコで手を手をケガするのがある。年に2回。
自閉症の彼は、番号を書いてあっても順番がわからない。しかし、そこに近江八幡駅の順に駅名をつけてみると、絶対に順番を間違わない。確実な仕事となる。
彼が休んでも、他の従業員も、駅を飛ばすと気持ち悪くて、間違えなくなった。

(娘が侵入・ママにもらったとオモチャを見せに来た)

・18年のひきこもりの彼
図書館の草刈り・手刈りで。

噂が広がり、他の図書館も、こっちも草刈りしてくれへんか、と広がる。

役所から電話があり、委託している組織があっちこっちの仕事を受けたらアカン。
しょうもないって割がある。困りごとを手伝いたいだけ(誰のソンになる)
任意団体を結成。

あんた今日からきたん?
そう、家に居たら暇やからおいでと言われた。
何年家にいたん?
8年
勝った。俺10年

チーム・ノリシロ(ノビシロでなく)

ドアの向こうにいる命をもっと早く知りたい。
二階の一室にいる子どもを、父ちゃん母ちゃんは「東京に行っている」という
知るのは、ケアマネさんから「誰か二階にいる」という連絡が多い。

株式会社バショ
葉ボタンで門松をたくさん作って売っている。

兄ちゃん家族が帰ってくる。義理の姉ちゃんが、最近どうしてるの?と尋ねる
働いていないのでゴマすことになる。
31日に門松の配達をする。義理の姉「こんな年末まで働いてるの?」
「まぁ」

JAの人が、門松を手作りしてる?! すごいな! 全部買うぞ

800個、作った。5個買うわ。残り795株どうすんね?!

どうしたらええん?とあっちこっちに。
役場の職員通路で売ったら?
社協で売ったら?
会社の駐車場で売ったら?
年末までに完売した。88888

専門性より関係性。応援が広がる。

10周年の記念に何するのか?
10年のお礼を二時間の式典で言えるか?!

10周年 パラダイス事業(24時間の酒盛りをした)
一番人が集まったのが、始まる前の準備の時。

社長たちは、なんか野々村に騙されている気がすると言っている
ある時、飲み屋の店の前に「野々村光子被害者の会」一行とあった。

社長は他の社長に「うちの会社に15年働いてないヤツ雇ってるけど、めっちゃええで」と他へ広げてくれる。

「私がかかわった会社は絶対につぶさない」と勝手に思っている。
あんたに言われた「一番遠くにいる人のことを考えろ」

ハローワークに求人をだすより、野々村のところに「ええ人おらんか?」と聞く。
長く続けて欲しいから。

「エアコンのネジ締め作業」
「おれは、ネジをしめていない。日本の夏を背負ってるんや!」
名言やな! 「あんたが言った」

図書館の草刈りに呼ばれた時に「なんで草刈りなんかせなアカンね」と言ったら、
草刈りチャウ、草刈りしないと蜂が巣をつくるんや。子どもの安全を確保する仕事や!
とアンタが言った。

コロナ禍で、企業がヤバイ、人がヤバイ
あっちこっちの企業をつなげた(仕事のなくなった会社と、急に忙しくなった会社もあった)

「不要不急の外出をやめろ」とテレビで、何が不要不急がわからないと餓死寸前の人が出た。
家以外の知っている(行ける)場所が必要。
働くだけでは救えない
あっちこっちに「場所が欲しい」と声をかけまくる。
→ 「気にするが集まる場所」古民家を得た

「働く」というテーマだけでやって来たことを反省。

『お疲れさん。飯食おう。』
働くコトからつながる時間。
誰か(長くひきこもっていた彼?)が言う。
「人が握ったおにぎり食べるのって遠足以来やわぁ~」
聞いた作り手が台所で泣く。地味なものがたり。

コロナ禍で、「感染の防止」と上から降ってくる

『組織を脱ぎ捨てろ』
主人公は自分。そんな贅沢をこの場所で味わい尽くす。
この場所が全員のもんになる時間。
「来週女子会します」

『オヤジに憧れて』
知らん誰かに直接言われる。
「美味いわぁ」週末の夜の出番場所やな。包丁研ぎ今度持ってくるわ。

25年部屋にいた人
「めっちゃエコや!」
ずっと地域の人。誰よりも地域の人

「働く」障害のある人の働くをやっているのではない。すべての人の働くをやっている。
使っていない役所の施設を何かに使わないか?
やるやる。食堂をやることにした。
その時に、
役場に4社の弁当屋が来ていた。
4社に一日何食売れているか尋ねる。その倍の数を企業に回って注文を取ってきた。
我々が食堂を出すことで、周りの弁当屋の売上が落ちたらダメ

