2025.4.21 研修(偽・誤情報問題~その現状と求められる対策~) 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授 山口 真一 氏

千葉市の幕張に JAMPがある。
JIAM研修20250421
偽・誤情報問題~その現状と求められる対策~
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授 山口 真一 氏

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授 山口 真一(やまぐち しんいち)氏
 1986年生まれ。博士(経済学・慶應義塾大学)。専門は計量経済学、社会情報学。NHKや日経新聞などテレビや新聞にも多数出演・掲載。
KDDIFoundation Award貢献賞等の数々の賞を受賞。おもな著作に『ソーシャルメディア解体全書』(勁草書房)、『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社)等。他に、シエンプレ株式会社顧問、日本リスクコミュニケーション協会理事、早稲田大学ビジネススクール兼任講師、日本テレビ放送番組審議会や、内閣府「AI戦略会議」を始めとする複数の政府有識者会議委員等を務める。

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偽・誤情報とは、フェイクの事です。
人類総メディア時代の到来::SNSの普及は非対面・対多数のコミュニケーションを可能とし、誰もが世界に発信可能に。

ネットのクチコミは高い経済効果を持つ
2024年選挙でもSNSが注目された。兵庫県知事選(斉藤元彦氏)、都知事選(石丸信二氏)
2024年は転換点

2020年(都知事選、小池さんを応援する声が無かった)P8の図。大きなA群は小池さんを批判する声。
しかし、小池んさんが圧勝することになった。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/91e631039f3ee0765d90fc6389f40454f0abebe2
https://www.fnn.jp/articles/-/608726?display=full
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/276

しかし、2024年、SNSや動画共有サービスが最も参照するメディアになった。大きな力になった。

https://www.fifteendesign.co.uk/blog/world-social-media-day-the-importance-of-social-media-for-your-business/

センセーショナルな状況が拡散されやすい。
「既得権益と闘っている」などの「正義と悪」のような対立構図や、怒り・正義などは拡散しやすい。

ナラティブの存在

石丸伸二「恥を知れ、恥を!」発言は、3日前から練っていた


https://note.com/brave_otter237/n/n30674a1a8a5f

兵庫県知事選調査――なぜ斎藤氏は勝利したのか

※「ナラティブ」とは、英語の「narrative」をカタカナ表記した言葉で、日本語では「物語」「語り」「話術」などと訳されます。もともとは文学理論の用語として使われていましたが、現在では心理学、医療、ビジネスなど様々な分野で活用されています。ナラティブは、単に物語を語るだけでなく、相手の視点や経験を理解し、共感を得るための重要なツールとして注目されています。


もひとつ、インフルエンサーが選挙結果を左右する
しかし、インフルエンサーなどが、広告費を目的にしていないか?!

オールド・メディアは負けたのか?
メディア vs SNSの勝ち負けではない
人類総メディア時代で情報収集のチャネルが増えただけ。
政治家もそれを受けて活用するのは自然。

SNS時代の選挙の課題
1.過激な言論やわかりやすい対立構造が拡散しやすい
→ 正義感や怒りをかき立て拡散
→ 深い政策議論にならず
2.社会の分断が加速する
→ 支持者同士の対立が激化し、建設的な合意形成が進まない(選挙後のプロセス)
今実際に、兵庫県で起こっている現象。


フェイク情報、真偽不明情報も問題となる
明らかなフェイク情報だけでなく真偽不明情報も。
偽の通報による言論封殺は今後大きな課題となり得る。

SNSは通報が一気に増えると、アカウントを自動で停止することになる。(兵庫県 稲村和美さん)

2016年、フェイク情報元年
2016年の米国大統領選挙において、選挙前3か月間で、トランプ氏に有利なフェイク情報は3000万回、クリントン氏に有利なフェイク情報は760万回シェアされた。世論操作と外国の介入が問題に。

事実のニュースよりフェイク情報が拡散された方が多い。

コロナ禍でも起こった
世界を蝕んだ Infodemic
新型コロナウイルスに関連しても様々なデマや陰謀論が大量に拡散され、WHOは「Infodemic」として警鐘を鳴らした。
5G電波がコロナウィルスを運んでいる。という偽情報。

平和を脅かすフェイク情報
ゼレンスキーが「降参しましょう」という動画

日本におけるフェイク情報の状況
日本でも災害時のデマ投稿、新型コロナウイルス関連、政治的なものなど、多くのフェイク情報が拡散している。
一番右側:安倍さんが台風の被災地を訪れねぎらっている
右上:その写真はスタジオで撮影されたとするフェイクニュース
右下:台湾のファクトチェックサイトがこの記事が書いた。拡散したため。

