地域の歴史・文化資源を活かしたまちづくり~しあわせ実感都市瀬戸内市の取組~
岡山県 瀬戸内市長 武久 顕也 氏
岡山県 瀬戸内市長 武久 顕也(たけひさ あきなり)氏
1968年生まれ。1992年に筑波大学農林学類卒業。1996年に邑久町(現 瀬戸内市)議会議員。2001年には英国バーミンガム大学公共政策大学院に留学(公共経営管理学修士)。2003年監査法人トーマツ大阪事務所パブリックセクターシニアマネジャー、2007年関西学院大学専門職大学院准教授。2009年に瀬戸内市長に就任(現在4期目)。国宝の備前刀「山鳥毛」を活用した観光施策の推進をはじめ、公共交通や子育て環境が充実したまちづくりを推進。「しあわせ実感都市 瀬戸内」の実現に向けて全力で取り組む。
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あと二カ月足らずで、退職することになっています。
議員さんが多いので、失敗したことを話して役立ててもらいたいと思う。
瀬戸内市に来られた方は? 岡山県の東部です。
合併して20年。合併特例債も塚果たしたと言われている。
4期16年首長をやった、
電話ひとつで片付くので、良いこともあるが、権力構造を考えるとこれくらいかなと思う。
次のバトンを渡す人にも目をつけていたが、やめたしまった。どうしようかと思っているが、選挙で決めるのも民意かもと思っている。
政治生命をかけてやったこともある。
40歳のときに議員をやっていた。
2025年12月次期市長選不出馬を表明。
一度、首長に挑戦したが落ちた。そのことが良かったと思っている。
意識調査: 単純に住みよいと思っている人が増えているが・・・
住みにくい所に住んでいる人は、どんどん離れて行っている。その人はアンケートに載らない。(パーセントだけを見ていてはいけない。実数も確認)
パフォーマンス情報を見るときには注意。
SNSで自分の政権を揺るがすような情報を発信している首長はいると思いますか??
そこに出て来る数字の根拠は? どうやって算出されているのか?
かつては消滅可能都市に入っていた。
税外収入をどうやって確保するのかを、一生懸命にやってきた。
税外収入は、交付税が引かれないので、頑張った。
企業誘致は、企業が来ても税収が引かれる。
政治生命をかけた事業
太陽の町プロジェクト
市長時代に、塩を作っている会社が破産した。産業廃棄物に使われていた。
排水ポンプを回し続けないと海に戻る土地を市が買い取った。
日本最大級「瀬戸内Kirei太陽発電所」youtube
2009年 倒産、破産手続き開始。固定資産評価額は多かったが。。。。
2010年 瀬戸内市が跡地を取得した。 負の遺産を買う時に市民の理解が得られないと思っていたので、考えた。
この土地は持っていればいるほど損をする土地であるとアピールした。ワーワー言われた。
そして買い取った。
彫っておくと海なる土地。2億3千万円(海になる部分と、工場建物がある部分をまとめた)
銀行の人は、理屈が必要。株主に説明したりが必要。
維持費:年間1億円ほど
産廃が埋まっている土地は掘ってはいけない!! どう使う。重機を置いておくと沈んでくほど軟弱地盤。
東日本大震災が起こる。電気の固定価格の買い取り制度が出来たので、そこへ、強行に行くことに決めた。
土地の利用計画を作ったところに、事業者をやてもらう。
なぜ事業をやるところに計画のおカネも払うのだと議会に言われたが、必要。
1100億円の事業計画。契約書を交わす必要あり。顧問弁護士だけでは対応が難しかった、東京の顧問弁護士をやとった。それが良かったと今振り返ると思う
半分は、太陽光発電、半分は、自然を残す(積極的に)
越冬の渡り鳥などに配慮した。
20年間で101億円の財産収入を、市が得ている。
産廃汚染のことがしんどかった。土壌汚染のリスク。
行政が
土壌汚染のリスクを背負えるか。事業者とやり取りしたが、市が持つしかないとなった。操業が止まった場合には、市が補填しないといけないとなった。しんどかった
アメリカのGEが資金を出しているので、土壌汚染には厳しかった。
堤防の補強工事、排水ポンプの設置、水路の掘削は事業者がやってくれた。ありがたかった。
プロジェクトファイナンス(投資したものが改修できるかどうかで出資・貸付する)ペーパーカンパニーではある。そういうもの。わかりにくい
会社の信用にもとづいてお金を借りる(コーポレートファイナンス)
フィット(固定価格買い取り制度)を使うと、国民として、192000トンの二酸化酸素を減少したと言える(瀬戸内市が二酸化炭素を削減したことにならない)
起源が過ぎれば、瀬戸内市はゼロカーボンを達成したということになると思われる。
もともと産業廃棄物の処分所だった。使える手段は太陽光発電所くらいだったと考える。いろんな意見があるが。
中国製尾パネルを使っているという意見もあり。
財調とは別に積み立てている。
維持管理費61憶円
まちづくりに40億円
脱酸素の選考地域として新電力会社を設立。
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国宝の刀「さんちょうもう 山鳥毛」刀 やまとりげ 里帰りプロジェクト
この地で日本刀が作られていた。
はもん(刀文)が山鳥の羽のよう。上杉謙信が愛用した刀。上杉家の家宝。
なんと5億円の国宝の刀の購入に、瀬戸内市が名乗りをあげた。住民から賛否の意見が噴出!
