http://matsunoyutaka.jugem.jp/?cid=14
松野豊さんのサイトから引用です。
(一度?いや数回?研修を受けた時の講師でした。一度目は議員になってすぐ。議員って何をする仕事かもわからず受けた研修で記憶があります)
議会改革ブレークスルー10の法則
2014.03.17 Monday
JUGEMテーマ:地方議会
議員定数の削減、
報酬の削減、
政務活動費のカットは、
議会改革でもなんでもない!
まず、地方議会改革を本気で考える
現職の地方議員の皆さんには、月刊ガバナンス3月号に記載された北川先生、江藤先生、廣瀬先生の鼎談企画
「二元代表の一翼として、民意を政策につなげられる能力を ~地方議員に求められる資質とは~」を読んで熟考していただきたいと思います。
◆そもそも、何故、いま地方議会改革なのか?
昨今、Googleで「議会改革」と検索すると、約70万件前後ヒットする。
(10年前は5~6万件程度だった) このような変化だけでも、隔世の感を禁じ得ないのだが「議会改革」関連のセミナーや研修会には、定員を超える申込みが殺到することからも、いま全国の地方議員の間では、「議会改革」がトレンドであると言える。
しかし、議会の改革は、目的ではなく、手段である。
議会改革のことを語る前に、そもそも「議会改革とは、何なのか?」「議会が活性化すると市民にとって、どんな良いことがあるのか?」という考察をする必要がある。
さらには、「議会制民主主義とは、何か?」再検証しなければならない。
「市民と議員の条例づくり 交流会議2012」の基調講演の中で、法政大学 法学部の廣瀬克哉教授が「議会改革のアウトプット(取り組み)
=“議会改革が進んだことで、何が変わったのか?” は見えてきたが、
アウトカム(成果)=“それが成果として、何を生み出したのか?” が見えてこない」という主旨で、
「議会改革の成果を念頭におくべき時期が来た」と言及された。
民意を反映する場である議会の真価が、問われる時代となったのではないか。
地方自治の目的は「住民の福祉の増進」である。
日本国憲法や地方自治法に照らして考えれば、地方議会とは『選挙によって選ばれた市民の代表である議員の集合体で民意を反映する場であり、行政における最高の意思決定機関』ということになる。
このことを踏まえたうえで、議員から見た地方議会改革の成果は、以下の2点となる。
1. 議会や議員の政策マーケティング能力が強化され、民意を反映した政策デザイン力が向上する。
2. 他市議会等からの視察が増える流山市議会視察受入れ件数:
33件/ H23年度
70件/ H24年度
ことにより地元経済が活性化する。
さらに視察対応の説明員を議員全員が交替制で務めた場合、議会全体としての底上げにつながり、議会内における議会改革への理解が、よりいっそう深まる。
◆議会改革の先にあるもの
「市民に開かれた信頼される議会」を目指すことに よって、議会の情報公開(見える化)や、議会への市民参加が促進される。
そうなると、議会や議員も「民意」に対する洞察力が強化される。
その結果、議会の最も重要な使命である
「民意を反映すること」のクオリティーが向上していく。
他方で、市民から見た地方議会改革の成果は「議会改革が進むと、自分たち(市民)の意見が市政に反映されやすくなり、自分たち(市民)にとって、
より住みやすい街になる」ということではないか。
◆議会改革≒自分改革
議会改革というと、「自分は、こんなに良い提案をしたのに、議会がOKしてくれなかった。うちの議会(議員)はダメだ。」的な発言をする方々が、議員や職員、市民に限らず、多くいるが、逆に言えば、自分の提案が、議会(議員)を説得する域までに達しなかったのだ!ともいえる。
つまり、『議会改革≒自分改革』なのである。
◆議会改革ブレークスルー
10の法則
【Method1】
議会改革は、議員同士のコミュニケーション改革。
主義主張や方法論が違っていても、「自分たちの故郷をより良くしていこう!」という思いで選挙を戦って、有権者から選ばれた人たちなのだから、ひとつになれる。という信頼ポイントを置いて、まずは、会派党派を超えた一人の人間同士。という関係を創り上げる。
また、五感を開いて、相手をよく観察し、相手議員の本音と建て前を、しっかりと見極める。
“子曰、視其所以、觀其所由、察其所安、人焉捜哉、人焉捜哉”
論語 為政第二
[読み下し]
子曰(しのたま)わく、其(そ)の以(な)す所(ところ)を視(み)、其の由(よ)る所を観(み)、
其の安(あん)んずる所を察(み)れば、人(ひと)焉(いずく)んぞ廋(かく)さんや。
人焉んぞ廋さんや。
[通釈]
孔子云う、
「一にその人の行為をよく注意して視(み)る。
二にその行為の拠って来たる原因・動機を観(み)る。
三にその人がどんな所に安らぎを求めているかを(み)察る。
この様にすれば、その人の正体はすっかり分かってしまうものだ。
どうして隠せようか」。
【Method2】
地方議会に関わる法律(主に日本国憲法や地方自治法)や、仕組み(議会制民主主義、二元代表制等)を正確に理解して自分自身の腹に落とす。
自分自身が勉強して得た知識を、他の議員にひけらかすような態度は、おくびにもみせてはならない。
議員同士で議会改革の議論や自由討議をする際には、あくまでも淡々と論理的に議論をする。
【Method3】
議員全員対象の研修会を企画して、大学教授などの学識経験者から、語ってもらう。
法律を紐解いてみれば、民主主義とは主権在民であり、市民に開かれない議会などあり得ない。ということが理解できる。
しかし、このことを議員が議員に対して解いてもうまくいかない。
だからこそ、大学教授をはじめとした学識経験者に代弁してもらう。
さらに、議会改革を推進するためには、二元代表制(執行機関と議事機関=対等・協力)ということが、議員ひとりひとりの腹に落ちている
状態でなければならない。
講師選定の基準は、学識だけでなく、地方議会の実態も御存知かどうか?
