H29.2.10 藻谷浩介氏「里山資本主義から考える今後の三宅町

行って来ました。
藻谷浩介氏の講演会を聴いた森田町長が「ぜひ三宅でもやってくれ」と直訴し実現したという。
「今年最低の〇〇で・・・」という裏話から始まった講演会
首長の直訴にて実現しただけに、今の町づくりの視点を持つには必聴の内容です。
(もちろん藻谷先生が承諾してくれたため実現しました。先生ありがとうございます)

エッセンスを書き出します。

  • 「農地を宅地にすれば、人が住み着いて発展する」という古い発想はダメになるだけ! 現にダメになっている所がいっぱい
  • 「三宅の批判しているわけではないですよ~」という言葉と共に、現状のヤバサ認識をすべきだと迫られます。
    そのヤバサとは、このまま子どもが減り続ければヤバイ!
    奈良で唯一人口が増えているという香芝市ですが、実は増えているのは高齢者ばかり。他の世代は減っている。
    人口構成のアンバランスがヤバイのだ!
    高齢者ばかりが多数になる社会は、10年後、20年後、30年後、もたない。

    そんな話を小学校に例えて話されていました。
    人口が増えているという香芝市を例にすると・・・
    その小学校は、15歳から65歳の人(いわゆる「生産年齢人口」)が入学します。
    2010年の段階で4795人の生徒が在籍していました。
    2010年から2015年にかけて、市全体としては「2330人口が増えている」とは言うものの、
    この小学校に起こったことは、新入生4430人 と 転入生210人(香芝市に引っ越してきた15-65歳 )と卒業生5430人の合計で、-790人が2015年は減っています。
    このままのペースで、生徒数(生産年齢人口)が減り続ければ・・・下記のグラフの通り。この小学校はいずれ消滅します。
    人口が増えているという香芝市ですらこんな状態ですから、いわんやおや三宅町です。

  • 交通が便利になって、工場が増えて、好景気になれば、人口は減らなくなるなんてことは、まずない
  • それよりも、人口が減らなくなること。若者が戻ってきて、子供が生まれ続けること。誇りを持って地域を残すこと。

対策
(今回の講演は「農業」という事がテーマになっていたため「集落営農」という言葉も頻回に使われていました)

  • 町内の農業従事者の少なさを指摘しておられました。
    三宅は地名にあるとおり、屯倉と書く天領地、何千年前から作物の栽培に向いている土地だ。休んでいる田畑を使いなさい。
    一つの方法として「集落営農」(若者向け)
  • 「キョウヨウとキョウイクのある老人が長生きをする」
    「キョウヨウ」とは「今日の用事」、「キョウイク」とは「今日行く所」この二つがある者が、健康で長生きできるという。
    なので、年配の方は、畑をやろう。
    自分で出来ない場合は、出来る他人に土地を貸しなさい。
    「先祖代々の土地を他人に貸せるかって?」「それは個人的な言い分。子どもはこの地から出て行ったんだろう。使ってくれる他人に貸す方が、先祖代々の土地を守ることになる」
  • 取れた野菜や穀物を、持ち寄って販売する場所を作ったらどうか

こんな感じで、講演は終わりました。
「農業」という事がテーマになっていたため農地の活用という方向で、講演の最後をまとめられた感じでしたので、質問しました。
(「『みやけ』って地名の通り昔から穀物がよく取れたのでしょう。 そんな先祖の経験や知恵に基づいた暮らしをするように持っていけば、三宅町は大丈夫ですよ」という話で、強引に農業と結びつけた感じはありませんでした)

こんな質問内容
「農地の活用という話がありました。現在、三宅町では企業誘致にも力をいれています。
余っている土地に企業を、という話は、農地の活用とはある面、矛盾しますが、先生のお考えをお聞かせ下さい」

これに対する答えとして、
企業誘致は出来るのであればすればよい。でもなかなか難しいですよね。
しかも、亀山市しかり堺市しかり、大きな企業が来ても撤退している。
税収が増えるという点では良い。がしかし、それで人口が増えると考えるのは間違っている(豊田市の例)
人口構成のアンバランスが問題だ。それにどう取り組むかが大事!
ということでした。


先生の話は、農業という側面だけでなく、もっと広がりのある話です。
「今日の講義資料のデータはあげますので、必要な人は後でもらって下さい」とのこと。
もちろん、もらいましたよ!!
そこには盛りだくさんの今後の三宅町を考えるヒントが盛りだくさんでした!!
紹介します。


  1. 現状(変えられないこと)
     → 今の住民が毎年1歳ずつ歳を取っていくこと
     → (多くの)若者が地域外に就職して出て行くこと
  2. (変えられること)
     → これまでは一度出て行ったきり帰ってこなかった若者たちを、今後は工夫次第で呼び戻せる
     → 子育て世代の支援で、出生率を高くできる
  3. 前向きにできること
     → 子育てしながら働く若い世代を呼び込める
     → 無病息災で天寿を全うする高齢者を増やせる
     → 来訪・滞在・短期定住する外来者を増やせる

  1. 空き家・空き地・手の空いた人を循環再生:
    • 子供のいる世帯に、部屋数の多い空き家を賃貸
    • 空き店舗を雑貨屋・カフェ・シェアオフィスに再生
    • 住宅地の中の空き地は、借りて市民農園に
    • 「団地おこし協力隊」を元気親爺+元気女性で結成
  2. 町外に出るお金を減らすためエネルギーを循環再生:
    • 建物の改築・断熱改修を進めて大幅な省エネを実現。小水力・風力・地中熱・廃油・廃熱を余さず使う。

若者が戻らない地域の共通点

  • × 「無い物探し」と「悪者探し」が日課
  • × 親が子供に「この町はダメだ」と言う
  • × 観光客に地酒・地魚・地野菜を出さない
  • × 生鮮品を都会に生で安売りする
  • × 役場職員や議員が勉強会に来ない
  • × いくら頼まれても空き家を貸さない
  • × 自分の子供は都会に出しておきながら、都会から移住してきた若者の悪口を言う
  • × 「何もない」と「当たり前」が口癖

「うちには何もない」「そんなのここでは当たり前」は、謙遜どころか罰当たり。
「何かある」「当たり前ではない」からこそ、先祖がここを選んだのに…
「当たり前」ではなく「有難い」が口癖の地域だけが残る。
何が有難いのか、傲慢を捨て、よそ者の目で学べ!

残る町は「住む理由」を言える町!
人口が年々減少していく時代、人が仕方なく住む町に未来はない。
⇒住む人が堂々と「住む理由」を説明できる町だけが残る
なぜここを選び、暮らすのか。住んでいる人の「住む理由」を良いものにして行こう

子供が増える三宅にするには?
× 行政が入学時にランドセルを配る
 ← 祖父がやることを行政がやるな!(爺世代の発想…)
 ← 当事者=現に子育て中の母親の意見を聞け!
× 乳幼児の母は仕事を辞めて子育てに専念できるようにする
 ← 何人産んでも働いて稼げる、母親が早期に職場復帰 でき、柔軟に休める雇用環境をつくる
 ← 父親も子育て中は柔軟に休める文化をつくる
 ← 学童保育、病児保育、小児科医療を徹底充実
× 皆が結婚し2人ずつ子供を持つような時代に戻す
 ← そんな時代など、昔から一度も存在しない!!
 ← 3人、4人兄弟姉妹が、家庭の事情に係わらず食べて着て育つ仕組みをつくる(里親の普及が鍵)


藻谷先生、ありがとうございます。
結果を出すことが最大の感謝の示し方ではないだろうか。

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