2023.07.28 毎日新聞「田園都市構想 新たな計画策定で合意 24年度末めどに/奈良」

県政変革
田園都市構想 新たな計画策定で合意 24年度末めどに /奈良
地域:奈良
毎日新聞 2023/7/28 地方版 有料記事 605文字

 県の査定で見直しが決まった磯城郡3町での都市整備計画「大和平野中央田園都市構想」について、山下真知事と地元3町長が27日、県庁で会談した。3町の土地を利活用するためのテーマを具体的に決め、2024年度末をめどに新たな構想をまとめることで合意した。

 会談は冒頭を除き非公開で実施。出席者によると、3町は個別のワーキンググループを設け、県の意見を参考にしながら土地の具体的な利用方法や新たな施設建設の是非を決めることになった。

 三宅町は産業強化や雇用創出につながる土地活用を希望。
田原本、川西両町は具体的なテーマを決めるため議論を進めていく考えを示した。テーマ決定後、有識者などの考えも反映させ新たな構想をまとめ、実現に向けて県と町が協定を結ぶことを確認した。

 また、県はITを利用した実証実験を進め、3町を先進的な施策のモデル地としていく案も明らかにした。不登校児童が学習・交流できるオンライン空間の構築▽認知機能の低下を早期に把握するための取り組み▽eスポーツによる高齢者の健康増進--の三つが挙げられ、各町も実施に前向きな姿勢を示した。

 山下知事は会談後の取材に「県の大きな課題の一つは人口減少だ。それに歯止めをかけられるような事業を進めていきたい」と述べた。構想は当初、大学や球技専用スタジアムを新設する計画だった。しかし、山下知事は多額の公金を投入する妥当性がないとして構想を白紙に戻した。
【吉川雄飛】