2023.10.31 地方行財政の課題 元総務事務次官 黒田武一郎【議員研修】

2023.10.31 地方行財政の課題 元総務事務次官 黒田 武一郎

現在、金融機関に勤務
言えないこともあるので、資料は会社にチェックされる
元総務事務次官 黒田武一郎さん
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E7%94%B0%E6%AD%A6%E4%B8%80%E9%83%8E

次から次へと問題が出て来るので、大きな話(基本的な流れ)をする
1.令和6年度予算等
2.地方行財政の安定的な運営のために・
3.人口減少と少子高齢化
4.インフラ老朽化対策、国土強靭化の推進
5.デジタル社会へ向けて(少子高齢化とインフラの問題を横ぐしで解決する)
6.GXの推進(SDGs 脱炭素化)
Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略称

7.国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の役割分担等
8.地方議会への期待
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令和6年度予算の概算要求にあたっての基本的な方針について
令和5年7月25日閣議了解事項について)の骨子「(財務省資料)

義務的な経費と裁量的な経費
義務的な経費を90%まで認める。10%は努力で削れ

こども朱来戦略方針Jで示された「こども・子育て支援加速化プラン」の内容の具体化の取扱いについては、予算編成過程において検討。
→年末までに決めてください(7月の段階)

令和6年度の地方財政の課題(総務省資料)
1.活力ある多様な地域社会の実現等の重要課題への対応
「経済財政運営と改革の基本方針2023」等を踏まえ、地方団体が、DX・GXの推進、こども・子育て政策の強化、地方への人の流れの強化等による個性をいかした地域づくりの推進、防災・減災、国土強靱化を始めとする安全・安心なくらしの実現、人への投資など、活力ある多様な地域社会の実現等に取り組むことができるよう、安定的な税財政基盤を確保。

自由に使えるオカネ(地方交付税)
2.地方の一般財源総額の確保
去年を下回らない
臨時財政対策債の発行を抑制。したい

3.地域DXの推進と財政マネジメントの強化


令和6年度地方財政収支の仮試算
人事院勧告で増額 0.3兆円
会計任用職員の勤勉手当
借りの試算では、交付税は0.2兆円の増額

問題点
人件費関係の増額を確保する
子ども関係の財源を確保する
リンザイサイをできるだけ発行しない

総合経済対策の策定について(内閣総理大臣指示)令和5年9月26日

経済対策の柱は、第一に、足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策です。燃料油価格、電気・ガス料金の激変緩和措置を講ずるとともに、厳しい状況にある生活者・事業者の方々を引き続きしっかりと支えるための措置として、物価高対策のための重点支援地方交付金の追加
4第二に、地方・中堅中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長の実現です。賃上げ税制の減税制度の強化を検討するとともに、構造的賃上げ実現に向けた三位一体の労働市場改革を推進します。省人化投資等の促進など地方や中小・中堅企業の賃上げの環境整備や人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げの継続を支援し、若い世代の所得向上のため、「年収の壁」を乗り越えるための支援を行います。さらに、コロナ・物価予備費の使途を変更し、こうした賃上げ促進に機動的に対応できるものへと見直します。また、インバウンドの拡大を含む観光立国の取組、農林水産品の輸出拡大の取組等を通じて、経済の回復基調の地方への波及を図ります

地方自治体で予算を組むときに厳しいとなる(資料8頁)
国庫支出金は普通10%前後だが、コロナで25%にもなっている

税金113.3兆円)の倍の仕事(国民のサービスへの還元) 219.9兆円

都道府県の税源偏在の状況(和3年度人口一人当たり都道府県税)
奈良県 124千円

自治体によって格差が大きい。格差の少ない税金を増やしたい→消費税
地方交付税(普通交付税94% 特別交付税6%)

基準財政需要額から算出
基準財政収入額 ふたつを計算し差額が交付税

地方交付税による財源保障・財源調整の状況(総務省資料)
交付税で全国平均的なサービスが出来ているという図(赤い線)
特徴的
沖縄県:公債費(借金)が少ない
兵庫県:公債費が大きい(阪神淡路を引きずっている)

P12(国及び地方の長期債務残高)
税金以上にサービスをしている(国債の発行が増える)
金利に影響を受ける

特例的な借入金に頼らない財政運営
「歳出を減らすか、歳入を増やす」しかない
=サービスを減らす、か、税金を上げる

P13(2040年までの人口等に関する短期・中期・長期の見通し)
2040年とは、団塊の世代ジュニアが高齢者になる
2043年高齢者の総数がピークとなる
1.5人で1人の高齢者を支える

2025年(団塊の世代がみんな高齢者になる)
これまでに介護保険を立て直す。
できるだけ在宅で。それを助ける

日本の将来推計人口における高齢化率について(P14)
税の問題と同じで、地域でモノすごく格差がある

もう高齢化仕切ったというが、働き手がどんどん減ってゆき。
地方から都会に働き手が吸い取られることが起こる

子どもを増やすしかない(最後のチャンス)
15頁「こども未来戦略方針」(抜粋)
-2.「加速化プラン」を支える安定的な財源の確保
歳出改革等は、これまでと同様、全世代型社会保障を構築するとの観点から、歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用などを行う注。なお、消費税などこども・子育て関連予算充実のための財源確保を目的とした増税は行わない。

