2023.10.16 島根県邑南町 視察

邑南町視察

邑南町視察

邑南町視察

邑南町、思った以上に山深い所です。
島根県一広い町。80%以上が森林という自治体です。
人口は、9千人代。
防雪地にも指定されています。

「日本一の子育て村」
元祖なのか本家なのか、よく調べていないのですが、2011年から取り組みを始められた島根県の邑南町(おおなん ちょう)へ、三宅町の議員団(全員)で行ってきました。
今では、子育て施策に力を入れるというのは、各自治体当たり前になって来ていますが、2011年から始められたというのは、先見の明ありです。
首長が素晴らしいと思います。明石市の泉房穂が市長に就任されたのが、2011年ですので、その早さに驚嘆です。
5年に一度の国勢調査2005と2010年での調査で人口の減少率に衝撃を受けて、これはなんとかしないとと子供施策を本気で始めたとのこと。
当初は、高齢者への予算を子供へ振り分けることになるので、ハレーションはあったとのこと。そのたびに、次の時代を支えるのは誰? その世代がどんどん減ってるんじゃ! 子育て世代に頑張ってもらえるように、行政が支えないとダメなんだ! と説得したとのこと。

「子育て世代の安心」ということで、医療体制(病院の確保、子供の医療費)教育体制(2子目から保育料無料、病児保育)などの確保に努めてきたという。

これと同時期か少し早くに、寺本英仁さんというスーパー公務員さんが活躍されており、この方も有名だと思います。
著書「ビレッジプライド」「A級グルメが日本の田舎を元気にする」
この寺本さんの「ビレッジプライド」を読んで今回の研修に挑んでいます。

寺本さんの本では、地元にたくさん良い野菜やオリジナルの品があるので、それで地域外から外貨獲得のため尽力されていたようですが、取引量が増えてきても地元の業者さんが幸せそうでないことに気づいたと言います。
自分たちの作ったものでたくさん儲けることではなく、身の丈にあった収入で自分の周りの人と付き合いながら、幸せに暮らす、そのことが自分の求めている幸せだと気づいたと本の中では書かれています。
地元に来て田舎暮らしをしながら、仕事もここでしてもらう仕組み作りにガンバっておられるようです。「耕すシェフ」「0円起業」「A級グルメ」そんな取り組みを町をあげて、いろんな方々を巻き込みながらされているようです。
寺本さんも、地元の生まれで大学進学で東京へ出て、就職で地元に帰ってきて役場に就職されました。
地元をなんとかしなくてはという思いに溢れているのが、書籍からも伝わってきます。
今回の研修では、寺本さんに会えるかなと楽しみにしていたのですが、それはかなわずでした。

地域おこし・町おこしの事業としては、自分も鉄道ファンであり、廃線になった路線を使ってトロッコ列車を走らせる。
あちらこちらにできた空き家を使って、そこをお店として使いたい人のために、リノベーションをしましょうか?つきましては、「DIY木の学校」の授業で実習させて」と、空き家の回収を公金を入れて行う代わりに、学校の授業として使わせて、というようなことをやっているとのこと。
ここで言われていたことで気になったのは、
邑南町という面積の大きな町でも特に人口減少の激しい地区での取り組みである。
この地区の人口減少は、1980年ごろに始まっており地元の人に助けを求めても、諦めムードが漂っておりなかなか地元の人のやる気を出すことができない。ならば廃線にトロッコを走らせるというのは、鉄道ファンの自分ならわかるとおり、やりたいと思う人が、地元の人がダメでも広島まで広めたらやりたい(手伝ってくれる)鉄道マニアがいるだろう。そして、廃線にトロッコ列車が走ったらそれに乗りたいという人も全国レベルでは出てくるはずと、マニアックな所を利用して地域おこしに取り組んでいるとのこと。

子育て施策としては、10年が経って減少カーブをゆるやかにしたと思う。
もう一度、子育て施策をしても今では他自治体と差別化できない。
ならば、子育て施策(つまり親世代への施策)から、子育ち施策(子供への施策)へ拡大。
「おおなん みらいファクトリー」という、子供たちが考えたプランに予算をつけて形にする施策の実施。
子供条例を作って、子供を主役とする町として、実行しようとしています。

三宅町も、学ぶべき点が多々あると思います。
この町の職員さんは、議会ではキツい質問もああり対応しました。というようなことを言っておられました。
邑南町の町長は、町議会議員からスタートし県議会議員をえて、邑南町の町長になって、5期目とのこと。
過疎化しても、いち早く、小学校は無くさないと宣言されていたとのこと。
小学校をなくしてしまうと、子育て世代がその地域には戻ってこないことを理解されていると思います。
絶対に無くさないということは、無くさない方向で部下は考えざるをえず、トップにはブレない価値観。
確たる信念が必要です。
この首長であったからこそ、横並びになりがちな自治体運営で、他の自治体がやっていないことが出来た。
寺本さんのようなぶっ飛んだ公務員が活躍できた。今のトロコ列車のような企画(どこでどんな許可を取って、地元の人たちの諦めムードの中やれる?)が、実現してゆくのだろうと感じた。
あえて「失敗しようぜ」なんて言う必要ないのではないか。

追記(その他、気になったこと)

ヤルのは・ヤル気を出すのは住民さんなので、我々はそれを全力でバックアップする。それができる仕組みを作ることです(地域みらい課 課長)
長年に渡って漂っていた諦めムードの住民さんは、なかなか協力してくれと言っても動いてくれない。
でも、何かをしないと未来がないとも思っている。
空き家を貸してくれと言って、実際に借りられるまでに、2、3年かかると言うのが実感(地域おこし協力隊)

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