20240419-1 JIAMオンライン研修(地域マーケティングによる戦略的なまちづくり)

メモ
地域マーケティングによる戦略的なまちづくり
秋田大学教育文化学部 准教授 益満環 氏

秋田大学教育文化学部 准教授 益満 環(ますみつ たまき)氏
 秋田県大仙市出身。東北大学大学院経済学研究科博士課程後期3年の課程(経営学専攻)修了後、富士大学、石巻専修大学、米国テキサス大学ダラス校での教員生活を経て、2019年4月から現職。専門分野は、シティプロモーション、商品開発、産学官連携。日本酒のマーケティング戦略について研究を行い、大仙市内の5つの酒蔵(刈穂酒造、出羽鶴酒造、鈴木酒造店、奥田酒造店、金紋秋田)と大仙市と産学官連携のもと、学生とオリジナルの日本酒づくりに取り組んでいる。故郷秋田が衰退しないよう魅力を発信し、マーケティング視点で地域を盛り上げている。

秋田県の大学でお酒を作ってガンバっている。教育文化学部 地域文化学科 6割の学生が自治体に就職

産学官連携の話

どうしたら稼ぐ町になれるか。
黙っていたらつぶれるだけ
震災の時、石巻に居た。つぶれかけた

秋田で生まれたが元々は鹿児島の出身。

TOP

隣町のスーパー公務員の宮城県登米市の人と一緒に頑張った。
移住者、観光客が増えた

横手市のPR動画

秋田県仙台市 5つの酒蔵と組んだ(そんなことはどこでもやっていると思いますよね)
地域文化学科は、地域の街づくりをしてなんぼ

秋田県は、日本酒の製造量で全国第5位、消費量も全国第2位と酒どころとして全国的に有名です
秋田県内で造った日本酒の約6割(約7,000kL)を秋田県民が消費する「日本酒の地産地消」ができている県です。
外貨を稼ぐには外で稼ぐことが大事

大曲(おおまがり)の花火(NHKのBSで見ることが出来る)
生まれ:秋田県大仙市

秋田県内最多の7つの酒蔵を有する大仙市。うち5の酒蔵と組んだ
統一ブランド
大曲の花火だけではない、大仙市の日本酒の魅力を発信。
統一ブランドのお酒を持って全国を回った

産学官連携
産(企業)・学(大学)・官(自治体)が協力・連携して、日本酒を造り、大仙市の地域活性化に貢献。

様々な企業が、オカネ、人、技術など資源を投入してくれている
酒造りのすべての工程に学生を連れてゆく(種まき、田植え、稲刈り、草ひき、こうじ作り、酒母つくり、もろみ作り、しぼり、瓶詰、販売)
こうじ作りの時は、納豆やヨーグルトを食べてはいけない、というような制限があったりする。

日本酒を造るだけでなく、日本酒を活用した「地域活性化が最終目的」
移住・定住まで持ってゆきたい

1本(750ml)1,980円。1ケース(5本入り)9,900円。
1,000ケース(5,000本)限定販売。

「企画ものは4年で終わる」のが定説
新しい企画を入れてゆく

すべての工程で、学生がかかわると言うのは珍しい。
かき混ぜて終わりとか、ラベルを作って終わり、とかいうのはやりたくない(やったふり、と言われる)

商品力と発信力のバランス(同じ!!!)
知らなければ、無いのと同じ!
発信力(youtube、インスタ、ツイッター、テレビ、新聞、ラジオなど)

インスタ、ユーチューブだけでやったが、東京でも売れなかった。
とうことで
テレビに取り上げてもらった。 テレビCMもやった
酒のCMは昼間出来ないので、昼用と夜用のCMが必要だった。
けっこう費用がかかった。
琵琶湖放送の一本2万円のCMは安い!!

インスタは20歳の女性がメイン
導線を作っていて、外から声がかかる。
載せるのは学生が早い!

知らないと無いのと同じ
Three Hits Theory(3ヒット理論):
消費者は商品やサービスに関する情報に3回接触して、その存在を知る。
Seven Hits Theory(7ヒット理論):
商品やサービスに関する情報に消費者が7回触れていると、その商品やサービスを購入する確率が高くなる。
3回接して知る。7接して買う
秋田県は、地方紙(新聞)、日本酒の販売時期の土曜日の21時の一家だんらんの時のTVCMを狙った

世界にどう打って出るかを考えている(アメリカ、台湾、中国、インドネシア)たかだか1000ケースの日本酒が・・・

座間市、米軍の座間キャンプ、水が綺麗なので水を使って化粧品を作っている。座間市は大学がないので助けて欲しいと言われた。
大仙市から外へ

大学の元先生・ジョン・スチャパインスキ氏から声かけあり
面白いから一緒にやるか?
SNSの成果(英語で発信していた)