「あの先生は有名だから」とか安易な基準で講師選定をするのではうまくいかない。
講師の先生には、自分が所属する議会の問題点や課題について、予めレクチャーしておいて、講演後のゴールイメージを講師の先生と共有しておく。
【Method4】
議会改革先進地に議員個人や会派単位で行くのではなく、議会運営委員会や議会改革特別委員会等、議会の委員会として行く。
視察後、「良かった」とレポートを提出し、ブログや会報誌で、報告をして終わるのではなく、委員会で振り返りの会議を開催する。
「うちの議会で実現するには」という観点で、議員同士で前向きに議論をし、アクションプランにまで落とし込めなければ、いつまで経っても改革は前に進まない。
【Method5】
議員(個人)の活動と、選挙のための活動、会派の活動、議会の活動の棲み分けを明確にする。
個人プレーで目立てば、選挙には強くなるが、議会改革を牽引する存在にはなれない。
【Method6】
自分の手柄にしない。
議会は合議制の議事機関。過半数の同意を得ることができなければ、様々な施策を実行に移すことは不可能。
たとえ自分が発案者であったとしても、「自分が実現しました」とか言って、メディアに自分が登場するのではなく、先輩議員やキーマンとなる議員に、 手柄を譲る謙虚さとしたたかさが必要。
委員長ポストについているなどの関係で、自分が前に登場せざるを得ない場合でも、協力や賛同してくれた委員さんたちを、公の場で心から労う配慮は必要不可欠。
【Method7】
議員同士の議論の様子を公開中継する。
例えば、USTREAMであれば、初期投資は、ほぼかからない。流山市議会の場合は、14500円
議会改革に反対する議員に限って、意外と有権者の目を気にする傾向がある。
議論の様子をライブ中継することで、カメラの先にいる有権者を気にして、非建設的な発言をしなくなる。
【Method8】
議会内で合意形成できたものは、決議等で議決をして機関決定する。
議決して機関決定をすることで、決めたことに重みが増していく。
俗にいう申し送り事項では、改選後に本当に申し送られるだけで、これはアクションにつながらない。
【Method9】
議会事務局を味方につける。
議会事務局のサポート(特に法制面)がなければ、議会改革の推進はない。
議会事務局のスタンスは、実現できない理由を並べるのではなく、どうすれば、「障碍を乗り越えて実現できるのか」までを議員に提案することであること
を理解し納得してもらう。
【Method10】
議会基本条例を制定する。
流山市議会の場合は、「議会基本条例を制定するのだ!」と、当時の議員全員で決めたことによって、Method1~10まで全てのことが実現可能となった。
と言っても過言ではない。
「議会とは何か」「議員とは何か」「改革の先にあるものは何か」などなど、時には職員や学識者にもサポートしてもらいながら、まずは議員同士でトコトン議論を重ねることで、「市民に開かれた議会」を目指す風土が醸成されていく。
ここまで来たら、次のフェーズ(段階)は、市民を巻き込んだ議会改革。
“プロダクトアウトからマーケットインへ” “コンシューマーインサイトへ”
議会報告会を開催し、議員個人としてではなく、議会として街に出て市民の声をよく聴く。
議会のホームページやSNSを充実させ、市民からの声を、タイムリーに吸い上げていく。
議会主催の公聴会や、参考人制度、無作為抽出型のアンケート等、打つ手は無限にある。
顧客(市民)の声を、商品・サービス開発(政策)に、反映させるのだ。
つまり、市民の声を聴きっぱなしではなく、フィードバックやアウトプットもして、よい提案は市政に、どんどん反映させていく。
その先に新次元の民主主義を実現する光が見えてくるはずだ。
地方議会は、市民が「見たくなる議会」へと変貌を遂げていかなければならない。
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★メディア掲載実績
平成24(2012)年の流山市議会Topics
2012.12.30 Sunday
JUGEMテーマ:地方議会
流山市議会では平成13年から、継続的に議会改革(活性化)に取り組んで参りました。
地方議会とは、合議制の議事機関であり、選挙によって選ばれた市民の代表である議員の集合体です。
さらに、議会は民意を反映する場であり、行政における最高の意思決定機関です。
そして、民主主義国家における主権者は、有権者(市民)の皆さまです。
ゆえに、議会は積極的な情報公開を率先して行い、より一層「市民に開かれた議会」を実現しなければなりません。
また、議会は市民の多様な意見を的確に把握することに日々努力し、常に市民との対話を行い、市民の声を汲み取りながら、議員間で自由かったつな討議を重ね、市民に信頼される議会運営に取り組まなければなりません。
議会改革(活性化)の取り組みを理解する議員と議会事務局の協力によって、流山市議会は名実ともに、地方議会のトップランナーの一員となりました。
しかし、市議会内には「議会改革ばかりが議員活動ではない。」と公然と言い放ち、委員会の開催回数や議会報告会の開催回数を増やすことに反対する議員が数名おります。
僕に言わせれば、『議会改革は議会活動であって、議員活動ではない。』ということなのですが。
何が申し上げたいのかというと、議会改革のトップランナーと賞賛され、議会基本条例の前文で「市民に開かれた議会を目指さなければならない」と標榜する流山市議会でさえ、この在りようであると言うことです。
これが地方議会の現実です。
「オモシロキ コトモナキ世ヲ オモシロク」
「結局…」ではなく、『だから面白いのだ!』と、肝を据えて愉しく前向きに取り組むことが肝心要の勘所。
抵抗勢力も含めて如何に合意形成をしていくか?
