2023.10.30 今後の地方自治のあり方や議員に求められる役割

2023.10.30 今後の地方自治のあり方や議員に求められる役割
法政大学 総長 廣瀬克哉 氏

コロナ後、ここに講師に来るのは初めて。

コロナで見えた問題点の対策を今しないと、来年では過去のことになるぞ

リスクコミュニケーションの課題がみえた

「合意的知識」の不成立と分断の浸透、定着
•政府、自治体、専門家の全てがバラバラのことを発信し、市民は自分が好むメッセージだけを受け取る
•論点の整理は浸透しないまま

圧倒的多数がマスクを着用。
しかし連休後、五類にコロナがなって、マスクの着用者が減少。
なにも変わっていないのにマスクをしないのだ?
なんで5類になったのにマスクをしているのだ?
相矛盾する二つの考え方でストレスが高い。
自己判断だと言われているが、周りの動きを観察している。

コロナ以前を知らない学生。
教室で授業をすると、教室では顔が見えないのだと知る(zoomの家ではマスクなし。対面だとマスクあり)

全国メディアの情報はあった。しかし地方では違っていた。
岩手県ではコロナなしという状況と、東京・大阪ではコロナ発生という状況。
信用たる地方の情報は無かった。
「自分がこの地域で初のコロナ感染者になりたくなかった」

•もともと存在する確証バイアス
自分が信じる仮説を支持する情報だけに接する傾向

そうならない場所がある。それは議会!
政策に対して、意見が分かれている。
固く信じていることを悪く言う場合がある。そんなことは言うなといえない。
違う意見があって当然。周知を集めるというのは、ある考えを持っている他人にとっては厄介。しかし、それをしないと自治体の団体意思を確認できない。

2021年を思い起こす。(コロナの始まった年)
次に危機的状況が来たら、すんなりワクチンが打てるか?

•オンライン議会の検討はフェードアウトで良いのか?
•コロナ禍は一定の収束を感じさせているが、新型感染症のパンデミックは必ず再び起こる
•記憶が明確なうちに「備え」は必要
オンライン委員会のための条例整備
オンライン本会議についての検討
•衆議院憲法審査会「議論のまとめ」(2022年3月)
2023年2月7日付け行政課長通知をどう受け止めるか
行政課長通知 令和5年2月7日付け

議会が参集できない時 = 専決処分が今までもできる。

マイナンバーは個人単位。世帯単位ではない。
オンライン申請の時に世帯を確認するのに時間がかかった。
紙の申請の方が早かった。

議会版BCPの2つの役割
•非常時における行政の業務執行を確保
•議会によるチェック機能が健在であることの維持
議会のために行政に負担をかけてはいけない、とはわかるが・・・
•行政の足を引っ張らない かつ 行政に丸投げしない という関係の作り方
例:どういう人が議場に出席するのか?
全部の部長が本会議だといる。書いてあるのは、必要な人物を出席される
緊急地は、すべての情報を議長を通して共有させるということをやったところもあった。

議会自体が多極化する
・空前の激戦と無投票
・女性が半数以上の議会といない議会
・新しいタイプの候補者のうち上位当選者と泡まつ候補がいる

名前も聞いたことのない議員が出てきて、それなりの票数を取っている場合。今までとは違うチャンネルを使って票を取っている。そのチャンネルを使って情報を広めることが出来る。

•議会と住民との「共同作業」が担い手の発掘に
議会による政策づくりへの住民参加(飯綱町モデル)は突破口になり得るかもしれない

議会便りが読めれていない場合:
どうすれば良い? 住民に尋ねる。
議員は面白いと感じても普通の人は知らない。
普通の人と議会便り作りを手伝ってもらえば良い。
うちの議会と言って欲しい。

市民参加で討論会をやるから、子育て世代の話を聞かせて下さいとメッセージを出す。

残念なタイプの議員の在り方
切れ味のいい事を言う議員だが、何事も成し遂げていないない。
自分たち議会の戦力として取り入れてやろうと育ててゆく意識。
次の四年までは、この議会でやってゆくしかない。
足を引っ張り合っても仕方がない

議会間のギャップは拡大している
議会基本条例、作っている議会と無い議会
あったとしても4年に一回議員が変わる。
議会基本条例があってもその理念が引き継がれているか??

同じメンバー(住民)特定のファンだけでない人が集まる議会報告会。

議会基本条例に書かれている義務だからといってやるだけではダメ

討論の広場
•決定権を持つのは議員だけだが、議員が判断する際の材料を幅広く獲得できる場であること
住民が議案に対して質問することも出来る議会がある。
議決するのは議員だが、専門家の住民もいるだから、議決するための判断材料を当事者の住民が質問して得た答えを、総合的に判断する材料が増える。

賛否が分かれている議案に通じて、議員間討議を行う。
当事者の住民や、専門家からの意見を参考人として求めることが出来る。

当事者の意見無視の議会
(例:10月13日の埼玉県議会で成立する予定だった、いわゆる“子ども放置禁止”条例案。すでに委員会でも可決されていた条例案を自民党県議団が撤回するという前例のない方向転換)

議会は、政策づくりの当事者であること(議会は審査員ではない)

政策を創ったことのない者が、審査するより審査力が上がる
どんな時に政策立案に思いきれないかがわかる

「政治主導のはき違え」は住民を不幸にする

•市長の下には多数の職員
多様な事務分掌を踏まえた「現実とのすり合わせ役」が補佐している
何かするときには下準備がしっかりしているはず。

•議員は当事者、多様な専門家との対話を武器にすべき
当事者、専門家から率直に意見をもらえるようにしておく

オープンにして叩かれて、より良いものを作り上げる
批判されないことを目指すのは間違い。

議会から出ていかないと住民は見ない
「開かれた議会」は正しい方向だが、ただ扉を開いても誰も入って来ないかもしれない
•議員からは住民から何が見えていないか、何が理解しずらいかが見えにくい
•住民との共同作業で議会を知ってもらう努力を

ほとんどの住民は消費者感覚が主流
消費者じゃないオーナーです
うちの経営陣よ、シッカリしろというのが住民
そして住民代表が議会
議会に丸投げしていると、住民は単なる消費者

全員が消費者だと、サービスを維持できるのか?
場合によっては負担を引き受ける覚悟
地域の介護保険を充実させるという覚悟があれば、国もそれに合わせて負担を上げる(その入口としての公的介護保険料)

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