災害時のフェイク情報
1.実際の被害とは異なる情報
2.根拠のない犯罪情報
3.助けを求める偽情報
4.募金詐欺
5.科学的にありえない陰謀論(地震は起こされている)

インフルエンサーによるデマ
いじめ事件が起こった。被害者が亡くなった。

人の欲望や不安につけこむフェイク情報
投資詐欺

フェイク情報とヘイト
韓国、ソウル市日本人女児強姦事件に判決 一転無罪へ(フェイク情報)
オカネのためにやったという。


日本のフェイク情報耐性は低い

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240325-OYT1T50293/
読売新聞より
日本は米・韓より「偽情報にだまされやすい」、事実確認をしない人も多く…読売3000人調査
2024/03/26 05:00
 デジタル空間の情報との向き合い方を調べるため、読売新聞が日米韓3か国を対象にアンケート調査を実施した結果、米韓に比べ、日本は情報の事実確認をしない人が多く、ネットの仕組みに関する知識も乏しいことがわかった。日本人が偽情報にだまされやすい傾向にある実態が浮かんだ。
 調査は昨年12月、国際大の山口真一准教授(経済学)とともに3か国の計3000人(15~69歳)を対象に共同で実施した。
 情報に接した際、「1次ソース(情報源)を調べる」と回答した人は米国73%、韓国57%に対し、日本は41%だった。「情報がいつ発信されたかを確認する」と答えた人も米国74%、韓国73%だったが、日本は54%にとどまった。
 デジタル空間の構造や弊害を表す用語の認知率も調査。正確さより関心を集めることを重視する「アテンション・エコノミー」など三つの用語を知っている人は、平均で日本は5%のみ。米国33%、韓国40%と大きな差がついた。
 3か国でそれぞれ広がった各15件の偽情報について、「正しい」「わからない」「誤り」の三択で回答を求めたところ、「誤り」と見抜くことができた割合は、米国40%、韓国33%に対し、日本は最低の27%だった。
 回答者のメディア利用状況なども聞いた結果、偽情報にだまされる傾向が表れたのは「SNSを信頼している人」「ニュースを受動的に受け取る人」だった。
 一方、だまされにくかったのは「新聞を読む人」「複数メディアから多様な情報を取得している人」だった。新聞を読む人はそうでない人と比べ、偽情報に気付く確率が5%高かった。
 宍戸常寿・東大教授(憲法学)の話「日本は偽情報への耐性が弱く、深刻な状況にあることが裏付けられた。早急にリテラシーを高める取り組みが求められる」

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フェイク情報接触者
日本で広く拡散したフェイク情報5分野15件を使って人々の真偽判断や拡散行動について分析した。

多くの人がフェイク情報を信じている
年代によっての差はない。すべての人

ネットだけの問題ではないフェイク情報
「家族、知人、友人との会話で情報を共有する」というのが一番割合が高く(48.1%)
「SNSでシェア、リポスト、再投稿など」27.0%

メディア情報リテラシーの重要性
•メディアリテラシー、情報リテラシー、批判的思考能力が高い人ほど、フェイク情報を拡散しづらい傾向にある。
•自分は批判的思考態度がとれていると自己評価で高い人は、むしろフェイク情報が誤っていると気づきにくく、拡散もしやすくなる傾向がある

フェイク情報の持つ特徴
フェイク情報拡散スピードは事実の6倍
フェイク情報と選挙

フェイク情報は人の考えを変える
1.安倍元首相が「富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策」と答弁。
2.蓮舫議員が、平成16年の「児童虐待防止法改正」に反対していた。

二人の政治家の情報で、読んだ人が、イメージをどうとるかの実証実験

弱い支持をしている人ほどフェイク情報によって支持を下げやすい。(一番、多い支持層)

生成AIの活用は必須スキルに
生成AIの活用は、経産省が経営者や従業員が身につけるべき知識や技術としてまとめている「デジタルスキル標準」に入った。

生成AIの最大の懸念はディープフェイク

生成AIの脅威
•2022年6月~2023年5月、少なくとも16カ国で、生成AIが政治や社会問題に関する情報を歪曲するために使用された可能性が高い。

•現在はフェイク情報全体の量からするとAIによる偽動画・偽画像は限定的な量だが、AI技術の発展と共に爆発的に増加する可能性がある。
目的を達成できれば手段は何でもよい。

