R01.10.29 議員研修「町村議会における議会改革」廣瀬和彦氏

2019年10月29日 磯城郡の議員研修でした。
田原本町の会場で行われました。
講師は、地方議会総合研究所の代表取締役・廣瀬和彦さんです。

ハッキリ言いますが、今までの郡議員研修の内容で、やっと意味のある内容だ! バンザーイという感じです。
今までご用意下さった方々には大変申し訳ありませんが、かつての研修は、「飲み屋で受けそうな政治裏話」を聞かされている感じでした。
(「磯城郡の議員がそういうレベルだろう」と言われれば、そうかもしれません。 _| ̄|〇 ガクッ)

私は廣瀬和彦氏の本(「Q&A 議会運営ハンドブック」「地方議員ハンドブック」)を、いくつか読んだことがあったのですが、講演の方が確実に面白く、わかりやすいです!
廣瀬和彦氏の本

何が面白いって?
「よく議会改革で○○するといいますが、私はやらなくてもいいと思いますよ~」なんて話も聞けるかもしれません(‘ω’)

時間も押し迫っていたのですが、最後に私は質問をさせてもらうことができ、先生の回答がまさに「今回の講演のまとめ」的なものであり大満足でした!
内容をメモっておきます。
( ..)φメモメモ


廣瀬先生の根本的な考え方に「議員には大きな責任がある。公務員とはいえ普通の公務員ではない特別な公務員である」という考えがあります。
ゆえに、「議員定数を減らす」「議員報酬を減らす」というのは、良くないだろう、となります。
議員活動に専念するためには、それなりの報酬が必要。議員にも生活があるのは当たり前のこと。ボランティアでしろというのは無茶。

自分たちの仕事(働いている姿、その結果)をアピールするために、情報公開は必須、だろうと結びついていると感じました。
逆に言えば、情報公開して自分達のやっていることを住民さんに見せない(情報を公開しない)のであれば、「議員定数を減らす」「議員報酬を減らす」と住民さんが思いますよね。ということでもあります。

現状:
町村議員の専業率は22.8% で、農業と議員の兼業が29.0%で、併せて半分以上。
議員を専業とすることは難しい。議員報酬が低いから(職員の初任給より低い所も多い)

科学的な統計を取って関係のあることについて(統計学的観点から)
・議論できる最低人数は6人か7人。常任委員会の数を考えて、委員会のメンバーを最低7名と考えると・・・・三宅町の適切な議員定数は?
・地方になればなるほど議員定数、議員報酬も少ない。財政が疲弊しているから財政削減のあおりを受けて減っている。
・議会基本条例を制定すればするほど、議員報酬が下がる。(議員報酬の削減を議会改革としてとらえてしまっている)
・議会の政策立案機能が高い議会は、政務活動費が支給されている、および議会基本条例が制定されているところが多い。
・地方に行けば行くほど、議会の監視機能が弱くなっている。(小さい集団になるので反対しにくい。地縁血縁が濃いからか)
・議員定数の削減、議員銀報酬の削減は、財政の変化率と何も因果関係がない。


(なんでもかんでもやれば良いというものではないが)これは確実にやるべし議会改革

  1. ・議会に透明性を持たせる(情報の公開)
    本会議はもちろん委員会の傍聴はもちろん会議録のホームページなどでの公開。
    議場に来なければ議会が見れないというのはマズい。多角的に情報を流す(生中継でなくても録画配信で良いのでネット配信すべし)
  2. ・議員間討議
    議会で意思決定する前に、どういう意見があって、少数意見が出ていたならそれらの意見を踏まえながら、地方公共団体として全体の利益を見据えて結論を出した、ということをしないと議会としての意味がない。
    議決機関でなくて追認機関になってしまったら意味がない
    単に議会内での議論がなく、町長派だから反町長派だからということで決まるようであれば、議員さんのいらっしゃる意味がない。意思決定のプロセスを踏むべし
  3. 住民との意見交換会は議会としても行うべき、だが・・・
    労力ばかりかかって意味がないことが多いので無駄な報告会・意見交換会はやめた方がいい。失敗例と成功例を研究してされるのがよろしいかと思う。
  4. 反問権はいれる必要がない
    議会改革にセットで考える人がいるが、その必要はない。
    質問の趣旨を理事者が確認するのは反問権でもなんでもなくて普通のこと
  5. 通年議会も必要がない
    器を大きくしても、中身がないと意味がない。現在の会期で慎重審議する時間が足りないということがあるなら、やるべきだが・・・
  6. 請願の参考人制度
    請願書が出たら、請願を出した本人から説明を聞く方がよいだろう
  7. ICT化
    経費は掛かるがそれだけのメリットがあるだろう。あるだけで確実に調査能力があがる。事務局職員を増やせないならすべき。

廣瀬先生ありがとうございました!!

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