コミュニティプロデューサー募集記事

引用:https://note.com/miyake_fukugyo/n/n80077a4dd55e

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【奈良県三宅町町長の声をレポート#3】 求人票作成の裏側のドラマに迫る。三宅町の未来をつくるMiiMoコミュニティプロデューサーとは。

この度、三宅町は2021年12月にグランドオープンを迎えるまちづくりセンター”MiiMo”(みぃも)の コミュニティプロデューサーの募集を開始しました。複業OK、週3~4日勤務可能など、行政ではこれまであり得なかったような言葉の並ぶ求人票は、一体どうやって生まれたのか?森田町長に伺いました。

※2020年12月から始まった「奈良県三宅町複業プロジェクト」。株式会社Another works(@works_another)と奈良県三宅町が、複業人材を登用した官民連携での地方創生のロールモデルとなることを目指し、3月末までプロジェクトを遂行します。

本記事は、このプロジェクトに広報推進担当として登用された複業メンバーが森田町長へインタビューを行なった内容です。

すべてが詰まったMiiMoコミュニティプロデューサーの求人票

―MiiMoのコミュニティプロデューサーの求人票が公開されました。どういったプロセスで生まれたのでしょうか?

森田(町長):行政と複業メンバー皆さんのアイデア、すべてが詰まった求人票ですね。まず、役場の職員がたたき台を作成。そのあと、複業メンバーの安田さん(@yasutese)が私にヒアリングを行なった上でたたき台を修正し、求人票らしくなりました。その後、複業メンバー全員が意見を出し合い、図を加えたり条件を見直したりして。議論を進めていく中で「コミュニティプロデューサー像」が、よりクリアになっていきましたね。

▼右:複業メンバー 安田翔(@yasutese)、左:三宅町町長 森田浩司(@miyake_cho_cho

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―職員さん作成のたたき台からはどのようにブラッシュアップされていったのでしょうか?

森田(町長):まず、たたき台を見て、複業メンバーからは「これが自治体の求人票なのか」といった声が上がっていましたね(笑)。安田さんも「ビジネスの求人票と打ち出し方・形式が違いすぎて、どこから手をつけていいかわからなかった。1週間放置してしまった(笑)」と言うほどで。そして次に安田さんから出た修正案では、ビジネスの側面がすごく出てしまっていました。私自身の想いはしっかり反映されていたものの、うまく求人内容が伝わっていなかったことも要因だったと思います。私を含めた役場の職員と安田さんとで、議論を重ねていきました。

そんな中、ある職員が「本当にこの求人票で人は来るのでしょうか?」と漏らしたことがありました。そのとき安田さんが「絶対に来ます。大丈夫です」と言ってくれて。職員たちはすごく安心しましたし、本気でやろうと、目の色が変わりましたね。

▼職員さんが作成したたたき台から、求人票作成がスタート

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▼求人票第二稿。「コミュニティマネージャー」の名称だった

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働き方の側面でも最先端のモデルに

―いろいろなドラマがあってできた求人票なんですね。こだわりのポイントを教えてください!

森田(町長):「MiiMoをハブとして世代を越えた交流が生まれ、町が元気になり、住民が自分の『夢』を描き挑戦していく。その夢の実現を応援する人も集まってくる。」これがMiiMoのコンセプトであり、今回最も伝えたいことです。そこから必要な要素をブラッシュアップしていきました。

―そんな場所をつくるための募集なんですね。複業OK、週3~4日勤務可能など、おもしろい働き方は、町長自身のアイデアですか?

森田(町長):そうですね。複業という形で、人との繋がりやスキルを生かしてほしい、と期待しています。あと、複業をしている人は優秀な人が多い、と感じています。この複業プロジェクトをしていて確信を持つようになったことでもありますが(笑)。また、今回は「地域おこし協力隊」の枠での募集。週5勤務でがっつり働いても、東京や大阪の会社で働いたときと同じように、労力に見合った高いお給料は出せません。複業は今の時代にもあった働き方だと思っているので、ぜひ取り入れたいと考えていました。

―一般的な「副業」ではなく「複業」の募集なんですね。どういった違いがありますか?

森田(町長):本気の仕事かどうか、が違いますね。「副業」は本業があって、片手間でやる仕事。「複業」は持っている仕事すべて本気で取り組んでいる、という印象です。なので、「副業」ではなく「複業」として応募してきてほしいですね。また、コミュニティプロデューサーには住居を「無償貸与」としています。町も本気で取り組むので、一緒に本気で取り組みましょう、というメッセージを伝えています。

―完全にお願いするのではなく「一緒に」やっていく人を募集する求人なんですね。

森田(町長):日本初の取り組みなので、私たちも分からないことだらけです。一緒に私たちも成長していきたい。まだ公にはできないのですが、社会の第一線で活躍されているプロフェッショナルを、アドバイザーとしてお招きできるようになりそうです。プロからコミュニティプロデュースに関わる講義やアドバイスを受けながら、コミュニティマネジメントやビジネスプロデュースのスキルを高めていきます。町長や役場職員、運営会議メンバーも一緒に学びながら成長していけるプロジェクトを推進したいと思っています。

―行政も一体となって取り組むプロジェクトなんですね。役場内の組織に何か変化はあるのでしょうか?