生成AIによるフェイク情報事例
にせ動画:
バングラデシュの国政選挙投票日前夜、無所属候補のアブドゥラ・ナヒド・ニガール氏とビウティ・ベガム氏が選挙からの撤退を表明する偽動画が投稿:https://www.boomlive.in/decode/deepfake-elections-disinformation-bangladesh-india-us-uk-indonesia-24087

生成AIでwithフェイク2.0時代へ
•AI技術の発展により、誰もがディープフェイクを使えるディープフェイクの大衆化が起こり、withフェイク2.0時代へ。
•既に様々なものに利用されており、今後裁判などの証拠画像・映像の捏造も増えるだろう。

何でもない一般のユーザーが作った。
ドローンによる静岡の水害の写真(AIで作った)

うそつきの配当(ウソツキが得をする)
•AIによる偽画像・偽映像が蔓延すれば、事実の写真・映像についても「AIが作成したものかもしれない」と疑う必要がある。
•また、事実に対して「AIが作成したものだ」と主張する「うそつきの配当」問題も起こる。(

イーロンか、それともディープフェイクか?マスク氏はオートパイロットに関する発言で疑問を呈せざるを得ない
ヒョンジュ・ジンとダン・レヴィン
2023年4月27日午後12時39分 GMT+9 2年前に更新

テスラのCEOマスク氏がワシントンの現地オフィスを去る
テスラのCEOイーロン・マスク氏と警備員が、2023年1月27日に米国ワシントンD.C.にある同社の現地オフィスを出発する。ロイター/ジョナサン・アーンスト/ファイル写真ライセンス権の購入、新しいタブが開きます
企業テスラ社、アップル社

4月26日(ロイター) – カリフォルニア州の裁判所は水曜日、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対し、同社のオートパイロット機能の安全性と性能に関して特定の発言をしたかどうかについて宣誓供述書に基づいて尋問するよう命じた。
ロイター通信が最初に報じたこの判決は、2018年にアップルのエンジニアであるウォルター・フアン氏が死亡した自動車事故をめぐり、同氏の遺族がテスラを相手取ってサンタクララ上級裁判所に起こした訴訟で下された。テスラの弁護士は、マスク氏は原告が尋ねようとしている自身の発言の詳細を思い出せないと述べ、億万長者の有名CEOである同氏は、説得力のある「ディープフェイク」動画の題材になることがよくあるとしている。
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世論工作の大衆化
AIで存在しない人を作る。SNSのアカウントを作る。そこで政治的な発言をする。何万人も

フェイク情報の生まれる理由
1:経済的動機:::: アメリカの大統領選挙で、フェイク情報をマケドニアの学生が大量に作っていた。いろんな人が見て広告収入を得ていた。

「私はマケドニアのフェイクニュースライターだった」
2019年5月29日
サイモン・オクセンハム 特集特派員
ロビン・ウィローズ=ラフ ヴェレスでの活動は世界中のメディアの注目を集めている(写真提供:ロビン・ウィローズ=ラフ)ロビン・ウィローズ・ラフ
ヴェレスでの活動は世界中のメディアの注目を集めている(写真提供:ロビン・ウィローズ=ラフ)
北マケドニアには、アメリカの読者をターゲットに、誤解を招きやすく扇動的な政治記事を掲載するウェブサイトの小規模な産業がある。サイモン・オクセンハムはそこで働いていた女性に会った。

内容を除けば、「フェイクニュース」ライターの典型的な一日は、普通のオフィスワークと変わらないように見えるだろう。毎朝、タマラはノートパソコンを開くと、スプレッドシートへのリンクが貼られた新しいメールが届いていた。この文書には、地球の反対側、アメリカを舞台にした8つの記事が含まれていた。スプレッドシートには、それぞれ数時間後に設定された8つの締め切りも記載されていた。彼女の仕事は、締め切りまでにそれぞれの記事を書き直すことだった。

タマラの仕事は、もともと米国の極右出版物に掲載された記事の半ば盗作のコピーを大量生産することだった。
違いは何か?タマラは、北マケドニアに拠点を置く、アメリカの読者をターゲットにした2つの大手模倣ウェブサイトのために、捏造された、あるいは誤解を招くような記事を書き直していた。彼女の仕事は、アメリカの極右系出版物に掲載された記事の半ば盗作とも言えるコピーを大量に作成し、上司が何千マイルも離れた、何も知らないアメリカ人にそれを届けられるようにすることだった。