知恵と叡智を結集して、皆で考えながら実践し、トライ&エラーを繰り返す。
これこそが地方政治のみならず、仕事の醍醐味だと僕は思うのです。
「アホぅな議員が…」と嘆いてみても始まりません。
そのアホぅ(僕自身も含めてw)を選んだのは、市民の皆さん自身なのですから。
僕が市議を引退をする時を迎えたら、流山市議会の「市民に開かれた議会」を目指す取り組みや、「議会の見える化」に抵抗を重ねた市議は一体誰だったのか?
具体的な事例をあげて情報開示をするつもりです。
皆さんも自分が生活する街の議会で一体何が起こっているのか?
たまには市議会のホームページを閲覧して、リテラシーして頂ければ幸いに存じます。
これからも現状に甘んじることなく、議会基本条例の前文に規定されている
「市民に開かれた議会」を目指し、邁進していきます。
■メディア掲載
★議会の取り組み
◆定例会(本会議)
●議員発議
□受賞実績ほか
1月 ■フジテレビ FNNスピーク
「スマフォも解禁…進む議会改革」
スマートフォン等による議会改革
2月 ★流山市議会フェイスブック
(市議会公式)ページ開設
「議会中継を見る日」 キャンペーンを展開
3月 ◆第1回定例会(本会議)
●流山市自転車の安全利用に関する条例の制定
┗自転車が関係する事故を未然に防止するとともに、自転車の交通安全の推進に資するための条例制定(全会一致可決)
■西日本新聞(3/1) 朝刊
千葉県流山市議会が
インターネットのフェイスブックを使って「議会中継を見る日」のキャンペーンを始めた。
■日経グローカル フォーカス
情報発信に目覚めた地方議会
流山・鳥羽など、全委員会をネット中継
ツイッターなどで無関心層にも働きかけ
4月 ★流山市議会
「議会報告会に参加しよう!」
キャンペーン
フェイスブック(市議会公式)ページで展開
5月 □日本経済新聞社
全国810市区議会対象
議会改革度ランキング調査で、全国1位にランキングされる。
└情報公開度 1位
└住民参加度12位
└運営改善度 1位
■日経グローカル 特集
議会改革度、トップは流山(千葉)
全国市区調査
鳥羽(三重)・嬉野(佐賀)が続く
■日本経済新聞(5/21)
全国810市区本社調査
議会改革、道半ば 千葉・流山、
総合1位
■日本経済新聞(5/22)
議会改革度1位の流山市
委員会もネット中継
■毎日新聞(5/27) 千葉版
流山市議会がHP改革
★早稲田大学マニフェスト研究所、
NTTアドバンステクノロジと、「市民参加でつくる議会ホームページの提供を目指して」
共同研究を開始
★第5回議会報告会
(市内4か所において開催)
┗参加市民171名
@北部18名
@南流山16名
@東部74名
@初石61名
6月 ◆第2回定例会(本会議)
★流山市議会
「みんなでつくろう!市議会ホームページ」
キャンペーン
フェイスブック(市議会公式)ページで展開
■日経グローカル
全国市区議会調査から
「2011年度の議会報告会の開催状況」
7月 ★議員及び議会事務局職員に
1人1台タブレット端末を配布
8月 ■教育家庭新聞(8/6)
IT活用でまちづくり
UST、ツイッター、スマホなどのICT活用で議会改革
9月 ◆第3回定例会(本会議)
★参考人招致と専門的知見を経て「流山市市民参加条例」議会修正案を16対11で可決
■月刊ガバナンス 特別企画記事
「見たくなる議会」を目指し、市民参加型ホームページを共同研究
■電経新聞(9/10)
日本のICT
流山市議会、議会改革にICT活用
議会ホームページ刷新、あるべき姿を模索
■読売新聞(9/12) 多摩版 朝刊
地方自治を問う「反問権」
10月 ★市議会ホームページを市のホームページから独立させ、独自ドメインを取得し、WebサイトをCMSで完全リニューアル
(オープンデータ試行実験開始)
■月刊ガバナンス
変わるか!地方議会 専門的知見も活用し、市民参加条例を大幅修正
■電経新聞(10/1) 4面
流山市議会ホームページで稼働
「市議会でオープンデータの試行実験(全国初の試み)」
■広報 725号(10/10)
最新トピックス(巻頭記事)
サイトのリニューアルにあわせて「オープンデータ化」を推進
11月 □第7回マニフェスト大賞
最優秀コミュニケーション賞を受賞
■毎日新聞(11/3) 特集面 朝刊
第7回マニフェスト大賞 全議員にタブレット
最優秀コミュニケーション賞 千葉県流山市議会
■月刊ガバナンス Topics
HP全面リニューアルに合わせ、執行部・市議会のオープンデータ化を推進
★第6回議会報告会
(市内4か所において開催)
┗参加市民75名
@北部39名
@南流山8名
@東部11名
@十太夫16名
□早稲田大学マニフェスト研究所
全国1789都道府県市町村議会対象
議会改革度ランキング調査で、全国6位にランキングされる。
└情報公開度 3位
└住民参加度90位
└機能強化度 3位
12月 ◆第4回定例会(本会議)
■毎日フォーラム 地方自治
第7回マニフェスト大賞決まる
政策本位の政治実現へ 応募数は過去最多を更新
「議会改革ブレークスルー10のセオリー」~改訂版~
2012.08.02 Thursday
JUGEMテーマ:地方議会
平成12(2012)年8月2日(木)
先週に会派「流政会」で、新エネルギー(太陽光発電をはじめとした自然エネルギー)というテーマで、視察に訪れた長野県飯田市に、2週連続で訪れています。
今回は、議会改革のトップランナーである会津若松市議会と、飯田市議会の意見交流会に、オブザーブ参加をしています。
流山市議会は、本年、日本経済新聞社が調査した議会改革度ランキングで810市区議会中、全国1位と評価されましたが、会津若松や飯田の市議会は、議会による事務事業評価の仕組みづくりや議会による政策形成サイクルの実践など、実質的な議会改革の王道をいっている感じを受けています。
まだまだ、負けてはおられんぞ!という思いで、昨夏に執筆した「議会改革ブレークスルー10のセオリー」をリライトしました。
◆そもそも、何故、いま地方議会改革なのか?
