議員の学校 第51回 よくわかる自治体財政の基本とその課題~2024年度国の予算・地方財政計画の動向と自治体予算審議のポイント~
2/5(月)6(火) 於:都立多摩図書館セミナールーム
自治体の政策や予算には、一意的な「正答」は存在しません。だからこそ、自治体は多くの人々の思いを「大切な価値」とともに体現した予算をつくらねばなりません。議員としての最大の武器、生きた知識と論理の組み方を身につけましょう!
◇集中講義2
「予算審議のツボ②―2024年度の地方財政計画と自治体予算」
森裕之氏(立命館大学教授)
日本の財政は国が根幹部分を掌握しているため、自治体は国の予算の一部として決定される地方財政計画に基づく財源の配分を受け、それに独自財源である地方税等を合わせて予算を決定しています。そのため、予算審議をきちんと行うためには、地方財政計画で示される重点政策等の予算措置を正確に理解しておく必要があります。その際に必要となるのが、集中講義1での自治体財政の基本です。
集中講義2では、集中講義1でマスターする自治体財政の基本をさらに具体的な予算審議で活用できるための知識を学ぶとともに、それを2024年度の地方財政計画との関係で具体的にみていきます。これによって、自治体財政の基本が現実の予算を通じて生きた知識となり、それを予算審議で応用していける力を身につけてもらいます。
資料 P56 国の予算と地方財政
地方財政計画が国で決まって、それが自治体へ降りる(実態は並行で行っている)
令和6年度予算
国民一人四万円の減税
21兆円(R5年)→ 令和6年 減税に見える。
収入:
消費税、法人税が増える(物価が上がっている)
公債費(借金の収入):国はローンは出来る(特例国債=赤字国債)
支出;
防衛費が増える(毎年1兆円増加)
社会保障費は(増えるが)自然増で抑える。
地方交付税交付金等(等には、特例交付が入っている)
国債費(右上)利払い費が増えている。
補助金として地方自治体へ来る。
学校を建てる(補助金が国から来る)その補助金が圧迫される。
予算とセットで出されるのが地方財政計画。
資料P59
自治体財政を支える仕組み
日本は住民がどの自治体に住んでいても、標準的な行政サービスを受けることができる(生存権・生活権の保障)
自治体には、標準的な行政サービスを行うことができるだけの自主財源(地方税)が備わっているかどうかわからない(財源保障の必要)
自治体の間には、唯一の自主財源である地方税の収入額に大きな格差がある(財政調整の必要)
⇒ これらの役割を果たすものが「地方財政計画」
地方交付税の財源は国税。
お金持ちの自治体の方が国税をたくさん納めている。
そのことで地方格差を平らにしている。
国の収入
所得税の33.1%、消費税の16.5%、法人性の33.1%、酒税の50.0%
が地方交付税の財源となる(%は法律で決まっている)
資料
自治体規模別の歳入決算の状況(人口1人当たり額および構成比、2021年度決算)
一般財源を見る。
自治体の規模に関わらず、人口一人当たりの費用を同じにしている。
大都市の方が地方税(自主財源)の割合が多い。地方の方が地方交付税(仕送り)の割合が多い。
アメリカには地方交付税がない。州によって行政サービスが違う。
ゴミの収集は個人契約という州もある。
全体の95%が地方交付税をもらっている。
国の意図(重要視している部分)=一般行政経費を見る
子育て、会計年度任用職員の勤勉手当
資料P66:地方財政計画の歳出の推移
投資的経費(建物にかかる費用)
自治体の標準的支出に必要な額(ペットボトルの水の量)
※人口で7割の額が決まる。が、その他、予算との関係でみると
(実際の基準財政需要額の項目)
⇒
会計年度任用職員の勤勉手当
人件費と物件費(その6割は委託料:サービスを買っている)
:一般会計にみる実質的な人件費の大きさ(これを見る)
直営と委託の関係
かつて、会計年度任用職員の費用はここから(以前は物件費に入っていた今は人件費に入っている)
会計年度任用職員
期末手当は出せという国の制度(期末手当の分、毎月を安くするという自治体もいる)
今後からは、勤勉手当を出せという国の意向(人事評価をするのか?)