2018年末、北マケドニアの首都スコピエのカフェでタマラと話しました。3日間にわたり、彼女は9ヶ月間従事した仕事について詳細に語ってくれました。彼女の視点はあくまで一従業員の視点に過ぎませんが、彼女の話は、これらの施設で働くことの現実を如実に物語っています。

タマラは匿名を希望しているため、身元保護のため、彼女と彼女が協力した人々の氏名は変更されています。また、この記事には強い言葉が含まれています。

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BBCの「フェイクニュース」報道
BBCの「Beyond Fake News」シーズンについて
これがフェイクニュースの治療法となるのでしょうか?
2017年4月のある日、タマラは友人から電話を受けた。「君は何もしていないだろうね。家から出ずに何かしてお金を稼ぐ方法があるよ」と友人は言った。「君は政治に詳しいし、英語も得意だから、ニュースサイトで働いてみないか?」

「私は『ええ、いいですよ』と言いました」とタマラは思い出す。

次のステップは、ぎこちない態度で仕事のオファーをした若者「マルコ」とのビデオ通話でした。

ロビン・ウィローズ=ラフ 多くの報道によると、ベレスにデジタル「ゴールドラッシュ」が到来した(写真提供:ロビン・ウィローズ=ラフ)ロビン・ウィローズ・ラフ
多くの報道によると、デジタル「ゴールドラッシュ」がベレスに到来した(写真提供:ロビン・ウィローズ=ラフ)
「電話を受けて、マルコがどんなニュースサイトか説明してくれたとき、フェイクニュースのために働くことになるんだと気づいたんです」とタマラは言う。

その後数回のビデオ会議で、マルコは画面を共有し、ウェブサイトへの記事の投稿方法やPhotoshopを使った画像編集方法を彼女に見せた。「彼はとてもシャイで、ちょっと変わった人でした」とタマラは言う。「私が彼より年上で、彼の下で働いていたからかもしれません。彼は私との関係、つまり彼が私の上司であることに違和感を抱いていたのでしょう」。彼女は20代半ばで、マルコは20歳になったばかりの頃にチームに加わった。

彼らはまだ最悪の記事を書いていると思う
彼女がマルコと直接会うまでには、さらに2ヶ月かかりました。彼女は定期的にヴェレスの町まで車で行き、そこでマルコから現金の入った封筒を渡されました。

自らをリベラル派と称するタマラは、書き直しを強いられた記事の内容に愕然とした。「まだ最悪の記事が載っていると思う」と彼女は言いながら、ノートパソコンで新しいタブを開き、いつもコピーしているウェブサイトへと移動した。私は彼女が検索ボックスに入力するのを見ていた。「ご覧の通り、『イスラム教徒の攻撃』と入力しただけで、イスラム教徒が人々を攻撃しているという記事が山ほど出てきます。その多くは真実ではなく、捏造だと思います」。このウェブサイトだけで、その検索クエリに対する検索結果が100ページ近くも表示された。よく見ると、記事には明らかな誤りや、全く別の出来事から引用された画像が含まれていた。タマラは、自分が公開する記事に添付する画像はGoogleで探すように言われた。

サイモン・オクセンハム 「フェイクニュース」の中心地、ヴェレスへの道にある標識(写真提供:サイモン・オクセンハム)サイモン・オクセンハム
「フェイクニュース」の中心地、ヴェレスへの道にある標識(写真提供:サイモン・オクセンハム)
しかし、タマラの経験は、「​​フェイクニュース」という言葉の限界、そしてこれらのサイトが発信する現実がなぜはるかに有害であるかを浮き彫りにしている。彼女が発信したものの多くは、実際の出来事に基づいた偽情報であり、読者の恐怖と怒りを煽るように書かれていた。全体として、これらの記事は人々の偏見を煽り、虚偽の歪んだ世界観を描き出していた。

「あの出来事は実際に起こり、人々はそこにいて、場所もそこにあった。だから、細部まで捏造したという意味での、あれは決して偽物語ではなかった」。「物語を伝えるためのプロパガンダと洗脳だった」とタマラは言う。