例えば/介護保険の課題ー財政の持続性とマンパワーの確保ー
やらないといけないこと満載

〇インフラの老朽化の問題
P17 新たな気象状況「局地化」・「集中化」・「激甚化」(総務省資料)
発生が懸念される主な大規模地震(P18)

公共施設等総合管理計画及び個別施設計画の策定促進(P19)

どう解決する 効率的に行うためにデジタル
デジタル改革関連法の全体像(P20)
これだけデカい法律が一気に成立するのは珍しい。
コロナの時にデジタルが遅れていることが明確となった。

マイナンバーカード
このカードを持つことが目的でなく手段だ。目的は、
今後、我が国は、一生涯どこで暮らしていても、教育から生活、医療に至るまで、デジタルの力で便利で安全な先端サービスが提供されるデジタル社会への移行の加速化を図る。

行政効率は上がっているが、住民のメリットも上げる方向を考える必要あり


2050年カーボンニュートラル宣言・2030年度目標の表明(p25)
地方公共団体は、公営企業を含む全ての事務及び事業について、地域脱炭素の基盤となる重点対策(地域共生・ひ益型の再生可能エネルギー導入、公共施設等のZEB化、公用車における電動車の導入等)を率先して実施するとともに、企業・住民が主体となった取組を加速する

地域の脱炭素化の推進(p29)

人口動向、インフラ問題、DX・GX
33次地方制度調査会について(p30)
【諮問事項】社会全体におけるデジタル・トランスフォーメーションの進展及び新型コロナウイルス感染症対応で直面した課題等を踏まえ、ポストコロナの経済社会に的確に対応する観点から、国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の関係その他の必要な地方制度のあり方について、調査審議を求める。

第33次地方制度調査会の審議項目(p31)
ここで地方議員の不足も問題にされた

多様な人材が参画し住民に開かれた地方議会の実現に向けた対応方策に関する答申の概要

1.議会についての現状認識と課題
感染症のまん延等の緊急時における合意形成や、人口減少に伴う資源制約の下での合意形成を行う上で、地域の多様な民意を集約する議会の役割は大きい。このため、多様な人材が参画し、住民に開かれた議会を実現していくことが重要。
しかしながら、議員の構成は、性別や年齢構成の面で多様性を欠いており、一部の議員の不適切な行為と相まって、住民の議会に対する関心を低下させ、住民から見た議会の魅力を失わせている。このことは、議員のなり手不足の原因の一つにもなっている

↑↑↑この資料は後でじっくり見る

地方自治法の一部を改正する法律の概要(地方議会関係)
①地方議会の役割及び議員の職務等の明確化
○地方自治法は、地方議会の位置付けについて、「普通地方公共団体に議会を置く」とのみ規定。

●多様な層の住民の地方議会への参画を促進する観点から、地方議会の役割や議員の職務等を法律上明確化する。

【具体的な規定内容】・議会の設置根拠の規定に、議事機関として住民が選挙した議員をもって組織されるという位置付けを追記
・地方公共団体の所定の重要な意思決定に関する事件を議決する等の議会の役割・責任を明確に規定
・議員は、議会の権限の適切な行使に資するため、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない旨を規定

「多様な人材が参画し住民に開かれた地方議会の実現に向けた対応方策に関する答申」(令和4年12月28日第33次地方制度調査会)(抄)…(略)…議会の役割・責任、議員の職務等について、その重要性が改めて認識されるよう、全ての議会や議員に共通する一般的な事項を地方自治法に規定することも考えられる。…(略)…


黒田さんが個人的な考えと言われていたが。。。
地域の将来のためにー地方議会への期待ー
○役場組織と適度な緊張感を持ちつつ連携し、地域の将来を考え続ける専門家集団
○4年間というまとまった在任期間中、継続して地域課題と向かい合い、提言する立場
○それぞれの多様な経験を活かした、行政とは異なる視点からのアプローチ
○人生100年時代における「自助・互助・共助・公助」についての最適化

目の前の課題への機動的対応と、中長期的視野からの戦略的対応
→ この視点を持って役場職員に話すと、通じやすいと思う。
目の前のことにキュウキュウしている人物に、長期的なことを言っても通じないので、今はこのステージの話をしていると言うと見通しが立ちやすい

常に課題となる、「積極戦略(攻め)」と「適応戦略(守り)」のバランス

そのために必要とされる「好奇心」と「システム思考」、そして、良い意味での「しつこさ」
→ いつも問題をどうなっているのかと見る好奇心。
いろんな物事がつながり合っているので、どうつながっているのかと考えるシステム思考
「つこさ」こだわって言い続けることの必要性

熊本県庁で勤務した時に、総務委員長だった議員さんに影響を受けた。
官僚は、いろんなポストにつける。ポストで仕事をする。ポストで輝く必要がある(仕事で輝く)
議員はずっとここにいる。=「つこさ」こだわって言い続けることの必要性
その場で輝く。
毀誉褒貶もある議員さんだった。

地方のことを決めるのは、そこの職員とそこの議員だ。

プロとしてのプライドをもって、大いに御活躍を!

ステップ
著者 黒田 武一郎 (著)
転職、子供の引きこもり、老いた肉親の介護、そして家族の姿とは…。「三千段の石段」を舞台に、2000〜04年まで熊本県副知事を務めた著者が綴る、現代社会が抱えるテーマを織り.

人口戦略会議で人口減少、少子化について考えている。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/kokufuku/index.html

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