“日本を今一度せんたくいたし申候“ 日本を今一度せんたくいたし申候事ニいたすべくとの神願にて候。
実に天下に人ぶつ(人物)のなき事、これを以てしるべく、なげくべし。坂本龍馬から姉・岡上乙女宛書状
文久3年(1863)6月29日付
京都国立博物館蔵
現代の国会は、まるで江戸末期の幕府状態のようだ。
国会中継を見ていても、政敵と政策論戦をするならまだしも、議員同士が誹謗中傷合戦ばかりやっている。
この国のカタチを根底から、ひっくり返すくらいの改革をしないと、この国は間違いなくダメになる。
では、現代における坂本龍馬や高杉晋作や、西郷隆盛のような志ある武士たちは、何処にいるのか?
現代の志士は、「地方議員」の中に潜んでいるのではないか?と僕は感じている。
地方議員は全国に3万6909名
(平成21年末時点)
明治維新の志士は、およそ5000名。
地方議員の約1.5割が気概をもって奮起をすれば現代における維新も、必ず実現できると僕は信じている。
◆議会改革は自分改革!
議会改革というと、議員も市民も職員も「自分は、こんなに良い提案をしたのに、議会がOKしてくれなかった。」
「うちの議会(議員)はダメだ。」的な発言をする人がいるが、逆に言えば、「自分の提案が、議会(議員)を説得する域にまで達しなかった。」
ということだ。
“修身斎家治国平天下”
つまり、議会改革≒自分改革なのだ。
◆議会改革の先にあるもの
「市民に開かれた議会」を目指して、情報公開度や市民参加度の向上を議会が機関として推進していくと、コンシューマー(シチズン)インサイトが
強化され、その結果、議会の最重要ミッションである「民意の反映」のクオリティが向上する。
市民目線でいえば、
「議会改革が進むと、あなた方(市民)の意見が市政に反映されやすくなり、あなた方にとって、より住みやすい街になりますよ。」ということである。
ではどうすればよいのか?「地方議会改革を推進したいけれど、なかなかうまく前に進まず困っている」という現職の地方議員の方々向けに、改めて、
「議会改革ブレークスルー10のセオリー」を更新しました。
全国に散らばる改革派地方議員のトップランナーたちが、『議会改革によって地域から日本を変えるのだ!』という揺るぎない意志を持ち、更にはこの火種が全国に波及し、地方から日本をより良く変えていく。
このブログが、そういうキッカケになったら、とっても嬉しい限りです。
◆議会改革ブレークスルー
10のセオリー
【Theory1】
議会改革は、議員同士のコミュニケーション改革。主義主張や方法論が違っていても、「自分たちの故郷をより良くしていこう!」という思いで選挙を戦って、有権者から選ばれた人たちなのだから、ひとつになれる。という信頼ポイントを置いて、まずは、会派党派を超えた一人の人間同士。という関係を創り上げる。また、五感を開いて、相手をよく観察し、相手議員の本音と建て前を、しっかりと見極める。
“子曰、視其所以、觀其所由、察其所安、人焉捜哉、人焉捜哉” 論語 為政第二
[読み下し]
子曰(しのたま)わく、其(そ)の以(な)す所(ところ)を視(み)、
其の由(よ)る所を観(み)、其の安(あん)んずる所を察(み)れば、
人(ひと)焉(いずく)んぞ廋(かく)さんや。人焉んぞ廋さんや。
[通釈]
孔子云う、
「一にその人の行為を よく注意して視(み)る。
二にその行為の拠って来たる原因・動機を観(み)る。
三にその人がどんな所に安らぎを求めているかを(み)察る。
この様にすれば、その人の正体はすっかり分かってしまうものだ。どうして隠せようか」。
【Theory2】
地方議会に関わる法律(主に日本国憲法や地方自治法)や、仕組み(議会制民主主義、二元代表制など)を正確に理解して自分自身の腹に落とす。
自分自身が勉強して得た知識を、他の議員にひけらかすような態度は、おくびにもみせてはならない。
議員同士で議会改革の議論や自由討議をする際には、あくまでも淡々と論理的に議論をする。
【Theory3】
議員全員対象の研修会を企画して、大学教授などの学識経験者から、語ってもらう。
法律を紐解いて、地方議会の存在意義や、民主主義とは主権在民であり、市民に開かれていない議会などあり得ない。
しかし、このことを議員が議員に対して解いてもうまくいかない。
また、議会改革を推進するためには、二元代表制(執行機関と議事機関=対等・協力)ということが、議員ひとりひとりの腹に落ちている状態でなければならない。
講師選定の基準は、学識だけでなく、地方議会の実態も御存知かどうか?