森田(町長):MiiMoのオープンに合わせ「MiiMo運営室(仮)」を新設します。コミュニティプロデューサーは、MiiMo運営室に所属し、役場のリソースを活用しながらMiiMo運営を推進していくようになりますね。

MiiMo運営は、役場職員、住民代表、関係組織代表らによって構成される運営会議によって行われます。その運営会議の中心を担い、MiiMoを拠点として三宅町で立ち上がる様々なプロジェクトを実現・推進していくのがコミュニティプロデューサーです。採用当初はMiiMo運営室(仮)に所属していただきますが、行政仕事を担っていただくわけではありません。むしろ、行政と連携しながら、行政が不得意とすることにこそ力を貸していただきたいです。

▼MiiMo運営会議とは

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20年後の三宅町を「自分らしくハッピーにスモール(住もうる)タウン」へ

―MiiMoを起点に、三宅町のコミュニティをプロデュースしていくのがコミュニティプロデューサーの役割なんですね。MiiMoは、三宅町の未来をつくっていく場所になりそうですね。

森田(町長):三宅町は「自分らしくハッピーにスモール(住もうる)タウン」の実現を目指していきたいと考えています。MiiMoのコミュニティプロデューサーの求人票を作る中で、「三宅町の未来をつくるMiiMo。だったら三宅町をどういうまちにしたいのか?」と改めて問い直し、住民さんに伝わりやすいようにコピーをつくることにしたんです。

三宅町のコピーは、三宅町のビジョンを表します。20年後にありたい町の姿は、20年後にまちを担う今の小学生にも理解できる言葉で表現しました。

―一目で分かるコピーですよね。「自分らしくハッピーにスモール(住もうる)タウン」にはどういったメッセージが込められていますか?

森田(町長):当初は「日本一夢が叶う、住民参加型のまち」でした。日本一夢が叶うまちにするために行政が頑張ります、といった受動的なニュアンスになってしまっていて。皆が自分ごととして三宅町のことを考えてほしい。しかし、「官民連携」だと、官か民か、どちらが先か、といったことにもなると思って。MiiMoが夢を応援する場所になり、三宅町が日本一夢の叶うまちになる、という根っこの部分は変えず、もっと前向きな言葉にしたいと考えたんです。

―実際にできあがったコピーでは、「夢が叶う」ではなく「自分らしくハッピーに」という言葉が使われていますよね。

森田(町長):夢を持てて、その夢を叶えられることが、自分らしく生きることに繋がると思っています。夢を掲げたとしても、年齢や性別、経済的な問題など、本人にはどうすることもできない理由によって、周りから否定されたり、大きな壁が立ちふさがったりしてしまうことがありますよね。夢に向かって挑戦できること自体、自分らしさ(多様性)が受け入れられることであり、とても幸せだと思うんです。

また、私は、町長選挙のときから変わらず、三宅町を、住民さんの幸せ度No.1の自治体にしたいと思っています。日本で2番目に小さい三宅町は、住民さん皆がハッピーに住むことができるまち、と一言で表したい。「住む」と、「できる」を表す「得る」を掛け合わせた造語「住もうる」と、三宅町の「スモール」をさらに掛け合わせ、「スモール(住もうる)タウン」としました。

▼MiiMoが「自分らしくハッピーにスモール(住もうる)タウン」の起点に

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求人票から生まれる相乗効果

―ありがとうございます。最後に、今回の募集にかける想いを教えてください!

森田(町長):MiiMoのコミュニティプロデューサーの募集では、今後の私の人生や三宅町の未来にとって大きな出会いになるような気がしています。求人票を作るまでは、何となくうまくいく予感はあったのですが、議論を重ねる中でクリアになっていき、確信に変わりました。私の人生では結構この直感が当たるので(笑)、今回も「この人だ!」という人に出会えることが楽しみです。

できるかな、という不安な気持ちは正直あります。誰もやったことがないことに挑戦するので、不安な気持ちは私たちも同じです。だからこそ、一緒に船に乗って波を乗り越えていきましょう!決して一人ではありませんし、正解も不正解もありません。お互いに力を出し合えば、加速度的に成長できると思っています。

ーまさに、森田町長がよく言っている「ミックスアップ」ですね!これからの三宅町から目が離せません。

森田(町長):求人票を出したことで、良い相乗効果がすでに生まれているんですよ!SNSでは求人への注目度が上がっていて、たくさんの人に三宅町について知ってもらえるようになりましたね。さらに先進的な取り組みをしていきたいと思っています。

また、職員にも意識の変化がありました。これまで見られなかったような熱量で議論がなされるようになったんです。求人票を出す以前は、コミュニティプロデューサーの採用が主目的でしたが、今では、そのほかの部分への良い効果が出ています。日本で2番目に小さい町から全国各地へ、MiiMoからいい流れを広げていきたいです!