マルコは2つのサイトを運営しており、タマラによるとFacebookのフォロワーは合わせて200万人以上いるという。
タマラの仕事は、米国のオリジナル記事を盗作と見破られないように書き直し、より簡潔にしてソーシャルメディアで共有されやすくすることで、マルコのサイトにGoogle広告収入をもたらすことでした。ベレスを拠点とする同様のフェイクニュースサイトは、Facebookで約100万件の「いいね!」を獲得しており、CNNのインタビューで、その所有者は1日あたり2,000ドル以上の収益を上げていると主張しています。マルコは2つのサイトを運営しており、タマラによると、Facebookのフォロワーは合わせて200万人以上でした。

これほど大量のコンテンツを絶えず目にすることの影響について尋ねられると、タマラは複雑な気持ちを述べた。「これらの記事をタイプしたり書いたりしている間ずっと、『なんてことだ、こんなくだらない記事を誰が信じるんだ? これを読むなんて、なんて無学で、なんて知能の低い人間なんだ』と考えていました。こういう記事を読むのは辛いです。1000語くらいの長い記事で、ニュースは2文くらいしかなく、あとは侮辱ばかりです。読みづらいです。気持ちの良いものではありません」とタマラは言う。

すると彼女は、私が予想もしなかったことを言った。「普段はこういう記事は短くして、書きたくない部分は飛ばすんです。あるいは、書きたいことだけ書くんです」と彼女は笑いながら言った。「例えば、イスラム教徒をしょっちゅう攻撃していたら、その攻撃に激怒して、くだらない部分は全部カットして、最後に何か良いことを書き足すんです。上司は記事を全部読むわけではないので、気づかないかもしれません。そうすれば、私の痛みも和らぎますから」。私は彼女に例を挙げて尋ねた。「ああ、『結局のところ、誰もが平等だ』みたいな。記事の文脈で言えば、こんな感じかな」

ゲッティイメージズ ヴェレスの銀行の外に座る少女(写真提供:ゲッティイメージズ)ゲッティイメージズ
ヴェレスの銀行の外に座る少女(写真提供:ゲッティイメージズ)
彼女はその内容に影響されたのだろうか? 結局のところ、虚偽の発言を繰り返すだけで、人々はそれを信じるようになると示唆する研究もある。「イスラム教徒について、彼らがいかにして自分たちのプロパガンダを広め、皆に自分たちのルールに従って生きてほしいと願っているかといった記事をたくさん書いていたことに気づいていた。ある時、外出中にこんなことを考えている自分に気づいたんだ。『わあ』と思ったよ。無意識のうちに、このプロパガンダは私に何らかの影響を与えていたんだ。なぜなら、常にこうしたものにさらされていれば、誰も影響を受けないことはできないからね。私がそれに気付いてよかった。なぜなら、それは私の意見ではないから。」

物語を書いている間、物語に込められた恐怖は私の中にもありました
彼女は自分の意見は変えなかったと言う。しかし、何かが起こった。「考え方も信念も変えなかった。でも、彼らがアメリカの人々に植え付けようとしている恐怖を、自分が感じていることに気づいたんです。物語を書いている間、物語に込められた恐怖は、私自身の中にも存在していました。それに気づいた時、すべてが止まったんです。」

タマラは、毎日ヘイト的なコンテンツを書き続けることにどう対処したのだろうか?「自分自身と自分の信念を、自分が書いている内容から切り離すようにしています。だから、できるだけ関わらないようにしていました。ただ言葉を書いているだけだと考えていました。プロパガンダを書いているとは考えないようにしていました。もし人々がこんな話を信じるほど愚かなら、彼らはこうして報いを受けるに値する、というのが私の考えでした。もしこれが真実だと思っているなら、罰としてこうして報いを受けるに値するのかもしれません。」

ロビン・ウィローズ=ラフ ヴェレスにある廃墟となったプール(写真提供:ロビン・ウィローズ=ラフ)ロビン・ウィローズ・ラフ
ヴェレスにある廃墟となったプール(写真提供:ロビン・ウィローズ=ラフ)
どうやって自分を切り離したのか尋ねると、彼女はこう答えた。「自分が書いている内容が真実ではないと自覚していれば、それはとても簡単です。それはただお金を稼ぐための手段に過ぎないのです。例えば、多くの人は、上司に言われたからという理由で、やりたくないことを仕事でやります。だから、今回はただ何かをして、自分の性格に影響が出ないようにしたのです。ただ、頭と体と指を使って、この仕事をこなすという、ただの機械的な作業でした。」

