勉強:「議会による予算案の修正と長の再議に ついて」

この週末に奈良情報図書館まで行って勉強しなくてはと思ってのですが、時間がありませんでしたので、ここからの情報で。

考えたい事は「予算案を修正したいが・・・」ということです。

自治体の職員さんの能力アップを狙いとしている団体のサイトから抜粋。
「議会から予算を修正せよ~」と言われたら、理事者側はどういう対応があるか、という事が書かれたものです。
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問い:
普通地方公共団体の長が提出した予算案を、議会はどこまで修正することができますか。
また、議会の修正議決に異議あるとき、長はどのような措置をとることができますか。

回答:
議会は、長が提出した予算案を増額して修正することも、減額して修正することのいずれも可能ですが、長に専属する予算発案権を侵害するような修正はできません。
長は議会の修正議決に異議がある場合には、これを再議に付すことが可能であり、特に修正された予算が執行不能であったり、義務費の減額等の場合には再議に付さなければなりません。

–解説–
1.予算発案権
予算を定めることは議会の議決事件ですが(地方自治法(以下「法」という。)第96条第1項第2号)、予算を調整し、執行することは長の担任事務とされ
ており(法第149条第2号)、長は、毎会計年度予算を調整し、年度開始前に、議会の議決を経なければなりません(法第211条第1項)。

一方、議会の議員には予算案を議会に提出する権限(予算発案権)はなく(法第112条第1項但し書き)、したがって予算発案権は長に専属します。
予算は地方公共団体の行政活動全体の内容をその財源と経費の見積もりという形で総合的、体系的に表示するものであり、執行機関が行う行政執行の前提となるものであること、また、長等の執行機関が予算を作成するいわゆる「予算編成」は、執行機関の内部における政策の選択と決定の過程であることから、予算が膨大なものとなり、技術的にも複雑化した今日では、執行機関の長に予算発案権を専属させることが適当と考えられます。
一方、議会は予算案を審議し議決する権限を有していることから、議会は執行機関の行政執行を拘束し、監視するための有効で広範な権限を有していると言えます。

2.予算案の修正
議会は、予算案を審議し、可決又は否決しますが、必要に応じて修正して議決する権限も有しています。
ここで問題となるのは長の予算発案権との関係で、議会は予算案をどこまで修正できるかということです。
なお、ここでいう予算には、歳入歳出予算のほか、継続費、繰越明許費、債務負担行為、地方債、一時借入金及び歳出予算の各項の経費の金額の流用に関する定めを含み、体系的には一般会計予算、特別会計予算又は当初予算、補正予算、暫定予算等すべてを含みます。

(1)増額修正
法第97条第2項において、議会は、予算案について、長の予算発案権を侵さない範囲で増額して議決することができる旨規定されています(増額とは、予算案全体を増額する場合及び全体としては増額しないまでも各款項を増額する場合を含みます。)。
「長の予算発案権を侵す」とは、長が提出した予算案の趣旨を損なうような増額修正を行うことを意味し、これに該当するか否かについては、当該増額修正をしようとする内容、規模、当該予算案全体との関連、当該地方公共団体の行財政運営における影響度等を総合的に勘案して、個々の具体の事案に即して判断することとされています(自治省行政局長通知S52.10.3)。
一般的には、議会に提出された予算案に新たな款又は項を加えたり、継続費、繰越明許費、債務負担行為等にあらたな事業、事項を加えることは、原則として予算発案権の侵害にあたります。また、補正予算案の増額修正については、既定予算のうち、補正の対象とされていない部分については修正することができず、発案された補正予算案に関する部分のみ修正が可能と解されます。
 ただし、上記のように一般的には予算発案権の侵害になると解されている増額修正についても長と議会の間で調整がつくならば可能であり、よって、同じ内容の増額修正でも、地方公共団体により、予算案の趣旨を損なう増額修正であるかどうかの結論が異なりますので、各地方公共団体の具体的な状況の中で具体的な事件に即して修正内容が予算発案権を侵害するか否か判断することになります。

自治体によって違うということなので、こういうことがあれば、長が・議会がどんな姿勢なのか「対立するだけ」なのか「良い方向を模索する協力体制なのか」等 わかれるポイントとなりますね~
なお、「3.再議について」で述べるとおり、増額修正の議決に対して、長に異議がある場合等、再議との関係も生じますので留意が必要です。

