『認知症の人の不可解な行動がわかる本』(杉山孝博 講談社)より引用
大原則(壁にあたったら見直して下さい)
- 認知症の人が築いている世界を理解し尊重しよう
- 記憶障害に関する法則
- 記銘力低下(同じ事を繰り替えします)
- 全体記憶の障害(出来事をまるごと忘れます)
- 記憶の逆行性喪失(20歳以降の記憶がなく若い頃に戻っているなど)
- 症状の出現強度に関する法則
より信頼している人に対して症状が強く現れます。本人なりの甘えの一つです - 自己有利の法則
自己防衛本能の表れで、自分を守る言い訳をします。本人はウソや言い訳でなく真面目に言っています。 - まだら症状の法則
認知症の部分と健常な部分がまだら状に存在します。第三者の前では急にしっかりすることもあります。 - 感情残像の法則
体験した事はすぐに忘れても、そのときいだいた感情は残り、行動や心理に影響します。
対応のポイントは、1.ほめる。 2.共感する。 3.謝る(相手の話を受け入れる) - こだわりの法則
状況に関係なく一つの事にこだわり抜け出せない時があります。
対応のポイントは、1.そのままにする。 2.気をそらす。 3.第三者に登場してもらう。 4.地域の人に協力を求める。 5.生活歴を知る。 6.こだわりがおさまるまで待つ。 - 作用・反作用の法則
認知症の人の反応は介護者の対応の「鏡」です。
本人にとって望ましいと思う事も無理強いは禁物です。押してもダメなら引いてみて。 - 認知症の理解可能性に関する法則
一見、わかりにくい認知症の人の行動も、本人の立場にたって考えれば、ほとんど理解できます。そのためには病気についてや本人の生活歴などを知ることが重要です。
不安な気持ちやおちつきかない感情を取り除くようにする - 衰弱の進行に関する法則
老化も認知症も確実に進んでゆきます。認知症の人の老化は非常に早いです。数年後には状況が異なり、介護の仕方も変わって来るでしょう