秋田県が一番最初につぶれる県だと言われているが・・・
多くのメディアで紹介され、関係機関の知名度アップに貢献
• 令和5年度、大手通販サイト2社(楽天?とヤフー?)の純米吟醸酒部門で売上第1位。
• 効果的なメディア戦略で県外から集客ができました。
• 大仙市のふるさと納税の返礼品に採用されました。
• 令和4年度の経済波及効果は1,100万円でした。
• 卒業生は、大仙市様、秋田県庁様はじめ多くの自治体・企業で、関連部局に配属され、即戦力として活躍。

学生御時代に頑張ったことは、就職にも役にたつ。
メディアにも、秋田県庁へも就職。仕事を持ってきてくれる

今まで産学官連携を20くらいやってきた
今までの経験上。官が入るのが難しい。たくさんの産が入ってくるのも難しい
成功の要因
1.共通の志と目的を共有する(やるからには同じ志!)
• 産学官それぞれがプロジェクトに対する志や目的を共有し、一致させる。
• 志や目的が不一致のままプロジェクトを進めると、結果的に成果が出ず、時間や資源の無駄になってしまう。

2.資金・人材を確保する(オカネはかかる。自治体だと2,3年で人が変わる)
• 産学官連携には多くの資金や人材が必要だが、それらが不足し、プロジェクトが失敗することがある。
• 大学は産学官連携の核となりうる。ただし、人選は特段の配慮が必要である。
◎産学官連携をしないと大学は生き残れない

3.既存の地域資源を活用する
(新規のことをやろうとすると、時間とお金がかかる)
• 既存の地域資源(ヒト・モノ・コト)や地域の特徴、長所に着目し、それらを活かす方法を考える。
• 地域で当たり前のものでも、他の地域や新しい世代から見ると新鮮で魅力的なものに映る可能性がある。
「それは前にもやったよ」と何回も言われた。しかし時代が違う。やり方が違う。人が違う
• プロジェクトは金銭的・時間的限度があるため、絶対に無理をしない、欲張らない。
(売れているのでもっと数をつくらないですか? もっと若い子を使ってPRしませんか? 欲張らない。欲張らない)

4.とことんコミュニケーションをとる
• 産学官それぞれの志や目的、価値観が異なる場合、相手側とのコミュニケーション不足になり、結果的にプロジェクトが失敗することがある。
• その他の原因として、情報通信機器に不慣れ、多忙などの理由がある。
地域の恩返しをしてなんぼ。

5.多くの人・組織・地域を巻き込む
• 人と人、組織と組織、地域と地域とがそれぞれの立場や活動範囲を越えて連携すると効果が大きくなる。
• 他人事ではなく、自分事として捉えてもらえるよう、また、取り組みに積極的に参画してもらえるよう、仕事や趣味、興味、得意なことを活かせる形で行う。
• 産学官がそれぞれWin-Win-Winの関係になるようにする。
「あれ出来ない」「これ出来ない」という人は巻き込まない
「もっと動いてくれよ」と不満もあったが、言うと関係が崩れる
教授によっては論文を書くのが目的になっていたりする

二つのサイクルをまわす
1.経済活性化のサイクル
2.地域活性化のサイクル
*地域マーケティングとは、自治体や地域が主体となって、その
地域にヒト、モノ、カネを呼び込むマーケティング戦略のこと。

石巻には有名な製紙会社があった。震災でもうやめると言われた。
その会社で地域がもっていた。
ここでは、日本酒。
だが日本酒でなくて良い。地元の地域でとがっているものを中心に

まちづくりに積極的に関わる
瓶が足りない

• 商品力と発信力のバランスを取ることが大事。
• 産学官連携がうまくいかない理由のほとんどが「ヒト」が原因
•ローカルではヒトやモノが結びつきやすい。大きな化学反応が起きる可能性あり → ローカルイノベーション
• 大学の持つヒトや知識、技術をうまく利用しよう
• 子どもたちや若者が未来に対して希望が持てるよう、当事者意識を持って地域を盛り上げる。


質問
大阪、豊能町
CM料はいくらくらいか、1千百万円が儲け
一番かかるのはCM費用:200-300
広告費(新聞。消しゴム2個くらいの大きさで20万円)
売上は、1千200万円

FACEbookは、秋田ではやっていない
15年前にアメリカに行った時に、facebookはもう終わっていた。
40歳以上の男性とターゲットを絞るとfacebookをやるべきかもしれないが、インスタが主流だと判断している。

金融機関系の協力が無いのは?
秋田では投資をしてくれなかった。地域がらと思われる。

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