(2)減額修正
一方、予算案の減額修正には増額修正におけるような制限はありませんので、議会は自由に修正することができます(行実S30.4.11)。
ただし、減額修正の対象となるのは長により提出された予算案であって、例えば、補正予算案の減額修正については、増額修正の場合と同様、原則として補正の対象とされていない部分については修正することができず、発案された補正予算案に関する部分のみ修正が可能と解されます。
また、いわゆる義務費(法令により負担する経費(当該普通地方公共団体の事務でないものであって、その経費負担のみを特に義務付けられている経費)、法律の規定に基づき当該行政庁の職権により命ずる経費(道路分担金等、権限ある行政庁がその職権に基づいて普通地方公共団体に負担すべきことを命じた経費)、その他の普通地方公共団体の義務に属する経費(一部事務組合の分賦金、契約代金、損害賠償債務に基づく弁償金、起債償還金等の私法上の原因による債務、給与条例に基づいて職員の身分を有するものに支給すべき給料、その他条例の定めるところにより、当然支給を予定されているもの等、議決の時点ですでに支出すべき義務が確定している経費))については、その経費負担が義務付けられているものであり、減額することは妥当な措置とは言えません(行実S27.2.19)。
なお、減額修正についても増額修正と同様、再議との関係に留意する必要があります(「3.再議について」参照)。

3.再議について
(1)再議制度の趣旨
 長と議会の議員は、ともに住民の直接選挙によって選出され、両者が対等の関係に立って、自主性・独立性を保ちつつ、相互の抑制と調和による地方自治の適正な運用が期待されています。
この言葉通りですが、どうもそんなふうに思っていないようなことがありますね
しかし、長と議会の間で意見が対立し、あるいは権限を越えた行為がなされる等により、地方自治の円滑な運営に支障をきたす場合は、両者間の調整を図ることが必要となり、その仕組みの一つとして再議制度が設けられています。
再議制度とは、長が、議会の議決又は選挙等に異議がある場合や、不当又は違法と認めた場合に、これを拒否して、再度の審議及び議決を求めることができる制度であり、長の拒否権とも呼ばれています。

(2)再議の種類
再議は、一般に一般的拒否権と特別的拒否権に区別されます(別表参照)。
前者は、長と議会との間の政策的判断の差異に関して長がなし得るものであり、予算の議決においては、その議決の内容に対して異議があるときに長は再議に付すことができます(法第176条第1項)。
しかし、再度の議決においても、当初と同一内容の議決を出席議員の3分の2以上の同意により行った場合は、長はその議決に拘束されることになります。
後者は、議決や選挙に瑕疵がある等の一定要件に該当する場合に、長に再議に付す義務があるものを指します。
これには、議会の議決がその権限を越え又は法令若しくは会議規則に違反すると長が認める場合(法第176条第4条)、収入又は支出に関し執行することができないものがあると長が認める場合(法第177条第1項)、義務費を削除又は減額する議決をした場合(法177条第2項第1号)、非常災害時等に要する経費を削除又は減額する議決をした場合(法第177条第2項第2号)があります。

(3)義務費の減額修正
減額修正された予算案の全額が義務費からなっている場合は、原則として再議に付さなければならず、また、予算案の全額が義務費でなく、主たる部分が義務費で占められている場合も、再議に付す義務があるといえます(行実S30.3.19)。
しかし、義務費が減額された場合であっても、具体的に義務付けられている負担額が明らかな場合はともかく、費用を負担することは義務付けられているが、その額が確定していない場合又は特定の事務を行うことが義務付けられているにすぎない場合は、その最低限必要な負担額以下に減額され又は特定事務の処理が現実に支障をきたす額にまで減額されて初めて再議に付す必要が生じることとなります。
なお、義務費について再議に付した後、議会が再度否決した場合には、長はその経費及びこれに伴う収入を予算案に計上してその経費を支出する、いわゆる原案執行が可能となります(法第177条第3項)。

(4)予算案の否決について
法第176条第1項でいう議決は、対外的に効力が発生するものをさしていると考えられていますので、予算案が否決された場合、その予算案は対外的な効力を有しない(執行上何ら効力を有しない)
ことから、法第176条第1項による再議はできません。
当初予算案が否決された場合、義務費を一切含まないことはないので、法第177条第2項による再議に付すことが考えられますが、改めて修正案を作成し提出し直す方法や、時間的な余裕がない場合は暫定予算案を編成し提出することも考えられます。

当初予算案の否決という事態は、長と議会の対立を背景とする場合がほとんどであると考えられますが、円滑な行政運営の執行、市民生活への影響を考慮すれば、長と議会は十分調整し、解決を図ることが望ましいと言えるでしょう。
対立しているといえばそうかもしれませんが、なぜこうなるのか、なぜこうしたいのか、他に意見・選択肢がないのかなど、もう少し説明をして欲しい。
「説明不足を解消して欲しい。今までこの流れでやっていたとしたら変えたい。変えて欲しい。それは住民さんや三宅町にとって良いことに決まっている」というのが一番の思いです。

(大阪府総務部市町村課行政グループ)

————-以上 引用—————-
※ 太字部分は、引用部に森内が付したものです。
赤字は、考えるためにメモした森内個人の考えです。
議会の側からもノーと言うだけではダメなので。勉強しなくては・・・

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