「あの先生は有名だから」とか安易な基準で講師選定をするのではうまくいかない。
講師の先生には、自分が所属する議会の問題点や課題について、予めレクチャーしておいて、講演後のゴールイメージを講師の先生と共有しておく。
【Theory4】
議会改革先進地に議員個人や会派単位だけで行くのではなく、議会運営委員会や議会改革特別委員会等、議会の委員会として行く。
視察後、「良かったね」とレポートを提出したり、ブログや会報誌で報告をして終わったりするのではなく、委員会で振り返りの会議を開催する。
「うちの議会で実現するには」という観点で、議員同士で前向きに議論をし、アクションプランにまで落とし込まなければ、いつまで経っても改革は前に進まない。
【Theory5】
議員(個人)の活動と、選挙のための活動、会派の活動、議会としての活動の棲み分けを明確にする。
個人プレーで目立てば選挙には強くなるが、議会改革を牽引する存在には成り得ない。
【Theory6】
自分の手柄にしない。
議会は合議制の議事機関。過半数の同意を得ることができなければ、様々な施策を実行に移すことは不可能。たとえ自分が発案者であったとしても、これを「自分が実現しました」とか言って、メディアに自分が登場するのではなく、先輩議員やキーマンとなる議員に、手柄を譲る謙虚さとしたたかさが必要。
委員長ポストについているなどの関係で、自分が前に登場せざるを得ない場合でも、協力や賛同してくれた委員さんたちを、公の場で心から労う配慮が不可欠。
【Theory7】
議員同士の議論の様子を公開中継する。
例えば、USTREAMであれば、初期投資は、ほぼかからない。流山市議会の場合は、14500円
守旧派で議会改革に反対する議員に限って、意外と有権者の目を気にする傾向がある。
議論の様子をライブ中継することで、カメラの先にいる有権者を気にして、非建設的な発言をしなくなる。
【Theory8】
議会内で合意形成できたものは、決議等で議決をして機関決定する。
議決して機関決定をすることで、決めたことに重みが増していく。
俗にいう申し送り事項では、改選後に本当に申し送られるだけで、終わってしまいアクションにつながらない。
【Theory9】
議会事務局を味方につける。
議会事務局のサポート(特に法制面)がなければ、議会改革の推進はない。
議会事務局のスタンスは、実現できない理由を並べるのではなく、どうすれば、「障碍を乗り越えて実現できるのか」までを議員に提案することであること
を理解し納得してもらう。
【Theory10】
議会基本条例を制定する。
流山市議会の場合は、「議会基本条例を制定するのだ!」と、当時の議員全員で決めたことによって、Theory1~10まで全てのことが実現可能となった。
「議会とは何か」「議員とは何か」「改革の先にあるものは何か」などなど、
時には職員や学識者にもサポートしてもらいながら、まずは議員同士でトコトン議論を重ねることで、「市民に開かれた議会」を目指す風土が醸成されていく。
ここまで来たら、次のフェーズ(段階)は、市民を巻き込んだ議会改革。“プロダクトアウトからマーケットインへ” “コンシューマー(シチズン)インサイトへ”
議会報告会を開催し、議員個人としてではなく、議会として街に出て市民の声をよく聴く。
議会のホームページやSNSを充実させて、市民からの声を、タイムリーに吸い上げていく。
さらに、市民の声を聴きっぱなしではなく、フィードバックやアウトプットもして、よい提案は市政に、どんどん反映させていく。
その先に議会制民主主義の確立と、顧客(市民)オリエンテッドな市政の実現が見えてくるはずだ。
地方議会は、市民が「見たくなる議会」へと変貌を遂げていかなければならない。
【終わりに】
議会改革に関する視察及び講演・取材等のお問い合わせは、流山市議会事務局 04-7150-6099(直通)
gikai@city.nagareyama.chiba.jp
流山市議会ホームページリニュアルアンケート募集中!
2012.06.20 Wednesday
流山市議会のホームページが10/1ロンチ予定で、リニュアルします。
いまのホームページは、こんな感じですが、新たなホームページは、こんな感じになります。
流山市議会のホームページが市民の皆様にとって
「みつけやすく・わかりやすく・つかいやすい」事が何よりも重要であると考え、ホームページを一新します。
市民の皆さんにとって、より親しみやすいホームページを目指して、評価用サイト(テストサイト)を公開し、アンケートにて、皆さんの意見を募集しています。
皆様からいただいた意見で、市議会のホームページが、ある一定期間で、七変化していくという仕組みを模索中です。
将来的には議会が、市民の皆さんから編集委員を公募して、編集委員が議会を取材し、議会だよりやホームページの編集をする…。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)を使ってワープロを打つように簡単に、ホームページを更新できる仕組みを、早稲田大学マニフェスト研究所、
NTTアドバンステクノロジと、流山市議会で共同研究しています。
この取り組みは、流山市議会基本条例
流山市議会ICT推進基本計画に基づくICT化による「市民に開かれた議会」への挑戦の一端です。
フェイスブックページでも、流山市議会「みんなでつくろう! 市議会ホームページ」 キャンペーンを展開しています。
【リリース用資料】2012年5月23日
流山市議会・早稲田大学マニフェスト研究所・NTT-ATが
「市民参加でつくる議会ホームページの提供を目指して」共同研究を開始
~オープンソースとクラウド型サービスで議会改革の推進を支援~
「議会改革ブレークスルー10のセオリー」~本編~
2011.08.11 Thursday
「地方議会改革を推進したいけれど、なかなかうまく進まず困っている」という現職の地方議員の方々向けに、「議会改革ブレークスルー10のセオリー」
と題して、ブログを書いてみました。
10のセオリーを書き終えてみて、このほかにもセオリーはあると感じます。
この記事がキッカケとなって、全国に散らばる改革派地方議員のトップランナーたちが、他のセオリーもドンドン更新して、この火種が全国に波及し、
地方から日本を、より良く変えていくキッカケになったら、とっても嬉しい限りです。
—
【Theory1】
議会改革は議員同士のコミュニケーション改革。
※主義主張や方法論が違っていても、
自分たちの故郷をより良くしていこうという思いで、 選挙を戦って有権者から選ばれた人たちなのだから、 ひとつになれる。
という信頼ポイントを置いて、 まずは、 会派党派を超えた一人の人間同士という関係を創り上げる。
また、五感を開いて、相手をよく観察し、相手議員の本音と建て前を、しっかりと見極める。
【Theory2】
地方議会に関わる法律(主に日本国憲法や地方自治法)や、仕組み(議会(代議)制民主主義、二元代表制など)を正確に理解をして、自分自身の腹に落とす。
※自分自身が勉強して得た知識を、他の議員にひけらかすような態度は、おくびにもみせてはならない。
議員同士で議会改革の議論や自由討議をする際には、あくまでも淡々と論理的に議論をする。
【Theory3】
議員全員対象の研修会を企画して、大学教授などの学識経験者から、語ってもらう。
法律を紐解いて、地方議会の存在意義や、民主主義とは主権在民であり、代議制であることからも、市民に開かれていない議会などあり得ない。
しかし、これを議員が議員に解いてもうまくいかない。
また、議会改革を推進するためには、二元代表制(執行機関と議事機関=対等・協力)ということが、議員ひとりひとりの腹に落ちている状態でなければならない。
※講師選定の基準は、学識だけでなく、地方議会の実態も御存知かどうか?