それがチャンとされるのか確認した方が良い。
給与が安いので今の物価高で苦しいだろうという背景がある。
指定管理を受け入れるところがない(光熱費の増加分)
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子育てへの予算
資料P72(こども・子育て政策に係る地方単独事業(ソフト)の推進等)
国はアイデアがないので、自治体の良い取り組みを入れていて(補助金ですすめる)
例:国のデジ田(デン)甲子園(年二回)
頑張ってと国が言うが、結局は補助金は増えないのではないかという予想(今ある、社会福祉費、保険衛生費、その他の教育費から子どもの部分を噴き出して、「こども子育て費」という普通交付税の新たな算定項目となるだけと思われる
資料P73:こども・子育て支援事業債(仮称)の創設(ハード部分)
子育て施設のハードについては借金を認める
借金の半分は、地方交付税で措置してあげる
充当率90%(一割=10%は、一般財源から出せ)
・公用施設(庁舎も含まれる。通常は庁舎の建て替えには補助金がないから、基金を貯めて頭金を大きくする。のこり借金)
子育て関連施設の環境改善
(社会福祉法人も使える)
保育園のトイレを全部様式化するという時に使えるのか不明。
確かめるのは行政の担当諸悪員の仕事
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物価高への対応
資料P74
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地域脱炭素の一層の推進
資料P75、P76
過疎債についても、有利に利用できるようにしている。
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消防・防災力の一層の強化
資料P77
やったら特別交付税を上げる
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地域の経済循環の促進、地方への人の流れの創出・拡大
資料P78
特別交付税をやる
特別交付税(6%と決まっている)
年度当初で分かる財政規模。当初わからなかった財政措置に対して国が行うのが特別交付税。
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地方公務員の人材育成・確保の推進
能力が落ちている。
あり得ないミスが起こる
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公営企業の経営安定化支援
資料P80
公共交通など。借金の安い所への乗り換え
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予算の流れは強化される
政府の重点施策と自治体予算との切り結びを考える
子ども・子育て政策
脱炭素化・再生可能エネルギーの地産地消
地域内経済循環
防災・減災
地方公務員の人材育成・人材確保
デジタル化
公共施設等の老朽化対策
自分の自治体の負担を少なくしながら、グレードアップさせる。
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予算委員会は、何をしゃべってもいい。
すべて予算に関わると考えることが出来る。
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質疑
基準財政需要額の項目で、補正係数は行政で変えられる(法律を変える必要がない)
合併してもしばらくの間(10年間)は、段階補正があるような段階(上乗せ)するから、合併勧めるようにしていた。
物件費の中に「賃金」という項目があった。今はなくなった(人件費に移った)
GXの意図はわからない(遅れているからではないか)
コストがかかりすぎる小さい自治体は統廃合した方がよいのでは?
>私は、自治が大事。自分たちが頑張らないtいけない。当たり前
合併して良かったと言う自治体があるのか疑問。聞いたことがない。
良かった例えば、浜松市(大規模合併)周辺の施設をつぶしていった。
旧の浜松市は良かったというが総意としてどういうのか?
我々の家計で考えてみて。
バラバラに暮らして自己決定をするのか。
一緒に暮らして、家計を小さくするのか?
基準財政需要額について、もらう側からすると、事前に計算するともらう額がわかるのか?
地方交付税措置を言われたら、丸めてもらうので、貰える分がもらえているかわかるのか?
>基準財政需要額の項目の中に、公債費の中に入っていて、そこを見ればわかる
地方交付税は事前に大体わかる
総務省内観の地方交付税を見て、合わせてゆく。実際の答え合わせは、予算が決まってから答え合わせする。しかし大きくズレることはない。
社会保障制度が不変主義なのか?(選別主義の逆)
頭割りの普遍処置
>普遍主義(子どもならみんなに配る)、選別主義(オカネをある人には配らない)
私は、普遍主義の方がいいと考える。みんな一律。お前、貧乏だからと子どもに思わせてはいけない。
政府は揺れ動く。普遍主義が良いがお金が無くなって来たら選別主義に動く
財政の効果としては選別主義の方が良い。困っている人にどんと上げた方が良い。アイツはもらって俺はない(人間だから、こう思ってしまう。人と人のつながりを創るためにも、分けるのは良くない)
財政を創るのは「人と人のつながりを創るため」その一本でよい。
人間の最大の不幸
孤立孤独担当大臣(イギリスの次に日本が作った)
「孤立・孤独それ自体が悪」という考え方。
その観点からも普遍主義が大事。
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子ども子育て加速化プランを国が加えた。
その分が予算額が増加してるだけで。既存の部分はなにもかわらない。