タマラは、自身の政治的見解は実際にはこのサイトが主張する見解とは全く正反対だと言います。記事を最初に書いた人たちが、自分が書いていることを信じていた可能性はあるのかと尋ねました。これについて、彼女は断固として否定しました。「とんでもない、とんでもない。こういう記事をでっち上げるには、自分が書いている内容をよく理解していなければなりません。愚かさから出てくるはずがありません…彼らは自分が書いている記事を信じていないと思います。フェイクニュースだと分かっているし、嘘をついていることも分かっています。これが現実だと信じるのは、どれほど妄想的なことなのでしょう?」

ヴェレスは廃墟となった工場やアメニティが点在する小さな朽ちかけた町である。
マルコのウェブサイトだけが例外ではない。2016年、米国大統領選挙のわずか1週間前、BuzzFeedは、マルコのサイトの本拠地であるヴェレスで、140以上の「フェイクニュース」系米国政治ウェブサイトが運営されていることを暴露した。ヴェレスは小さな衰退した町で、休眠中の工場や、廃墟となったプールなどの老朽化した施設が点在している。しかし、これらのサイトを運営する10代の若者たちは、月に数千ドル、調子が良い日には1日に数千ドルも稼いでいると主張している。しかし、タマラはそんな大金を稼いでいなかった。彼女の報酬は1投稿あたり3ユーロ、1日あたりわずか24ユーロだった。これは大した金額ではないかもしれないが、彼女が地元で仕事をしていたら稼げたであろう金額の3倍に相当する。

これらのページが実際に影響を与えたという証拠があります。BuzzFeed Newsの分析によると、2016年の米国大統領選の最後の3ヶ月間、Facebookで共有された選挙関連記事上位20件のうち、フェイクニュースサイトや「超党派」ニュースサイトが主流ニュースサイトを上回りました。

2017年12月、Facebookはマルコのページを含む複数のフェイクニュースページをウェブサイトから削除した。「その日は仕事中でした。Facebookページが閉鎖された時、私は(Facebookの)メッセンジャーで彼にメッセージしようとしました。彼の(個人)ページも閉鎖されていたので、電話をかけたところ、彼はかなり動揺していました」。その後、二人の連絡は途絶えていたが、昨年の夏、タマラはマルコから別のウェブサイトに記事を書かないかと電話を受けた。彼女は断った。

ロビン・ウィローズ=ラフ ヴェレスでの活動は世界中のメディアの注目を集めている(写真提供:ロビン・ウィローズ=ラフ)ロビン・ウィローズ・ラフ
ヴェレスでの活動は世界中のメディアの注目を集めている(写真提供:ロビン・ウィローズ=ラフ)
これらのウェブサイトの背後にいる真の扇動者は誰なのでしょうか?最近まで、北マケドニアで運営されているフェイクニュースサイトは、2016年の米国大統領選の熱狂から生まれたデジタルゴールドラッシュに乗じて、地元のティーンエイジャーたちが自然発生的に出現したと広く信じられていました。

しかし、新しい証拠は、そうではないかもしれないことを示唆している。Buzzfeed News によると、「患者ゼロ」はマケドニア人のメディア弁護士、トライチェ・アルソフであるとされており、彼は最近ネバダ州議会に立候補した共和党候補のパリス・ウェイドを含む 2人の著名な米国のパートナーと仕事 をしていた。 Buzzfeed の記事では、アルソフが2015年9月23日にベレスで最初の米国政治サイトである USAPoliticsToday.com のドメインを登録したことがわかった。これがベレスで連鎖反応を引き起こし、マルコのサイトを含む何百ものサイトにつながった可能性がある。 この報告は、町の外で運営されているフェイクニュースやプロパガンダサイトの急増は、トランプのヒステリーに乗じて金儲けしようとするティーンエイジャーの仕業であるという支配的な見解に矛盾している。 これは最終的には真実になったかもしれないが、ベレスの現象はこのように始まったわけではない。

タマラの事例は、外部からの支援の有無という問題についてはあまり明らかにしていない。しかし、これらの多作なウェブサイトで働く若者たちが皆、高額な報酬のために働いていたという見方には疑問を投げかける。彼女の事例が根拠となるならば、これらのサイトのコンテンツを執筆している若者たちは、利益のほんの一部しか得ていないと言えるだろう。