「あの先生は有名だから」とか安易な基準で、講師選定をするのではうまくいかない。
講師の先生には、自分が所属する議会の問題点や課題について、予めレクチャーしておいて、講演後のゴールイメージを講師の先生と、共有しておく。
【Theory4】
議会改革先進地に議員個人や会派単位で行くのではなく、議会運営委員会や議会改革特別委員会等、議会の委員会として行く。
※視察後、「良かったね」とレポートを提出したり、ブログや会報誌で報告をして終わるのではなく、委員会で振り返りの会議を開催する。
「うちの議会で実現するには」という観点で、議員同士で前向きに議論をしアクションプランにまで、落とし込まなければ、いつまで経っても前には進まない。
【Theory5】
議員(個人)の活動と、選挙のための活動、会派の活動、議会としての活動の棲み分けを明確にする。
※個人プレーで目立てば選挙には強くなるが、議会改革を牽引する存在には成り得ない。
【Theory6】
自分の手柄にしない。
※議会は合議制の議事機関。
過半数の同意を得ることができなければ、様々な施策を実行に移すことは不可能。
たとえ自分が発案者であったとしても、これを「自分が実現しました」とか言って、メディアに自分が登場するのではなく、先輩議員やキーマンとなる議員に、手柄を譲る謙虚さとしたたかさが必要。
委員長ポストについているなどの関係で、自分が前に登場せざるを得ない場合でも、協力や賛同してくれた委員さんたちを、公の場で心から労う配慮が不可欠。
【Theory7】
議員同士の議論の様子を公開中継する。
例えば、USTREAMであれば初期投資は、ほぼかからない。
※守旧派で議会改革に反対する議員に限って、意外と有権者の目を気にする傾向がある。
議論の様子をライブ中継することで、カメラの先にいる有権者を気にして、非建設的な意見を発しなくなる。
【Theory8】
議会内で合意形成できたものは、決議等で議決をして機関決定する。
※議決して機関決定をすることで、決めたことに重みが増していく。
俗にいう申し送り事項では、改選後に本当に申し送られるだけで、終わってしまいアクションにつながらない。
【Theory9】
議会事務局を味方につける。
※議会事務局のサポート(特に法制面)がなければ、議会改革の推進はない。
議会事務局のスタンスは、実現できない理由を並べるのではなく、どうすれば、「障碍を乗り越えて実現できるのか」
議員に提案することであることを、理解し納得してもらう。
【Theory10】
議会基本条例を制定する。
※流山市議会の場合は、「議会基本条例を制定するのだ!」と、当時の議員全員で決めたことによって、Theory1~10まで全てのことが実現可能となった。
「議会とは何か」「議員とは何か」「改革の先にあるものは何か」などなど、時には職員や学識者にもサポートしてもらいながら、まずは議員同士でトコトン議論を重ねることで、市民に開かれた議会を目指す風土が醸成されていく。
ここまで来たら、次のフェーズは市民を巻き込んだ議会改革。
“プロダクトアウト型から、マーケットイン型へ” 議会報告会を開催し、議員個人としてではなく、議会として街に出て市民の声をよく聴く。
さらに、聴きっぱなしではなく、フィードバックや、アウトプットもして、 よい提案は市政に、どんどん反映させていく。
その先に議会制民主主義の確立と、顧客(市民)オリエンテッドな市政の実現が見えてくるはず。
【終わりに】
議会改革に関する視察及び講演・取材等のお問い合わせは、
流山市議会事務局
04-7150-6099(直通)
gikai@city.nagareyama.chiba.jp
「議会改革ブレークスルー10のセオリー」~プロローグ編~
2011.08.11 Thursday
流山市議会は、
平成22年4月に
日本経済新聞社「日経グローカル」誌がおこなった
全国市議会(806 市)議会改革度ランキング調査において、
全国9位、千葉県内1位にランキングされ、
AAの格付けがされました。
さらに、
同年10月には、
マニフェスト大賞において、
以下のダブル受賞をしました。
●優秀成果賞
「全国初!ユーストリームによる委員会審議の公式ライブ中継・
スマートフォンを利用した電子採決方式の導入、
流山市議会ICT 基本計画の策定」
●優秀議会改革賞
一連の議会改革について
上記のようなこともあり、
最近は全国の地方議会や、
議員同士の勉強会組織等から、
議会視察にお越しいただきます。
【7月】5件
●八潮市議会 議会事務局
●取手市議会 議会基本条例策定調査特別委員会
●港区議会 みんなの党
●飯山市議会 議会運営委員会
●さいたま東部地方政治改革ネット
【8月】7件
●民主党京都府議連
●赤穂市議会 議会運営委員会
●足立区議会 民主党
●小金井市議会 議会運営委員会
●富津市議会 議会改革推進研究会
●鳥羽市議会 議会運営委員会(予定)
●杉並市議会 議会運営委員会(予定)
これまでにも、視察にお越しいただいたり、勉強会等で御一緒したりした地方議員の方々から、「議会改革を推進したいのだけれど、なかなかうまく進まず困っている」という御相談を数多く受けてきました。
そこで、そんな現職の地方議員向けに、「議会改革ブレークスルー10のセオリー」と題してブログを書いてみようと思います。
※本編は、このブログの後にアップします。
明治維新の志士たちは、およそ5000人いたと言われています。
5000人の力で幕府を倒し、地方から新しい日本を建設しました。
地方議員は全国に3万6909名(平成21年末時点)。