ひきこもりの人が言った。なぜ部屋のドアを開けられなかったのか?
「開けるのは「簡単」その後、あっちに行けこっちに行けと階段があるのがわかっていて、開けられるわけないやろ。
「開けたらどうやった。あんたがカップラーメンを食っていた」
扉の向こうには階段でなく廊下がある


中学校二年から学校に行かなくなった。
会ってみると、その子が言った「なんで、学校に行かへんのとか聞かないの?」
みっちゃん(野々村さん)「興味ない」
中学生「学校に行っているとか行ってないとかで、私は変わらないんや」

「自転車にまたがって新幹線のレールの上に立っている」感じ
行先はわかっているけど、自転車で行けるのか!?という不安

福祉の業界が制度に当てはめることがスタートになっている。
ちゃうやろ!!
扉の向こうにある人にどうするかやろ!

MIND勉強会
今日、出会ったヤツ自慢
例:50歳でパンツを盗んだヤツがおんねん!
「アカンけど、50歳でも青春やな!」

書籍を出してもええか? 許可を得に行くと
「俺の人生きれいにまとめよったなぁー」

ももたろう便 生協

彼は、給料をみんな500円玉にかえる。ウエストポーチに詰め込んでくる。
(オカネの計算が一切できない)
お母さんは病院に入院中
重たいので、腰を丸めて来て、仕事でウエストポーチを外して、また腰を丸めて(重たいから)変える。
1万円と5千円札と500円玉をならべて、「オカネの王様はどれや?」と尋ねたら、500円玉を指す

ある時、お母さんの病院へ。
乗車賃を500円玉で払って、釣りをもらって降りた。(お!ここで500円玉を使うんや!)
バスを降りた後、病院とは違う方向へ行く。チャウでというとこっちでエエという。
どこへ行くかと思えば、花屋さんへ。
バス代のお釣りで花を買ってから、お母さんの病院へ。
500円玉が、オカネの王様だという彼の思いがわかる。
—-

議員が困っている人がいるということを知っているとして欲しい。
行政はうまくいっているというが、うまくいかないことがたくさんあることを知って下さい。

「野々村がトイレを借りられる家を作る」運動。

本人に会う時、その人からどんな風景が見えるか考えまくっている。
が、
あんたは、「お前のためや」とは言わなかった。
「人が足らんから来てくれ」と言われた。こっちがそっちの都合に合わせたんや。
「50歳のお前が一番若いと言われたが、学生バイトもおって俺が一番若いとだまされた!」

「あんたのためや」と言う時の、こっちが言う時の気持ち悪さ。
「俺のためやったらほっといてくれ」

★支援する時に家族はからませない。
親がする支援と第三者がする支援は違う。

19年やっていて、今もどうしてよいかわからない
精神科の先生に聞いたら、新聞を置けと言われた「世間とつながることが大事」
「関わりたく人間に新聞はチャウやろ! 20代の男は、エロ本や!」

「オカンに行ったら。新しいことはしたくない。前に息子が激怒したことがある」
「なら自分がやる」と、オカンがご飯を作った後に、エロ本を乗せていた。それを続けていると、ある日、急に扉が開いて「やめろ!!」
扉があいたので入ると、エロ本が、部屋に平面上に置いてあった。それで段々自分の居場所がなくなって、「やめろ!」と扉を開けた。
そこから、支援につながる・・・

行政の人(ひとくくりにしてはいけない)が、腹立つことはある。
ノリシロでなく、自分のノビシロ(障害福祉とはなど)ばっかりの職員もおる。
行政から出入り禁止になることも、いくつかある(ワオ! 聞きたい。そこを行政が変えられたらもっと違う方に展開できるのに・・・)


最後の「オカネの王様は500円玉」の話は、涙が出てきた。おっさんを泣かすなよぉ。オンラインの受講で良かったわ。
エエ話を聞かせてもらった。しかも勉強になった。考えるところ多い。

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