研修 滋賀県大津市唐崎JIAMにて1

一コマ目
「激変する世界情勢と日本の立場」京都大学公共政策大学院 教授 中西 寛 氏

京都大学公共政策大学院 教授 中西 寛 氏
1962年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院修士課程修了。1988~1990年 シカゴ大学歴史学部博士課
程在籍。1991年 京都大学大学院博士後期課程退学。1994~1995年 ロンドン経済大学歴史学部、オーストラリア国立大学、アジア太平洋研究所に客員研究員として在籍。京都大学大学院法学研究科教授、同大学公共政策大学院長などを経て2018年より現職。主な著書として、『日本政治史の中のリーダーたち 明治維新から敗戦後の秩序変容まで』(共編著)、『高坂正堯と戦後日本』(共編著)など。

日頃の議員さんたちの業務とは違った話になるかもわかりませんが、大きな世界の流れを話す。

大変動の二段階(構造段階と破局段階)
去りゆく指導者
2024のG7と2025のG7を比べると7人中残ったのは、イタリアのメローニとフランスのマクロンのみだった
トランプ政権は次の期は無理だろうが、この期に起こったことが下に戻ることはないだろう。

終わりの始まりは、早くから始まっていた(構造的段階)

所得分配の歴史的推移(1900ー2010)
グラフ(ピケティーの20世紀の資本より)
1945年までは(第二次世界大戦まで)は、一部の高所得者(上位1%)が多くの資産を持っていた。戦争が終わって大金持ちが少なくなった。1970年くらいまで。
その後(石油ショック後)、ソ連は工業化に失敗。アメリカは成功。世界が西側の仕組みを取り入れないとだめになるということになった。中国:1980から改革開放を積極的にやっていた。1989年天安門事件が発生。動揺して体制が崩れることはなかった。経済発展を求めながら、共産党支配を強化していった。
1985ー1990で、再び高所得者が富を占めるようになる。

日本は1980年代、世界第二位の経済大国として名を馳せた。が・・・
手工業的な手段で発展した。人間関係で製造業を動かすという手法。システマチックに組織的に、動かすというものではなかった。日本型。

ソ連という体制の失敗で、西側は我々のシステムでうまくいくと楽観しすぎた。

2001 911テロとの戦い。アフガニスタン、イラクへ攻め入る。
まだアメリカは、西側のシステムでなんとかなると考えていた。

2008 リーマン・ショック
金融緩和のお金が不動産に流れ、不動産に流れたお金が再び金融承認に流れて、バブルを作り出す。
アメリカ初の金融機恐慌。アメリカの金融政策に盲点があった。アメリカの自身が揺らぐ。

圧倒的なアメリカの強さが大きく揺らぐ。アメリカについて行って大丈夫かという疑問。中国は独自路線を歩む。

新興国の台頭
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、サウスアフリカ(南アフリカは小さい))
2009年より南アフリカを除いた国で協議。今では、南アフリカ、イラン、エジプト、エチオピア、ナイジェリア、ウガンダ、ベラルーシ、ウズベキスタン、カザフスタン、キューバ、ボリビアを加えて、BRICS+となっている。

2008年 深層情報社会(スマホの普及とSNSの影響拡大)

2010年代 分裂の開始

2012年 プーチン、習近平、西側の主張への反発
 
2016年 イギリス ブレクジットEU離脱、トランプが大統領に
米英が戦後体制に背を向ける。

西側主導の秩序に反発:大国間競争、反グローバリズム


トランプ2.0
2020年の敗北が準備期間となった。
政策人材
JDバンス副大統領:MAGA路線
イーロン・マスク:DOGE テクノリバタリアン
スーザンワイルズ主席補佐官:共和党本流
マルコ・ルビオ、ジェイムソン・グリア:対中強硬派
スコット・ベッセント:新ブレトン・ウッズ
若い世代:ミラー次席補佐官、レヴィット報道官

※具体的な内容:
新ブレトン・ウッズの具体的な内容は、学者や専門家の間で様々な議論がありますが、一般的には、変動相場制や資本移動の自由化、新興国の台頭などを踏まえた、より柔軟で多様な国際金融秩序を指すと解釈されています。
要するに、「新ブレトン・ウッズ」は、従来のブレトン・ウッズ体制が抱える課題を克服し、21世紀の国際経済の新たな枠組みを模索する概念と言えます。

トランプの世界観
米国内政 アメリカ第一の実現
常識の復活(古き良きアメリカ:白人主導の社会:さすがに正面切っては言いにくい
しかし、多様性の否定、
製造業の復活、化石燃料(ドリルベイビードリル 掘って掘って掘りまくれ)

北米大陸
勢力圏支配(名称変更 マッキンリー アメリカ湾

ユーラシア世界
取引の対象(中国:最大の競争相手、ロシア:ヨーロッパの問題、中東:イスラエル右派支持、アラブ・イランとの取引、同盟国:アメリカが損をしてきた対象)
世界の警察をやったのは失敗。

これまでは、同盟国と組んで中国に圧力をかけようとしていたが、アメリカが有利になるように中国に圧力をかける。同盟国といっしょにやると結局はアメリカの負担となる。ここまでトランプは言っていないがこれが本音ではないか。

中東のややこしい問題は、自分たちで解決しろ。アメリカに不利なことにだけ頭を突っ込む。

日本は、アメリカに自動車を売るだけの一本足打法(アメリカに頼り過ぎ)になっており危険。

グローバル・ガバナンス
頭のおかしい言説(Lunatic Narrative)
温暖化否定(パリ協定脱退)、感染症対策(WHO脱退示唆)、国際刑事裁判所(ICC)敵視、USAID解体

東アジア安全保障環境
日本は、ロシア、中国、北朝鮮と三正面防衛を迫られる。

トランプ関税:東アジアの諸国は関税が高い

安定しているのは、インド洋、太平洋の関係か?

日本は?
アメリカ、中国からの自律性をもつ。
他の国々との多角的な関係をもつ
アメリカが引いている分、日本が出る(国際関係、グルーバルな課題への対応)
インバウンド(世界型の注目):岡本太郎(フランスで人類学を学んだ。縄文土器を評価:世界のどこにもない造形物)中国が作り出したものではない人間の本質を見つけた。人間の本質=共通点

癒やし社会としての日本
文明の生態史観(梅沢)
日本の文化のあり様:
西洋文明(?)は、ある種の論理から文明を作り上げた。
論理の前の情感から作り出したものが、日本にはないか。
文字のない時代の造形物。
情感、感情をどうやって社会に位置づけるのか。どうやって社会に埋め込むのか。

「癒やしの社会」:論理以前の感情から日本の文化は生み出されたとしたら、それを論理的な言語で表現したり表したりするのは、とても難しいと考えられる。体験・経験するしかない? 

One thought on “研修 滋賀県大津市唐崎JIAMにて1

  1. 情報、有難うございます。
    激動の世界の中で、今の政権では危ういですね。
    次の新しい、指導者を望みたいです。

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