いまこそ地方議員が奮起して現代の志士となり、地方から日本を本気で変えて行かないと、此の国は沈没してしまうと、僕は本気で危惧をしています。
全国の地方議会では、市民目線にたって「市民に開かれた議会の実現」を目指して、議会改革を推進しようとする議員が少しずつ増えてきています。
しかし、議会内では少数派のケースが多く、他の議員を、うまく説得できなかったり、会派間で牽制しあってしまい、いわゆる総論賛成、各論反対の状態となっているケースが、多いのではないでしょうか。
議会内で自分の意見や提案が通らない。
↓
そのことをブログや後援会誌等で、相手の議員名や会派名を名指しをしないまでも、他の議員や会派や議会を皮肉った趣で揶揄し、有権者や支援者から共感を得る。
↓
同僚(他会派)議員から、ますます反感を買い、正論でさえも通らなくなる。
↓
自分の支援者を中心に、例えば「議員定数の削減」の署名運動をしたり、そのことをメディアに取り上げてもらって、世論を形成し自分の意見や提案を、
強引に議会で通そうと躍起になる。
こんなことを繰り返しても、“議会改革は、全く進まないのだ!”ということに、そろそろ気づいて欲しいと思います。
なぜなら、僕自身が、そうであったからです。
今から13年前、29歳で初当選した僕は、当時、ひとり会派でした。
現職の議員や会派、議会の仕組みを批判することで、一部の支援者からは賞賛され、ヒーロー気分でした^^;
しかし、今から振り返れば、これは単なる勘違い野郎に過ぎなかったのです。
1期4年間、
自分なりに一生懸命活動をして気づいたことは、
1)議員(個人)の活動
2)選挙のための活動
3)議会(組織)としての活動
をキチント棲み分けなければいけないということでした。
そこで2期目からは、僕は自らお願いをして、最大会派に入りました。
議会は、合議制の「議事機関」です。
※詳細は後述します。
どんなに自分が素晴らしいと思った提案も、少なくとも過半数以上の議員から、賛同を得ることができなければ、それは単なる独りよがりの意見にしか過ぎないのです。
自分の提案が同僚(他会派)議員に、受入れられなかったということは、同僚(他会派)議員が悪いのではなく、明らかに自分自身の提案能力の欠落によるものです。
「自分は市民目線で、とてもよい提案をしたのだけれど、これまでの慣例を重視する守旧派の議員たちに反対を受けて、提案は受け入れられなかったのです。」
こんなふうにブログや会報誌で有権者に訴えることは、裏を返せば、
「私には議会という組織に対して提案力と説得能力に欠けています」と言っていることになります。
日本国憲法の前文には、民主主義とは主権在民であるということが謳われています。
さらに93条には、
「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。 」と記載されています。
議会は議決をするだけの機関ではなく、「議事機関」なのです。
「議事機関」の権限は、
1)立法権限/条例制定
2)行政的意思決定権限/地方自治法96条1項及び100条
3)行政監視権限
そして、「議事機関」と「執行機関」は、対等・協力の関係にあります。
つまり、議会と執行部は対等ですが、議員個人や会派と、執行部は対等ではないのです。
このことを皆さんは大きく誤解していませんか?
市民のための議会改革は党派会派を超えて、市民の声をよく聴いて、議会がひとつ(チーム)となって、取り組んでいかなければいけないのです。
一方、議案や意見書等の賛否については、議員や会派・政党間で、論点や争点を明確にして議論すべきです。
「議会改革の先にあるものは何なのか?」
まずこのことについて、議会内で党派会派を超えて、共通認識をつくらなければいけません。
いわゆる議会としてのゴールイメージ(目的)を設定し、目標設定や達成のための手段について、組織としての“意思決定の基準値”を明確にしておかなければ、議会内では総論賛成各論反対の不毛な議論が続くのです。
また、
価値観の多様化した現代で、「全会一致でなければやらない。」という全体主義的な誤った民主主義の認識を改めて、過半数以上の賛同があれば、
「とりあえずやってみる」という気概や議会内の雰囲気(風土)が、醸成されていかなければ、いつまでたっても、議会改革の一歩を踏み出すことはできません。
以上のことを整理するには、議会で議会基本条例の制定をすることが、結果的に一番の近道だと僕は思っています。
次に書くブログで、議会改革を具体的に前に進めていくためのセロリーについて書いてみます。
流山市議会改革の軌跡
2010.05.29 Saturday
JUGEMテーマ:地方議会
過去11年間を、さかのぼって流山市議会の議会改革の軌跡を、記録として残しておきます。
全国の地方議会では、なかなか改革が思うように進まなくて、歯がゆい思いをしている改革派の地方議員の方々が、ほんとうに沢山いらっしゃるなぁ。と、日々、全国津々浦々から、視察にお越しいただく議員のみなさまと接しながら、肌で感じています。
議会改革は一日にしてならずですし、選挙時の票には、なかなか直結しませんが、『地方議会改革こそ、この国を変えて行く、第一歩。』と信じて精進を重ねます。
—
◎国の動き
◯議会内機関の設置
★改革の具体的なアクション
◆統一地方選挙および議会内改選
▽議会内および会派内での松野の役務
平成11年 4月 ◆統一地方選挙
5月 ◆議会内改選
▽「一隅を照らす会(ひとり会派)」代表
▽教育民生常任委員会 委員
10月 ▽議会報編集特別委員会 副委員長