タマラに別れを告げ、北マケドニアの隣国コソボ、アルバニア、ボスニアを抜けて夜へと続く長い帰路を車を走らせながら、私は苦い皮肉に心を打たれた。ここバルカン半島は、人々の記憶に刻まれ、人々の間の分断によって形作られ、傷つけられてきた地域である。悲しい真実は、今やこの地域が、他の場所――今度は何千マイルも離れたアメリカ――で、不和と分断を煽るウェブサイトの温床となっていることだ。

アテンション・エコノミー
•情報が爆発的に増加する中、人々の注目をパッと引くことがお金に繋がる社会になった。
•システム1(速い思考)を刺激することで儲ける動きが活発化。

フェイク情報の生まれる理由
②:政治的動機

——–
情報流通プラットフォーム対処法の施行

過剰な規制は表現規制に繋がる
•政府に対する正当な批判が、誹謗中傷やフェイク情報とみなされて重い罰を受ける可能性。
•Slipperyslopeの問題。(滑り落ちる坂の問題)

マレーシア、偽ニュース対策法廃止へ 下院が再び可決
東南アジア
2019年10月9日 23:47
【シンガポール=中野貴司】マレーシアの連邦議会下院は9日、フェイク(偽)ニュース対策法を廃止するための法案を賛成多数で可決した。偽ニュース対策法はナジブ前政権が18年5月の総選挙前に駆け込みで成立させた法律で、恣意的な運用が可能になるとの懸念が強かった。複数の地元メディアが報じた。

マレーシアではフェイク(偽)ニュース対策法が施行されていた(クアラルンプール)=ロイター
廃止法案は18年8月にも下院で可決したが、その後上院で否決されていた。地元メディアによると、上院が法案を否決できるのは一度限りのため、今回は同法の廃止が正式に決まる見通しだ。

偽ニュース対策法は虚偽の情報を発信した個人や企業幹部に対し、最高50万リンギ(約1280万円)の罰金や6年以下の禁錮刑を科す。ナジブ前政権はこの法律に基づいて政敵であるマハティール氏を調査対象とするなど、強権的な手段として活用していた。

マハティール氏が率いる当時の野党連合は5月の総選挙のマニフェスト(政権公約)で、総選挙に勝利すれば抑圧的な法律を廃止すると訴えていた。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのフィル・ロバートソン氏は9日、「偽ニュース対策法は報道の自由を壊滅させる重大な脅威となっていた」と評価した。


トランプ大統領
メディアからフェイクニュースを流していると言われているが、逆に、君たちがフェイクだと言われている。
何がフェイクなのか意見が違う。

SNSと選挙と制度
選挙期間中は、収益化を停止する。(言論の自由とSNSを両立する)

プラットフォーム事業者に求められること
LINEヤフーは9日、ヤフーニュースのコメント投稿時に、他の利用者を不快に感じさせる恐れのある表現をAIが検知し、修正を提案する機能を追加した。誹謗(ひぼう)中傷や差別発言などのコメントポリシーに違反する内容も対象となる。
4割が訂正するか、投稿を辞めたという

技術による対抗
•偽情報対抗技術の開発とその大衆化や連携が求められる。
偽画像・動画を見破るにはAIを駆使するしかない(https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61483110W2A600C2TEB000/)
マイクロソフトは偽動画判定ソフトを開発し、報道機関に提供(https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61483110W2A600C2TEB000/)
オリジネーター・プロファイルで発信者情報を紐づける(https://originator-profile.org/ja-JP/)
Kプロで偽情報分析に係る技術の開発(https://www8.cao.go.jp/cstp/anzen_anshin/kprogram.html)
フェイク情報検知技術(NABLAS社)

メディア情報リテラシー教育の拡充

総務省と開発した教育啓発教材
分かりやすさを心掛けている。また、「読み上げれば講義ができる」講師向けガイドラインを作成している。
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/nisegojouhou/

重要なのはステークホルダー間の連携
•「自由・責任・信頼があるインターネット」を築くために、ステークホルダー間の連携が必須。
政府、自治体、メディア、関係事業者・・・
——–

マスメディアの現状
•世界各国で信頼度・利用率の低下が起こっている。

マスメディアの課題①
https://mainichi.jp/articles/20241125/k00/00m/010/199000c
•中立を意識していることもあり、報道が中途半端になった。
•短くて分かりやすい・センセーショナルなコンテンツは動画共有サービスとSNS。
深掘りはネットメディア。マスメディアは中途半端な位置となった。

マスメディアの課題②
https://mainichi.jp/articles/20241218/k00/00m/010/197000c
•真偽不明情報への迅速なファクトチェックができていなかった。