太陽光発電よりつらかった。
クラウドファンディングを行う。
三億二千万円の予算をつけていた上越市。議会からも賛成を得ていたが、持ち主が3億②千万では売らなかった。
ふるさと納税で、なんでもありの状態で、オカネを集めていた時代。寄付で集められるのはないかとクラウドファンディングをやった。
寄付ならいいだとうと議会もおおむね賛成。
豪雨災害が起こった。その時に刀を買うから寄付してくれとは言えなかった。
単年度で決着をつけるつもりだったが、難しく、もめにもめた。
3億2千万円ではダメで5億円で売った。3憶20000万円が鑑定評価であったが、持ち主が売らなかった
鑑定評価という言葉を使わずに、この刀が地元に里帰りすることの価値ということで評価委員会の判定をつけた。
鑑定評価が3億のものを5億で買うと住民訴訟を起こされて負けるため。
そんなお金は集まらないだろうという声も出てきた。
結果的に一年でおカネが集まらなかった。議会からもやめておけと意見が出て、継続でさせてもらえなかった。
もう一年させてくれと議会で表明したら、一年延長を認めると議会で宣言したら、認めるということになり、1票差で議会を通過した。
もし可決されなかったら、辞職するつもりであった。(我々の言葉は重い)
持ち主も、初めは待てないと言われていた。そのために、あせって拙速に事業を行ったという反省もある。拙速にすると議会からの反発が大きい。
寄付額の推移が面白い。
職員からの提案。持ち主に許可を得て、貸し出しをして住民に見せた。長蛇の列ができた。
ラッキーは、オンラインゲーム(刀剣乱舞)で、山鳥毛が、実装された!! 寄付者が急増
最後には、子ども時代に住んだので、一番思い出として良かった。五千万円の寄付。
おばあちゃんが、瀬戸内の出身なので、三千万円を寄付する、などが出てきた!!!
山鳥毛が帰ってくるk所とで、地元の神社などが行事を復活させた!
今の刀を海外へ売ってゆくプロジェクト
★反対意見の大切さ
山鳥毛をぜひ里帰り指すべきだと思っていた人たちを、反対意見が奮起させた。
人切包丁にカネなど出すのか?!という意見。
賛成・反対があるから住民の意識が上がる。
市長は甲冑を着てチラシを配っているが仕事をしているのか!! など意見があったが、関心は高まった。
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食のしあわせプロジェクト
給食の食材を、地元の野菜を市が買い取って、子どもたちに食べてもらう。
キッカケは、物価高騰。どこでも給食費をあげた。
目指せ地産地消100%!!学校給食にご支援を!!
1.市による学校給食の地場産物の買い上げ
2.
市場から買い取った方が安いが・・・
なぜ地元から買った野菜が安全で、市場の野菜は安全でないのだ?
企業版ふるさと納税で寄付をしてくれる。
食材費 年間2億円(ふるさと納税1億円・経費を除いて。残りの1億円は保護者の負担)
今、給食費を無償化にする議論が出ているが、気をつけないといけないのは、質の低下。
今の質を維持するなら、自治体の持ち出しが必要になりかねない。
子供たちが学校給食を楽しみに学校に通っていないか?
稼ぐ自治体
行政の大きな目的の一つは正当性を作ること
一般財源を使うのは最終手段(1億円の事業をするには4億円の収入が必要)補助金を使う。
ふるさと納税、クラウドファンディング、税外収入
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雲仙市は、給食費の無償化を行った。
地産地消をして欲しいと訴えかけたが、95%が国内産。5%が輸入(小麦、大豆、とうもろこし)
輸入品の中に除草剤が入っている。安全安心でない。
>除草剤(ぐりろさーと、ネオノクチノード)行政として何かしらのエビデンスがないと情報の発信は出来ない。
なので、環境保負荷を低減させる。ということで、手間賃にオカネをだすということで取り組んでいる。
有機農法で牛糞を使っていると言っても、その牛糞は安全なのか?と言い出すときりがない。
>備前市の青山議員から質問
リーダの資質:しっかり人の意見を聞く。
わが市の首相は、予算が通ってから住民に説明するというが、講師はどうしていましたか?
意識しないといけないのは、説明責任で、正当性をどう説明するかが大事。
つまり第三者の納得可能性を高くする。
非公式の情報源をたくさんもつことでバランスをとる。(愚痴や文句)
あえて無茶なことを言って、意見を聞く。
地域の将来を考えた時の地域の価値を高める
自治体の価値を高める
自分自身の価値を高める
このバランスが必要。
太陽光のパネルの処分はどう考えていますか?
更地にして、返すという契約になっている。事業者が処分することになっているが、処分の技術の進化に期待している。日本中の問題
市の負債として背負っているわけではない。