平成12年 4月 ◎地方分権一括法 施行
平成13年 5月 ◆議会内改選
▽総務常任委員会 委員
6月 ▽議会報編集特別委員会 委員
7月 ◯地方分権検討協議会の設置
▽地方分権検討協議会 委員
★会議規則の見直し
平成15年 4月 ◆統一地方選挙
5月 ◆議会内改選
◯地方分権推進特別委員会の設置
▽「新世会(最大会派)」広報担当
▽経済環境常任委員会 委員
▽地方分権推進特別委員会 委員長
平成16年 9月 ※上記、地方分権推進特別委員会内において
「議会主導で自治基本条例の策定を」という
議論はあったが機運が高まらなかった。
H16.8行革審最終答申の重点推進事項に
「まちづくり基本条例」の制定が盛り込まれ、
同年、9月定例会初日に市長が所信表明演説をする。
同9月定例会の一般質問において松野が市長に
「議会主導の自治基本条例の制定について」問う。
平成17年 3月 ★対面演壇方式の導入(※90度)
5月 ◆議会内改選
▽「新世会(最大会派)」政策担当
▽建設常任委員会 委員長
平成18年 5月 ★政務調査費報告書を情報公開コーナーへ
9月 ★インターネット議会中継の導入(本会議)
12月 ★議員定数の見直し(32名⇒28名へ削減)可決
★流山市議会会議規則の改正
平成19年 3月 ▽予算審査特別委員会 委員
4月 ◎地方分権改革推進法 施行
◆統一地方選挙
★流山市議会議員政治倫理条例の策定
5月 ◆議会内改選
▽「流政会(最大会派)」政策担当
▽議会運営委員会 委員長
▽教育福祉常任委員会 委員
6月 ★完全対面式演壇の設置(※180度)
★委員会条例の改正(委員会の原則全面公開)
10月 ★議員間協議による予算(議会費)積算&要望
平成20年 3月 ◯議会基本条例策定特別委員会の設置
▽議会基本条例策定特別委員会 委員長
★議会用語解説webページの新設
5月 ◎地方分権委員推進委員会 第1次勧告
「生活者の起点に立つ『地方政府』の確立」
6月 ◎地方自治法の一部を改正する法律成立
★一般質問の一問一答方式導入
★議場内にモニターテレビ設置(傍聴者への配慮)
★傍聴者アンケート実施
★専門的知見の活用(議会基本条例制定に関し
早稲田大学マニフェスト研究所と提携)
7月 ★議会基本条例集中講座の開催(議員・職員・市民を対象)
※草間 剛氏@早稲田大学マニフェスト研究所 研究員
岩名秀樹氏@三重県議会前議長(当時)
大同 衛氏@京丹後市議会議長
加藤幸雄氏@元全国市議会議長会調査広報部長
【流山市議会議員研修会 歴代講師陣】
H21 江藤俊昭先生@山梨学院大学大学院教授
H20 黒石匡昭氏@新日本監査法人 公会計本部 公認会計士
松田浩治氏@NTT データ 第一公共事業部 事業企画課長
H19 北川正恭先生@早稲田大学大学院教授
H18 磯崎初仁先生@神奈川大学教授
H17 辻山幸宣先生@(財)地方自治総合研究所
H16 松下圭一先生@法政大学名誉教授(当時)
H15 竹下譲先生@四日市大学教授(現:拓殖大学)
10月 ★議会シンポジウムの開催(参加者:220名)
★議会基本条例報告会の開催(参加者31名)
11月 ★ 〃 ( 〃 26名)
※マニフェスト大賞 最優秀成果賞にノミネートされる。
平成21年 3月 ★議会基本条例上程(議員提案)全会一致可決
4月 〃 施行(4月1日)
5月 ◆議会内改選 ※役選人事OPEN会議
▽「流政会(最大会派)」幹事長
▽議会運営委員会 委員
▽都市建設常任委員会 委員
★議長候補者(2名)議長マニフェストの事前配布
9月 ◎鳩山政権発足
◯議会活性化推進特別委員会の設置
▽議会活性化推進特別委員会 副委員長
10月 ★「市民に開かれた市議会」の実現に向けて、
更なる情報発信と情報通信技術(ICT)の推進を求める決議
を全会一致で可決
11月 ★「議会報告会」開催
※マニフェスト大賞 最優秀成果賞にノミネートされる。
12月 ◎第1回 地域主権戦略会議
★一般質問における市長の反問権行使
┗①議員は民間委託で公的責任が後退しているというが、
民活も含めて行政サービスを提供することが市の責務と考えるが
議員はどのような見解をお持ちか?
┗②私の進める改革を新自由主義路線と位置付けたいようだが、
そもそも新自由主義をどう定義しているのか伺いたい。
平成22年 2月 ★議会基本条例の一部改正(反問権を行使出来る者の範囲の拡大
※第11条2項及び3項「市長等(市長その他の執行機関)」⇒「説明員」
◯広報広聴特別委員会の設置(分掌事項の充実)
3月 ▽予算審査特別委員会 委員
★一日一常任委員会の試行(傍聴の充実・委員会審議の充実)
★一般質問における市長・副市長の反問権行使
┗①議員は、公立が担う保育所が優れているというが、
民間も優れており、その両者の中で市民が求める行政サービスを
提供すべきと考えるが見解を聞きたい。
┗②議員は、沿線開発を全面否定されているが長寿社会を迎えた流山市で
市民サービス水準を支える財政をいかに経営され、
どのように責任を持たれるかお伺いしたい。
★予算審査特別委員会の各日程終了後、
協議会方式で委員の自由討議(感想・意見交換)を実施
4月 ※日本経済新聞社 全国市議会(806市)議会改革度ランキング調査
流山市議会が全国9位、千葉県内1位にランキングされる。
★Ustream(ユーストリーム)による全国初の委員会中継
(LIVE視聴者:最大16件、録画放映視聴者:100件、2010.4時点)
5月 ★流山市議会Twitter公式アカウント取得 @nagareyamagikai
★議会報告会(市内4か所で開催)