マスメディアへの期待
https://www.ntv.co.jp/topics/articles/19wcc2pdp00c96wale.html
1.有権者が冷静に政策から投票先を検討できるコンテンツの充実。
2.真偽不明情報・疑義言説への迅速なファクトチェック。
3.これらの、各サービスの特徴を踏まえた効果的な配信。


個人としてどうする
「自分も騙される」ことを知る

拡散したい時だけでも情報検証行動をとる
まずは以下をチェック
1.情報源はある?
2.その分野の専門家が発信源か?(商品とか売っていないか?)
3.他ではどういわれている?(反対している人はいないか?)
4.その画像は本物?(生成AIによって作成されていないか?)

応用編
1.知り合いだからという理由で信じていないか?
2.表やグラフも疑ってみたか?(サンプル数は? 実数か割合か)
3.その情報に動機はあるか?
4.ファクトチェック結果は?

拡散によって社会に迷惑をかけることも
拡散によって責任を問われることも
分からなかったら拡散しない。誰かを傷つけるなら拡散しない。異なる情報が出ていないかチェック

政治家のSNS活用
SNSの効果的活用
•SNS活用は欠かせない。情報発信に工夫を加えれば多くの人にメッセージが届く。
•重要なのは、恐れずまず活用してみること。

SNS活用におけるポイント
1.目的とターゲット層を明確にする
2.批判に終始するのではなく、政策と人物像を分かりやすく伝えることで信頼感を醸成する(中の人の見える化)
3.画像(場合によってはインフォグラフィクスなども)、映像を活用する
4.継続的な発信を行う(選挙の時だけはダメ)
5.X、Instagram、TikTok、YouTubeなど、それぞれのチャネルに合った発信を研究し、ユーザーに響きやすい発信を行う
6.信頼性の高いデータ、情報源を活用する

炎上リスクへの対応
•慎重な言葉選びを心掛け、感情で投稿をしない。一般市民への反論・否定は避ける。(事実の公表に徹する)
•ブロック・ミュートなどの機能の活用で身を守る。(市民の声を聞かないと思うが、誹謗中傷を続ける人は議論を続ける気はない)
•組織的(政党レベルか、自治体レベルか)にガイドラインの作成や、炎上時のサポートを行うことが重要。
https://www.ontario.ca/document/ontario-public-service-social-media-guidelines

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萎縮する前に:炎上の実態の理解①
•炎上1件にTwitterでネガティブな書き込みをしている人は、ネットユーザの約40万人に1人(0.00025%)に過ぎなかった。
•ひろゆき氏:2ちゃんねるの炎上の主犯は5人以下。
•川上量生氏:ニコニコ動画で数人のコメントを消すと、荒れていた画面がとても平和になる。
•上杉隆氏:ブログが炎上して700以上のコメがついたが、IPを見たら書いていたのはたった4人。

萎縮する前に:炎上の実態の理解②
200ものアカウントを使って一人で攻撃していた。

極端な意見が表出しやすい能動的な言論空間
•極端で強い意見が出やすい。
•中庸なサイレントマジョリティとのコミュニケーションを意識する。

黙っているサイレントマジョリティの人に情報を出す。

「市民社会とつながり、身近な声を政治に反映する」ためのツールとして、SNSは非常に有効過剰な萎縮をせず実態を知り、適切に、効果的な運用を行う。
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>オーストラリア 16歳未満の子供のSNS禁止の法案が通った。今後どうなる?

12月、朝日新聞のメディア指標に書いた。
使いすぎ
青少年にネガティブな影響がある。他者との比較で名がティブな影響を受ける。
など影響がある。

日本は強い規制の話は出ていない。フィルタリングに関してだけ。
禁止するのは、慎重になるべき。
世界中と会話できる。クリエイティブなものを発表できる。
ほとんどが18歳以上のSNS。保護者が監視すべき。

子供の方が良く知っていると親が言うが、親と子が一緒に勉強して欲しい。話し合って欲しい。
ペアレントコントロールしている家族の方が被害に巻き込まれにくい。
なにも学ばずに、ネットデビューしても、やらかすのではないか。

>なんの根拠もなくいい加減なことを言っている(資金の裏打ちなし、誰に向けて言っているのかも明らかでない)のは、政治家ではないか??

特にコメントはないが・・・聞く人にリテラシーをつけて下さいってことです。

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