▼森田町長のTwitter(@miyake_cho_cho

編集後記
開口一番「今回の求人票にはすべてが詰まっています!」と森田町長。町長と役場の職員さんと、複業メンバー皆さんの想いが、一言一句に込められています。町長は最近流行りのClubhouseでカジュアルな座談会も開いているそう。気になる方はぜひ一度、町長の想いに触れてみてください!

【話し手=森田浩司(奈良県三宅町町長)/執筆=宮武由佳(うどん県出身)/編集=佐野創太/監修=三宅町複業メンバー一同】

▼求人票の詳細はHPをご覧ください!
https://www.town.miyake.lg.jp/nyusatsu/job/post_746.html

▼オンライン説明会エントリーURLはこちら
https://forms.gle/HBz4df29ZxueDg5J6
※3月8日〜3月24日に、4回実施予定です。
☞すでに30人ほどが説明会に参加予定だそうです!

【お問い合わせ先】
●三宅町 https://www.town.miyake.lg.jp/
●森田町長Twitter @miyake_cho_cho

【複業メンバー一同】
人事・採用戦略アドバイザー:3名
佐野創太氏(プロジェクトマネージャー) @atsuhiko_kamiya
ひと・物・組織・新規事業の編集者/退職学の研究者。株式会社オーネットのオウンドメディア『おうね。』編集長、株式会社TRUSTDOCKの採用広報、yup株式会社のサービス編集長、桑原木材株式会社の端材を活用した新商品開発、複業をテーマとした電子書籍の編集長を務めている。退職学の研究者として「セルフ終身雇用」をAbema Primeなどで発表。1児の父であり、Covid19と出産をきっかけに妻の実家の長野と東京の二拠点生活中。

勝村泰久氏 @katsumura1123
音声Techのスタートアップにて、VPoHRとして総務人事領域を管掌しつつ、アライアンスや事業開発も担当。並行して東証一部で人事顧問、HRTechスタートアップでCCO、就活サービスベンチャーで戦略顧問、学校で講師、オンラインサロンを主催など7社で副業中で、パラレルキャリアにチャレンジしている。

安田翔氏 Facebook:https://www.facebook.com/sho.yasuda.98
大手人材会社で法人営業に従事。東京本社で採用・人事に5年間従事したのち、今年4月、大阪の法人営業部への異動をきっかけに奈良へ移住。副業で、奈良の企業と共に地域の人材育成事業の立ち上げにも携わっている。

DXアドバイザー:2名
安倍直希氏 Facebook:https://www.facebook.com/naoki.abe.0128
ベンチャー企業にて事業企画・営業企画・地方創生などの幅広い分野に携わりながら、DXプロジェクトなどにも従事。副業でDXプランナーとして活動中。様々な業界の課題に対して、データサイエンスを使ったDX企画立案を行なっている。

河上泰之氏 Facebook:https://www.facebook.com/yasuyuki.kawakami.5
トヨタ自動車様などの企業のDX支援や、東京商工会議所でDXなどの講師を務める。日本IBM、デロイトなどを経て独立。 IBMではデザイン思考チームの立上げに専門家として従事し、社内講師として数百名を育成。

広報戦略アドバイザー:2名
小林慎一郎氏 Facebook:https://www.facebook.com/shinichiro.kobayashi.378
プロデュースハウスSync Japan代表。渋谷駅街区再開発のマーケティング、NTTグループのコンテンツサービス事業、大手外食チェーンなどのアドバイザーなどに携わる。朝日放送にてテレビ編成から番組制作、新規事業に従事した後、独立。山梨県北杜市と渋谷区との二拠点で活動中。

宮武由佳氏 @udon_miyatake
地方、中小企業向けにデジタルマーケティング支援を展開する企業で、Web広告の運用コンサルティングや、自社採用サイトの編集を兼務。東京本社で、広報PRに1年半ほど従事。副業で、瀬戸内地域の雑誌『せとうちスタイル』やWebメディア『another life.』でインタビューやライティングを行なう。

【メディア掲載】(Webメディアのみ)
・読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20201215-OYTNT50028/
・日経ビジネス
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00215/121500008/
・夕刊フジ
https://www.zakzak.co.jp/eco/news/201225/ecn2012250004-n1.html