2023.0731 オンライン研修「人口減少時代 における地方創生(河合雅司)」

世の中の様々な問題の土台にあるのが、人口減少問題

2022年日本人の人口動態(概数)厚労省
コロナ禍で出生数減がさらに加速
前年比5.0%減、4万875人減
→年間出生数77万747人(過去最少)コロナの影響ではない。コロナ前に急下降。今の6年生と1年生の数はどこでも激減。

合計特殊出生率1.26 (過去最低)
年間死亡数156万8961人(過去最多)
自然増減数△79万8214人(過去最大)(日本人だけ)
→ 外国人は増えている。総人口で見ると減っている。

年間婚姻件数50万4878組(3年ぶり増)
→コロナでがくんと落ちて横ばい。コロナ前で60万組
結婚と出産が結びついているのが日本。

人口のプロの私からすると、ズレたことばかりをしている。
的外れの対策では根本解決に遠く

〇少子化対策 → •出生数は最低100年減少。勤労世代が当面減る
※出産期の女性人口が25年後25%減少している
2005年 合計出生率1.26 出生数106万人
2015年 1.45 100万人
2022年 1.26 77万人

人口が減ることを前提に政策を考えないといけない。

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〇外国人労働者 → •日本人の減少幅が大きく〝穴埋め〟とならず
毎年日本人の人口100万人ずつ減る
どこの国から日本に来ますか?
問題になっている外国で、年間60万人がやっと。
他所の国へ行かなくても仕事ができる社会。
出稼ぎはあってもが外国人が日本に住み着くというのは難しい
人口問題の解決策ではない


〇AI & 機械化 → •機械は消費や納税せず。人手不足解消は限定的
人口減少は人手不足の話ではない。マーケットが縮む。
ホワイトカラーがブルーカラーに。

〇地方移住 → •転出抑制を優先。若い女性流出なら出生数減


人口が減ることを前提に政策を考えないといけない。
「異次元の少子化対策をしても、やってる感だけ」

どう人口が減るのかを知る。
東京一極集中は20代前半女性が中心(東京からすれば流入)

20代前半の女性が住み続けたいと思う状況をどうつくるか。
将来人口推計(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」
あまあまな未来図でも、100年後には6割減って4973万人(1/3になる)

変ろうという感じが我々にない。
しばらく高齢者だけが増える(総人口は減るが)20年間
高齢者(65歳以上)だけが増えることの対応。

増えてゆく高齢者は、75歳以上
高齢化率は40%弱が続く

特賞4つ
1.高齢化する高齢者
2.女性の高齢が増加
3.一人暮らしの高齢者の増加(死に別れと元々一人の高齢者)
4.貧しい高齢者の増加

これに合わせてどういう政策をする??

20-64才の日本人の人口予想
2020年 6713万人
2040年 5349万人
2050年 4584万人
2060年 4090万人

人口減少で地域に起こること
・運転手の不足。バスや物流の遅滞
・技術差不足で修繕・メンテナンスが進まない(エアコンが壊れたら、ひと夏修理に来ない)
・利用は減少によるガス・水道代の高騰(戸数が半分になったからといって半分の埋設管でいけない)
・自治体職員の不足。地方議員の定数われ
・税収の減少&行政のサービス縮小
・医師の高齢化&患者不足で病院が撤退
→過疎地域ほど生活コストが高くなる。
補助金でカバーできない
自治体経営を変えるしかない

人口減少対策は「現状維持バイアス」との闘い
必要なのは、人口が減ってもなお、経済成長(今の形態を変えるしかない)
人口が減ってもなお、社会機能の維持(今の形態を変えるしかない)

【経済成長】
戦略的に縮むという成長
・薄利多売の終焉。二―ズに対し高付加価値化。少なく売って厚い利益
厚利少売 (ポルシェが例)
・個々の貸せぐ力を向上。勤務時間の濃縮化
・人、モノ、カネ、情報を積極的に循環、強味の掛け算
→ 捨てるものを捨て、残すものを磨く

【社会機能の維持】
地域生活圏の形成(国土交通省)

人口減社会で自治体に求められること
1.自治体の枠を超える視点
民間事業者の撤退を防ぎ、生活機能を維持

2.多極集住に向けた人口集約
エリア内2地域居住などで都市の拡散防止
(週末だけ山より下りてきてくれ)

3.地域自立型企業の立地
海外進出できる企業。地域内で完結
小さな町で楽しそうにやっている
(商品開発して、顧客開拓をして、全部やっている。そして海外に売っている)

4.移住促進より若い女性の流出防止
出産期の女性の減少は致命的。女性向け雇用創出

→地方の在り方を議員の皆様がリードして首長と考えて欲しい。
変化のある所にチャンスあり
(ピンチにチャンスがあるわけでない。変化に挑むことが大事)


質問
行き過ぎた多様性のせいで、日本がおかしくなっていると思うが
>答え- 今を維持することができない。変化を先回りする。
事実に基づいて行動を変化させる。知らせる。

男女の結婚が遅くなっていることが原因だと思うが、どうなる
>未来に対する具体策が無いことが、婚姻を遅らせていると思っている

地域内の移住をすすめるには
>自治体の中に行ったり来たりしやすいところに人が住む場所を作る
高齢者が自分の生活を変えたがらない。
今ある老健・特養を、福祉的住宅にする。助けてもらう(見守り、買い物など)をする代わりに、安く泊まれる)週末は、家に帰る(または逆)

日本全体で考えるといいつつ、捨てるものを捨て、残すものを磨く
日本は財政出動をしてこなかった。内需が膨らまなかった。
→発展途上型の労働形態にこだわった。海外の安い労働と戦った。そんことにより安い賃金(非正規が増える)を変えられなかった。
全部を財政出動でまかなうのは無理だと考える。
100円均一が良いと選んだ。1992年をトップにして生産年齢が減ってきたことを軽んじた。内需による高付加価値の消費を重視しなかった。

人口減少社会で教育という点については、本来の教育、一人一人を大切にする。個性を大事にするい向かうと思うが
>個性を大事にするのは大事だが、ルーティンのスキルを上げるというトレーニングも必要
どういう職種にどういう人材を送るかを国が考えざるを得なくなる。
より稼ぐ力をつける教育が必要となる。
社会人になったあとも教育が必要。

経済成長が優先されると先生の著作を読んで必要だと思っているが、それには競争が必要だと思うが理解はあっているか?
>切磋琢磨(競争)するのは当たり前のこと。
(価値を)循環させることも問われている。新しい価値。地域がどれだけ連携してゆくのか、離れていてもデジタルの力で連携。
競争であり連携。自分たちの足元をみて強味を発見する必要がある。
他人から見た方が自分たちの強みがわかるかもしれない。

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