2024.01.23 日本の財政について-不都合な真実を正視する-


日本の財政について-不都合な真実を正視する-
神奈川大学特別招聘教授/前財務事務次官 矢野康治

●神奈川大学特別招聘教授/前財務事務次官 矢野 康治(やの こうじ)氏
1985年に一橋大学経済学部を卒業。同年、旧大蔵省(現財務省)入省、大臣官房文書課配属。
小樽税務署長を経て、国税庁長官官房課長補佐。ハーバード大学研究員を経て、1994年から証券局課長補佐を務める。人事担当官房企画官、主計局主計企画官、主計局厚生労働係、主税企画官、主計局調査課長を経て、2007年より内閣官房長官秘書官となる。その後、主税局担当審議官を歴任する。
2017年7月、財務省大臣官房長に就任し、主税局長、主計局長を経て、2021年7月事務次官となる。著書に『決断!待ったなしの日本財政危機』(東信堂)など。


お詫び行脚です・

一言で言うと日本の財政はヤバイ

私は財務省の役員だったので、上司(政治家)のことを悪く言うことはできない。ただ誰よりも財政について詳しいという思いもありますので、一人だけ反対の意見を言います。
はまだこういち先生は違っています。その考えを広めたことは国民を欺いたことになるので罪深いと思っています。

日本が財政的にヤバくなった理由は、少子高齢化が進んで、社会保障費が増大することはわかっていたが、(誰が悪いとは言われていないが、政治家ひいてはその政治家を選んだ国民が)やることをやっていないから。
努力も一応したが努力がぜんぜん足らなかった
人口動態問題が作り出した問題。
なのでそれを無視しての解決策は失敗する(筋違い?)

資料6
日本は小さな政府(社会保障以外)だ。
税金をこんなに取っておいて、と言われると思うがデータが物語る(では、取られたお金=税金はどこへ消えている、という疑問あり)
社会福祉については、中福祉・低負担に見える
⇒ これを回避するにには、負担を抑えるか、給付を少なくするかしかない。

文教予算については、ORCDの半分
積み残しの宿題の上に、もっと宿題がかさばっている。

今後、高齢化がもっと進むので、高齢化しても耐えられる社会にする。高齢化のスピードをゆるくする必要あり。

資料8
日本は上に突き抜けている。
給付過多と負担過剰

楽観論者の言説の間違っているところ

1.高齢化が進むから負担というが、政府には無駄がいっぱいある。
→ 確かに無駄はある。無駄をなくすことも大事だが、しかし桁が全く違う
ディメンジョン(性質,特性,局面)が全く違う

2. GDPを大きくすれば(景気が回復すれば)大丈夫
正しいが、今も成長率(あり得ない成長率を仮定して)を加えてグラフを作っているぞ。
本来の現実に確からしい成長率で未来予想をしてみたら。
あり得ない成長率を使って未来を予測するとか、最悪のシナリオを想定せずに、未来を語ることは、詐欺的に酷い行為ではないか。

資料9
諸外国では、高齢化すればするほど、付加価値税の税率が上がっているが、日本だけ、高齢化しているのに付加価値税が低い。

これで回しているのなら優秀だが・・・・
この乖離部分を借金で埋めている。
このグラフ自体は、良いのか悪いのかを語っていない。日本が異常値であるという事実だけを示している。
良い方に異常なのか、悪い方に異常なのか、考えて下さい。

(講師の先生は付加価値税という言葉を使っている。日本では消費税のことを言うが、なぜわかりやすい消費税という言葉をここで使わなかったのだろう?)

資料10
消費税の特徴
リタイアして所得税も納めていな高齢者から、どうやって税を取るのか。
消費税のメリットを学生たちに伝えると、必ずこんなメリットを知らなかったという反応がある。日本のメディアは消費税のメリットはまったく報じず、デメリットばかりを報じる。

逆進性(アグレッシブの反対。ディグレッシブ)
消費税の話は、大平正芳さんから始まってるが、発案した瞬間に内閣が倒れると言う血まみれの歴史。
きちんと説明していないのではないか

資料12
中央政府としての自虐ネタ。
赤い高めの成長率(白昼夢)← やめても良い。表示するだけダマしている
青は低めの成長率(少し高い)
グラフにない(現実的な成長率の線)

赤いラインが確からしいとすると、ほっておけばよい。成長が一年遅れようが二年遅れようが問題ない。赤いライン自体が白昼夢
青は、ちょっと高いが、それでも難しい。まだその下があるだろう。それが正しいじゃないか
しゃじんけん(社人研)の推計はぴったり当たっている。下位推計がぴったり。なぜそれを用いた資料を作らない。

資料13
コロナ4年目
日本ほどGDPで財政出動した国はない。
アメリカは増税で出費した。
ドイツとフランスは増税していないが、20年かけて返済する計画を作っている
日本は垂れ流しただけ。
コロナが明けて、コロナ復興税が必要のはず
2021年の点で、コロナの増税議論を公然と議論している。借金返済の議論。
日本はしていない。2021年の5,6月にやって欲しいと言ったが・・・

命とカネどっちが大事だ?と言われるが、命に決まっているが、カネの話は??
先延ばしまたは無視することは、次世代の命を削ることになるぞ。

リーマンショックの時も同じことを言っていた。
G20 財政のことで、膨らんだ赤字を19か国はなんとかしようとやったが、日本は免除規定が入っていた(なんだ?)
リジッド(厳しい,厳格な,厳重な,厳密な)な財政運用は他の国もしている。

14資料
国には資産があるから大丈夫という話。
ローンをかかえるだけの人はいない、資産も手に入る。
700兆円も国に資産がある。しかし負担はその倍ある。このバランスに耐えられる業種はない。
国債以外の負債があることを言っていない。

金融資産を円に換えることが出来たとしても、国債負債の返済に回せない。その他の返済で終わる
売ってはいけない資産もある。売っても良い資産を売っても、国債以外の負債に消える

16
他国通貨だけの国債じゃないから大丈夫という意見
ケルビンさんという経済学者
国債をすりまくったら物価があがるリスクがある。
その時は、物価を冷やすために政府が増税する。(みんなが苦しんでいるのに増税できるわけがない)
国債を刷りまくると言うことは、お金がなくて困っているということ。それなのに増税って出来るか?
(刷った国債・オカネをどこに配分するのかという問題ではないのだっろうか?)

資料19
税の担い手がじわじわ減っている(高齢化、人口減少)
失政(人災要因がある)
景気が右肩下がりになったときに、必要のない減税をする(もともと儲けが少なくなったら税が少なくなる制度になっている)
右肩上がりになった時に、バラマキをする。

資料20
無駄の排除は必要。
成長率があがればうれしいが、それだけではダメ
資産があるから大丈夫というわけではない。負債が増大

どうする
高齢者が75歳まで働くのを例えば100歳など引き上げる
退職後は負担が増えるので、退職年齢を引き上げる。

日本人は知性も理性も高いが振り込め詐欺の被害が異常に多い。善良さの証拠だ。
ならば、歳をとっても働くことが美徳だとする。これしかない。

高齢者の失業率も2.0%。
海外の状況よりも、高齢になっても働いて欲しい。

国と地方が押し付け合いをしている場合ではない。
まずは、役人お叱りをうける説明をして、それから善政を行っていただきたい。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください